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壮絶な人生 過去の患者さんたち


コロナでカテが延期の患者さんが重なり、本日は本当はカテ日なのですが、
カテがなくなって、病棟業務だけとなり時間ができました。

昨日に続き、過去の治療のデータ収集をしています。

基本、対象患者さんのカルテを開いて、医師や看護師の記録、カテの画像や所見、治療効果、マーカーなどをエクセルに入力していくのですが、

ついつい、その当時の患者さんとの思い出が蘇り、
なかなか仕事が捗りませんでした。

正直、ここでカテを始めた当初、アメーバーでブログを書き始めたのですが、
物珍しらもあって、結構注目されました。

それも、

アンチ標準治療の方
抗がん剤の副作用が絶対嫌な方
一般的な標準治療を勧めてくる先生と折り合いがつかない(喧嘩をする)方
なんでもいいから、標準治療以外の治療を受けたい方
とにかく脱毛が嫌な方
どこぞのクリニックで、さも夢の治療のようにホームページでいっぱいやってる、海外からも来てる、体に優しいと集客の良さげなフレーズでがんカテを勘違いして、これで完治すると思い込んでしまう方

とにかく、僕がいつもブログで書いている、がんカテは標準治療ができるのにするべきではない、でも標準治療が少し難しくなってきたときに、大きな病気、命に関わる病気を制御して、次の時代の治療まで延命し、元気に生き延びる治療であることを当時はあまり理解されていなかったと、過去の患者さんのカルテを見ながら感じました。

同時に、勘違いされながらも、こちらも、また当時のスタッフ、特に看護師さんたちも懸命に彼ら彼女らの無理難題を標準治療や緩和看護の中で叶えようと努力している記録が山ほどありました。

結果として、1−2回でカテが終わってしまうような、本当に重症の患者さん、今ではとてもうちではとらない患者さんもやっていて、例えばもう、1年以上癌性疼痛で不眠で動けなかった患者さんだけど、1回カテやって翌日歩けるようになったとか、とんでもない良い結果だった方も結構います。
ただ、残念ながら、昔の患者さんのほうが、気持ちが夢をみていて
それならばもっと良くなるのでは、とか
がんとの共存が理解できず、超進行がんなのに完治しか気持ちが受け入れられない患者さんが多くて、こんなに結果がいいのに・・と歯痒い気持ちで、僕の元を立ち去る患者さんたちを見送ったこともあります。


うちのセンターにくる患者さん層の、今と昔の絶対的な違いは、

患者さんたちが、ご自身の病気を、治療を、しっかりとご理解されている方が圧倒的に多いことです。

奇跡よりも現実をちゃんとみていらっしゃる、だから、遠方の患者さんも、かかりつけの施設と当院とでちゃんと標準治療を踏まえて、治療方針を診療情報でカテのことをあちらの先生が理解し、うまく連携して治療ができています。

トラブルになることもほとんどありませんし、
よくある、「クリニックだと、カテができなくなると放り出されて元の病院に戻りたくても、変な治療を受けたあとだからと受け入れが悪くなる」ことも
当院では全くありません。

まあ、今の時期は、僕もネットでの露出は極力控えた方がいいようですので、
このブログを見て、この治療に興味をもたれた患者さんは、
僕の過去のニャンコ先生のアメブロや、
当院で治療をしていた方々のブログをある程度参考に
当院のことを知っていただけるといいなと思いました。


あまりに、10年前とは、患者層が異なり
本当に今は、カテの説明、治療実施がしやすい環境だと感じています。
それは全て、患者層の変化、うちのスタッフの成長のおかげだと思っています。

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