それが君の誕生日。
それは確か、シャープペンがゴミ箱の中から見つかった日。
クラス会議が開かれた。
こんなことをしたのは誰かと問い掛ける先生。
みんな何も答えずに、時間ばかりが過ぎていく。
痺れを切らした誰かが、
「あー、うぜー」となどと言い出す。
それは主犯だったりする。
「時間の無駄だって」
「先生、怒ってばかりいると老けますよ」
「だから結婚できないんじゃね?」
クスクスと忍び笑いが起こる。
それを叱りつつも、沈黙が破れてほっとしている先生。
そんなものか、と思って席を立つ。
「もういいです。自分で捨てました」
驚く先生。
どっと笑いだす顔と顔と顔。
「……そう。そういうことは早く言ってね」
「だせー」
「そうだよ早く言えよ」
「帰るの遅くなったじゃんか」
「お前のせいだぞ」
「あーあ、疲れた疲れた」
教卓のペンを取りに行き、そのまま帰り支度をする。
「さようなら」
ノイズを背にして教室を出る。
家に帰ったら何をしよう。
とりあえずシャープペンを突き立てようか、
どんなことになるだろう。
綺麗な綺麗な綺麗な血が見られるだろうか、
痛い痛い痛いと泣き喚くだろうか、
今日が君の誕生日。
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