ルワンダの言語教育は興味深い

ルワンダに到着して1週間、とても興味深いのがルワンダ人の言語能力事情である。公用語はルワンダ語、英語、フランス語、スワヒリ語の4つである。もともと現地語のルワンダ語に加え、ベルギー統治の影響でフランス語が公用語だったが、15年ほど前に英語も公用語に加えられた。教授言語も15年前にフランス語から英語に変わり、第2言語は英語に変わったと言える。スワヒリ語は東アフリカ共同体のリンガフランカであるゆえ、加盟国の記として公用語に追加したと理解している。

ルワンダ人の言語能力は、教育格差をもろに反映している。1週間で関わった身近な人たちは大体以下のような感じである。

大学まで卒業したNGO職員や私立小学校の先生は英語がとても流暢に話せるどころか、フランス語まで話せる人が多い。

一方で、工事現場で働く人やガードマン、バイクタクシーの運転手などはルワンダ語しか話せない。

言語の面で2点興味深いことがある。

1点目は中途半端に英語が通じる人がいないことだ。
流暢にしゃべるか(なまりはある)、全く話せないかの2択だ。日本だと、英語が話せないと言っても、How old are you? What is your favorite food?程度の簡単な会話くらいならたどたどしくてもできる人が多い。それに、単語だけ、cold, hot, difficult, expensiveくらいを使って感情を共有することもできる。こちらでは、英語が分からない人は全く分からないという場合がほとんどで、意思疎通の測りようがない場面がとても多い。頑張って覚えたルワンダ語の挨拶を終えた後は会話しようがないのだ。(これがとても残念で少しでもルワンダ語を頑張って覚えようと思う。)

2点目は想像していた以上にフランス語の影響が根強いということである。英語が話せる人にはほとんどの確率で、Do you speak French?と初手で聞かれるし、何かとフランス語が分かっていればと思う状況が訪れる。人の名前がフランス語の単語が由来のものも多いし、食べ物の名前もフランス語に関係しているものがある。
15年前まではフランス語が第2言語だったゆえ、30代以上の人がルワンダ語とフランス語しか話せない、という場合があることは知っていた。実際、大家さんはルワンダ語とフランス語しか話せない。ここまでは想定内である。驚いたのが、併設しているナーセリー(保育園)はフランス語しか扱わないという。保育園の先生は英語があまり話せずフランス語優位という人も多い。その園が珍しいのかと思えば、ナーセリーでフランス語を教えるのは珍しくないようだ。友達に理由を聞いてみると、幼少期にフランス語に触れないと習得するのは難しい。フランス語を習得した後英語を学ぶのはそんなに難しくない。どちらも話せるようにするにはこれがベストだと言っていた。

公用語の1つとはいえ、未だにフランス語の影響がここまで根付いているとは思わなかった。まだまだ外国語=フランス語と思う人も多いようだ。(街中で年代問わず色んな人からbonjourと話しかけられることも多い。)

この現状、教育さえしっかり受けられればトリリンガルになれるので羨ましくも思うのだが、逆に格差を広げているような気もしている。

まだ滞在して1週間、肌感覚でしかないので何とも言えないのだが、何はともあれ、ルワンダの言語教育はとても興味深い。

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