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日めくり俳句

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季節に感謝する気持ちを忘れないように、できれば毎日、自分の句と先輩方の句をアップしようと思っています。仮に途切れることがあっても、季節は絶え間なく進みますので、私も気を取り直して…
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2020年7月の記事一覧

喧嘩して何度もつつく含羞草

ケンカシテ・ナンドモツツク・オジギソウ 「含羞草(おじぎそう)」は7月の季語、「蠅捕草(は…

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空蝉や爪の力は抜けぬまま

ウツセミヤ・ツメノチカラハ・ヌケヌママ 今年初めて蝉の抜け殻を見つけました。こころなしか…

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白蓮の蕾に宇宙宿りをり

ビャクレンノ・ツボミニ・ウチュウ・ヤドリヲリ 大きな蓮の蕾が、風にそよぐこともなく、ずっ…

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初デートする子に渡すハンカチーフ

「ハンカチーフ」は7月の季語です。母親になった気分で書いてみました。今年の夏は涼しいです…

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滴りや人知れず岩泣くやうに

シタタリヤ・ヒトシレズ・イワ・ナクヤウニ 「滴り」は7月の季語。これは、崖や岩の間から滲…

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白南風や隣町から青い空

シラハエヤ・トナリマチカラ・アヲイソラ 雨は降っていますが、雲は薄くなってきたようです。…

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叢に蟹の迷子や出水後

クサムラニ・カニノマイゴヤ・デミズアト この長雨に困惑しているのは人間だけではありません。蟹も川魚も稲も…。きっとあともう少しの辛抱です。明けない梅雨はない(ハズ)。 ところで、「蟹」も「出水」も季語なので、俳句としてはあまり美しくないかもしれませんね。(二重季語は避けた方がよいのです。)でも、水が引いた後に取り残された蟹と目が合ってしまったのですから、今回は仕方がないでしょう。何卒ご容赦を。

向日葵の今にも歩きだしそうな

自分より背の高い向日葵を見て心に浮かんだこと、そのまんまです。 「向日葵」は7月の季語。…

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遠目には優雅に見ゆるヨットかな

ヨットレースの船上は、まさしく戦場です。ロ−プを引っ張ったり、重心を傾けたり。見ている方…

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好物の鰻を残す母細し

ワクチンも特効薬もない今、私たちにできることは沢山食べること。特に、70代の母に伝えたく…

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久方の光と影や梅雨晴間

この間、久しぶりに日が差した時、歩道に揺れる街路樹の影が新鮮に見えまして。 「梅雨晴間」…

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君往ぬれどもトマト赤らむ今日も

キミ イヌレドモ トマト アカラム ケフモ 一昨日が晴れだったら違っていたかもしれないな…

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砂浜に駆け出すしぶき土用浪

土用に入り、夏が焦り出したようです。「うかうかしてると秋になっちゃうよ」って。本当に今日…

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金魚追ふ袖にも金魚をんなの子

この週末の夏祭りはコロナで中止だとか。さみしいですね。せめてもと、心に残る夏祭りの一コマをを俳句にしてみました。「金魚」は7月の季語です。