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古文書みたいな戸籍謄本

母の遺産相続手続きに必要な書類がやっと揃って提出したら、足りません、と差し戻された。
出生から婚姻までの戸籍謄本が必要だった。婚姻後の謄本にも記載があるからそれでいいのかと思っていたら、婚姻前の住所地の戸籍謄本も必要なのだった。
幸い近所の役所で済むので、早速取りにいった。窓口で「戸籍謄本と除籍謄本とどっちがいいんでしょうねぇ」と尋ねると、係の方から「何が出るかわかりませんからね」というパワーワードをいただいた。
母が生まれたのは80年以上前のこと。そんな古い記録がちゃんと残ってるのかな、と不安になりながら待っていると、番号札で呼ばれた。
「2通出ました」
ほんとに「何が出るかな」状態だ。
毛筆だし、字が下手なうえ丁寧でもなく、判読不能じゃないの?という箇所もありまるで古文書だ。
母が生まれた時点で戸主がおじいさんだったらしいのと母の父が早逝だったせいか、なんだか古い人たちも載っている謄本だった。

謄本を見ながら、母から4代遡る家系図が書けた。なかなか面白い。
母の母は漢字の名前だが、母の5人の伯母、祖母、曾祖母はみなカタカナ2文字の名前である。
イサ、カク、イチ、トリ(?文字不鮮明)、イヨ、タツ、タメ……
女性に参政権もない時代、名前もポチ、タマ、ミケみたいな感じだ。
まあ現代でも立派な名前をつけても結局呼ばれるのは2文字の愛称であることは多いけれど…

相続手続きは面倒だけれど、こういうものを目にしていにしえに思いを馳せるのもまた一興と思ったことだった。


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