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【コラム】えいたそ「キラやば～っ☆」な大阪→バルト9への大移動劇☆東海道新幹線運休に打ち勝つ！

きゃんでー

 今回は台風15号の影響で東海道新幹線が運休してしまい大混乱となった9月23日から24日にかけてのえいたそ（成瀬瑛美）さんの動きにスポットを当てました。滞在先の大阪からプリキュアの舞台挨拶が行われる新宿バルト9までのまさにヒロインとも言うべき劇的な移動行程を説明しつつ、鉄道ファン・時刻表マニア的な観点で色々な迂回ルートを比較している「ちょっと変わった」コラムです。

1.始まりは台風から…

 2022年9月最後の3連休は初日から台風15号の影響で大混乱。特に9/23日夕方から24日午前中にかけては静岡地区に大きな災害をもたらした大雨の影響で東海道筋（静岡を通って東京-名古屋ｰ大阪を結ぶ東名高速や東海道新幹線などのメインルート）は鉄道、道路とも軒並み不通となってしまい、多くの人が列車内で宿泊したり新たにホテルを取るなどの対応に追われた。

 もちろん芸能人も例外ではなく、致命的な影響を受けた1人がえいたそこと成瀬瑛美さん。23日大阪でのライブに出演した後帰京。24日は15時より新宿バルト9で「自他ともに『最高のハマり役』と認める」キュアスター（星奈ひかる）のCVを務める『映画 デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ！』の公開記念舞台挨拶に出演する予定だった。しかし23日夕方に東海道新幹線は完全ストップ。えいたそは「悲報」としてせっかく5時間も待っていたのに結局東京に帰れなかったことをツイート。この日は諦めて大阪に宿泊することにした模様である。

【補足】
但し後述の通り運休が決まる直前に大阪を出発した東京行き新幹線は名古屋や静岡で夜を明かすどころか「1000分以上の遅れ」で目的地に到着となってしまったので、早めに状況がわかって疲れを取る意味ではむしろ良かったのかもしれない…。

2.24日朝、事態はさらに悪化…

 さて明けて24日。静岡地区に甚大な被害をもたらした台風15号の雨雲はまだ静岡東部に居座っている状態であった。東海道新幹線も12時ごろまで名古屋ｰ三島間が運休とアナウンス。朝の一番列車は新大阪駅7:18発（名古屋8:25着）の臨時「こだま74号」となってしまった。

一方のえいたそは朝6時から新幹線が動くと見て新大阪駅へ。しかし同じことを考えた方が多かったのか新大阪駅は朝から人でごった返していた…。さすがのえいたそも「マージで大変なことになっている！」と言いつつ「あきらめないぞ！」と前向きなツイートで進むが…。

3.ここで代替ルートを鉄道ファン的に考察してみる

 この状況で少し視点を変えて「鉄道、時刻表好き」な筆者的対応策を考えてみる。新大阪からバルト９に向かうルートは常識的なところで見ると下図の4通りがある。

出典：国土地理院地図

①東海道新幹線ルート

 当初の予定通り東海道新幹線に乗って移動するルート。名古屋で運転再開を待って、そこから約1.5時間で東京に向かう。12時名古屋発であれば品川着は13時30分過ぎ。そこから移動する必要があるが14時過ぎには新宿に到着できる（下記参照）。但し再開時間は前後する可能性があり、10時再開なら12時過ぎには新宿に到着できるが、予定通り12時再開、かつ徐行運転だったり是より遅れて再開だとさらに時間がかかってしまうため、上映が始まる15時（上映後の舞台挨拶なので登場16時過ぎ）に間に合うかはわからない。
※実際、12時再開もしばらくは遅れが続いた

通常ダイヤの例
名古屋（12:06発） ー のぞみ332号 ー 品川（13:38着）
品川(13:46発） ー 山手線 ー 新宿 (14:05着）

②東海道新幹線ー名古屋ー中央線ルート

 名古屋まで移動した後、中央線の特急「しなの」と「あずさ」を乗り継ぐルート。もともと中央線は名古屋と東京を結ぶバイパス線としての意味合いもあるので意外に実用的。ただ全て在来線なので新幹線だと2時間で移動できる名古屋ー新宿間が4時間30分程度と2倍以上かかってしまうのが難点。名古屋10:00発の列車までリミットがあるので新幹線の再開状況を見ながら使うかどうか判断できる。

当日のダイヤ
名古屋(10:00発)-しなの7号-塩尻(11:54着)
塩尻(12:18発)-あずさ26号-新宿(14:41着)

②'東海道新幹線ー名古屋ー中央線ー長野ー北陸新幹線ルート

 ②のルートの変形。中央線から特急しなのの終点である長野まで移動し、そこから北陸新幹線で東京に戻るルート。基本的に②と時間はほとんど変わらないためよく使われるルートではあるが、新宿へ15時前に到着するには名古屋を一本早いしなので出発する必要があるため、今回の選択肢としては厳しい。

