見出し画像

「田沼武能 人間讃歌」展を観て

先日、東京都写真美術館の展示「田沼武能 人間讃歌」を観に行きました。

もう少し上手く撮りたかった。

漠然とだけど、「民俗」に関心のある私。日本の集落の小さな祭礼から、海外の多様な民族衣装まで、知識は浅いけど興味は幅広いです。
恥ずかしながら、田沼武能氏を存じ上げなかったのですが、写真を通して人々の営みが観れるのではないか、と思ったのが観に行ったきっかけです。

第一章 戦後の子供たち
戦後の日本は暗いイメージで、被災した人々がたくさんいたことは悲しい事実だけれども、無邪気に生きていた子供たちもいたという事実に安心しました。つらい時代だったからこそ、子供たちも無意識のうちに前向きになろうとしていたのかもしれない。
一方、何か今の時代にはほとんど存在しない「何か」を感じました。上手く言語化出来ないけど、人と地域の繋がりのようなもの。懐かしくも切なさを感じました。

余談ですが、戦後の東京の発展を一時印刷物をたっぷり展示した「東京エフェメラ」(インターメディアテク)も面白かったです。

第二章 人間万歳
生き生きとしているのは、世界の子供も一緒でした。日々の営みの中で楽しみを見出している。特に「板に書かれたコーランで勉強、モーリタニア」の写真は見入ってしまいました。
長年写真を撮り続けた田沼氏だから、時の流れを感じた場面も。
ある写真に写っていた料理を見て、「ジョージア料理だ」と思い、作品名を見ると「グルジア」。そうか、今ではジョージアが一般的だけど、数年前までグルジアだったんだよな。
どの写真もタイトルが具体的で、写真の魅力を引き出していると思いました。

第三章 ふるさと武蔵野
武蔵野方面はあまり行ったことがなく、「武蔵野プレイスいつか行きたいな〜」という印象でした。しかし、武蔵野人である田沼氏のフィルター越しに写った武蔵野は、自然が豊かで、伝統が根付いていました。忘れたくない日本の風景を再認識しました。


今回の写真展を通して、民俗に対する関心がより高まりました。現在都市部に住み、働く私たけど、様々な地域の伝統をこの目に焼き付けたい。実際にこの足で赴き、全身で感じてみたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?