腫瘍と炎症

かなり急激に悪化しているスピード感の速い方で
カテが奏功した場合に多いことですが

発汗

動注直後から大量の発汗が半日くらい続きます

これは、僕はpositiveな変化と考えてます。

細かな推測される機序とか書くと長くなるので結論ありきですが

発汗した方で著効、多いですね。

なお、発汗しなくても著効してる方も多いので
これでどうのこうのは考えてません。

かなり進行した患者さんを多くみてますので

患者さんの採血値は4桁も普通にいらっしゃいます。

炎症のCRPも

重症感染症じゃないかと思うくらいの
20越えの方も

それが、カテが奏功すると
日にち単位で激減したりします。

カテ後の変動で早いのは
画像でもマーカーでもなく
症状と生化学ですね

腫瘍はサイトカインなど炎症性の採血値を大量に放出することが多々あり

がんと炎症はよく併存してます。

腫瘍熱は、早期癌ではあまり経験されないでしょうけど

再発進行癌ではしばしば。

CRPも上昇します。

腫瘍熱を下げることは
日々の体力を維持することには有効ですが

根本的には腫瘍の増悪を示唆する所見なので
熱を下げるだけでは根本的な解決にはなりません。
対症療法です

そういう意味では、腫瘍熱など炎症を来たしている腫瘍を直接叩き制御すると

がんの緩徐な縮小の前に
炎症の制御による腫瘍熱の軽快、採血値の改善などがみられます。

こういう変化は、全身的な投与よりもキレがよく
変化が早いですね。

こういうことは、どこにも書いてないでしょうけど

がんカテセンターではよくある経過です。

患者さんにも説明してますし
スタッフにも教育してます。

非常に独特な経過だと思います。

動注の良さを、体の負担が少ないの一点に求めるべきではなく、僕としては、このキレの良さが臨床上のポイントになると思います。

また、標的外の病変の状況は、カテを継続していいかどうかの見極めに重要になりますし

全身の病態全てを考慮して、カテをやる必要があります。

だから、適応の判断は

そう簡単ではないので

こんなブログ読まれてご自身で判断するなど不可能だと思います。

関心があるかたは、受診してください。


さて、いつも術後に汗をかかれる患者さんのカテを今からしてきます。
今回で14回目ですね。がんばりましょう

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