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読書会後記まとめ

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読書会の私記・後記のまとめです。
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◆第二回◆山本信「夢とうつつ」読書会後記

 この記事は前回の続きである。最近、魔神ぷーさん主催の読書会で山本信(やまもと まこと)さんの論文「夢とうつつ」(1961)を読んでいる。前回と同様、その日読まれた範囲での概要を段落ごとに記していく。参加者たちが興味深い議論を展開していたが、完全に忘れてしまった(感想を書こうと思っていたのだが)。思い出したら、また追記する。今回読んだのは第二十段落の途中までだったが、きりが悪いので要約した。  第二回:24/05/12(第九段落~二十段落目)概要  近世の哲学の主観主義的

◆第一回◆山本信「夢とうつつ」読書会後記

 本記事は、まず最初に、魔神ぷーさん主催の読書会にて皆で朗読した山本信(やまもと まこと)さんの論文「夢とうつつ」(1961)のその日読まれた範囲での概要を段落ごとに記していき、その次に、読書会の会話のなかで持ち上がった問題について、短い私的な感想を付記している。  第一回:24/05/05(第一段落~八段落目)概要  この論文で取り扱われる主題は「夢」であるが、そこで問題とされるのは、精神分析のように夢の内容的な側面から夢の成立構造や意味を解き明かすことではなく、夢にお

「解釈学・系譜学・考古学」読書会私記――永井均の「忘却論」

本記事は、最初に永井均「解釈学・系譜学・考古学」の概要、次にそれを受けて私が実験的に書いてみたメーテルリンク『青い鳥』の二つの変奏があり、最後に、先日行われた魔神ぷーさん主催の読書会への「あとがき」のようなものを置いた。  「解釈学・系譜学・考古学」概要 1.私たちは、自分の生をはじめから肯定できる観点を、ぜひとも見つけたいとつねづね思っている。その歩みは、あらゆる過去の思い出や現在のさまざまな出来事を「もともとそうであった」という観点のもとで解釈することを通して、