当日のダイヤ
名古屋(9:00発)-しなの5号-長野(11:58着)
長野(12:25発)-北陸新幹線 はくたか560号 ー 東京 （13:52着）
東京（13:52発） ー 中央線特快 ー 新宿（14:17着）

③北陸線ー北陸新幹線ルート

大阪から特急「サンダーバード」に乗り、金沢から北陸新幹線「はくたか」「かがやき」で東京を目指すルート。実は新大阪駅で代替ルートとして提案されていたルートである。一応この時点で判明している限り一番早く東京に着ける（当日も実際そうだった）。
ただとにかく距離が長い。当日は特例により東海道新幹線と同額の運賃（特急料金は別）で移動できたものの、東海道線経由の約550kmに対して驚愕の約710km(+160km）。時間も約6時間かかってしまうため、よほど覚悟を決めないとこのルートは選びにくいし鉄道知識がなかったら「どこへ連れて行かれるんだ〜😱」状態なのは明らかである。

当日のダイヤ
新大阪(7:04発) ー 特急サンダーバード3号 ー 金沢（9:38着）
金沢（9:47発） ー 北陸新幹線 かがやき508号 ー 東京 （12:20着）
東京（12:30発） ー 中央線特快 ー 新宿（12:43着）

　さて、あなたならどれを選ぶだろうか？③の北陸新幹線が一番早く着けそうだがやはり大回りな日本海側を通るというのは鉄道ファンや時刻表マニア以外にはなかなか受け入れ難いと思う。今後北陸新幹線が新大阪まで開業すれば東海道新幹線のバイパスとしても使えるようになると言われているが、金沢までしか開業していない現状ではやはり選び辛いだろう。
そう考えると①と②、②'いずれの選択肢も使える名古屋まで移動が一番安全だと考えるのが普通である。えいたそもまずはこのルートを使って恐らく1番列車（名古屋8:25着）で名古屋までやってきたが…。

4.えいたその決断

 しかし、やって来た名古屋駅も再開待ちで大混雑。列車は一向に動かず、昨日静岡に取り残された列車がまだ各駅に止まったままの状況（下図、JR東海ホームページの運転状況より引用）。

驚きの900分遅れ(停車中)

そして9:00発のしなのは8:00の時点で満席。一方で10:00発のしなのとあずさはまだ空席がある状況。この時点で先ほどの②が一番確実なルートとなった。

結果、えいたそは意を決して②のルートに変更。9:00発の「しなの7号」に乗り込むのであった。※下写真は「しなの」（著者撮影）

特急しなの　中央線 釜戸ｰ瑞浪 （ISO200、SS1/1600、F5.6）

5.ヒーローやヒロインはピンチを乗り越えるものだ

 「しなの7号」は定時11:54に中央線の西線と東線の境目である塩尻駅に着いた。長野県のほぼど真ん中である。ツイートでわかる通り、塩尻は木曽山脈を超えた盆地。長野県のど真ん中であり大阪ー東京を普通に移動するのであればまさに「すごいところにいる！」のだ。

そして12:18発のあずさ26号に乗り、無事14:41分に新宿に到着。バルト9までは徒歩で10分ほどなので無事15時前には入れたはずである。15時の上映開始から、16時過ぎの舞台挨拶の準備をする時間を十分に残して「素敵な映画のお話をする」舞台挨拶に臨むことができたのだ。　
　もちろん舞台挨拶はいつも通りのハイテンション。流石としか言いようがない。

と言うことで劇的にえいたそは舞台挨拶に間に合った訳だが、いつも通りのハイテンションながらも一個一個の行動が冷静で、一番良い手段を選んでいると鉄道ファン的に感じた。実際東海道新幹線をそのまま待っていた場合、最初の列車にはかなりの遅れが出たので15時までに新宿に到着するのは困難だった。かと言って日本海側を回るチャレンジにも手を出さず、一番早く辿り着けたわけではないがギリギリの時間に間に合うと言う一番ドラマチックな切り抜け方だったと思う。それは彼女のこのツイートに全てが凝縮されていると言っていい。流石ヒロインである…！

6.終わりに

 改めて「えいたそ＝星奈ひかる＝キュアスター」の同一性を感じることができた今回の大移動。えいたそのスター性を改めて見せつけてくれたことに驚くばかり。彼女は長い運休で疲れていた皆さんや災害に心を痛めている皆さん、プリキュアを待っている皆さんにまさに元気を届けてくれたというのが第一の感想です。
それだけでなく「鉄道ファン的にみていて面白い」、そして「東海道新幹線不通時の代替手段を伝えた」点でも非常に興味深かったので今回はコラムにまとめてみました。是非様々な方に薦めていただけれと思います。
　今回もお読みいただきありがとうございました。感想やご意見等いただければ幸いです。（了）

参考文献：JR時刻表（交通新聞社）

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