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人の多様性〜いろんな人間がいてもいいじゃないか

外来が終わりました。

本日は再診だけでしたが、皆さん経過もよく、また、次の治療に向かわれる方の準備も終わり、来週のカテの指示も出し終えて、14時。

UFO、うまいわ〜。

訳あって、今は院内のいくつかの特定の場所にいくことを控えているので
昼食は外来でさくっと適当にすませてます。
一度ハマると抜け出せない性格(AB型)なので、忙しい時は買い溜めしたUFOでいいです。医者って、不健康ですから(笑)

さて、突然、多様性といわれてもなんのことやら。

AB型のせいか?、いろんな人間がいてもいいと思ってます。
逆に、型にはまらないと攻撃したり、悪者確定する、宗教団体みたいな組織に
嫌悪感があります。

そんな中、今のご時世、ダイバーシティ(Diversity)が一般化していますよね。
これは、日本語で「多様性」の意味です。

がん医療は個別化と言いながら、世の中は多様性。
面白いですね。別にこれは反語ではないのですが、
がん医療は、いくら多様性の時代だからといって、好き勝手やってはいいものではありませんから。
きちんとした枠組みの中での多様性、これが、がん治療の後半戦の真髄だと思ってます。後半戦で、型にはめようとすると、皆さんすでに過去の治療や病気の進行度が違うわけで、やはりここは多様性が大切になってきます。

多様性という定義は、癌治療の中で、変に使われないように懸念しつつ、
でも、うまく多様化し、とにかく次に次に、つなげる治療を、継続していく姿勢が大切ですよ。


さて、実は4月に横浜で開催された日本医学放射線学会総会にて

学会が推し進めている、「ダイバーシティサポートプログラム」の一環として

JRS Encouragement Award

という賞をいただきました。
今年の受賞者は全国で17名だったようで、確か学会で初めての試みだったような気がします。

僕は、実際の診療は、放射線科ではなく、腫瘍内科業務をしています。
さらに、腫瘍内科のくせに、放射線科の読影専門医をもち、
放射線科のサブスペシャリティの1つのIVRを生業としています。
これも、多様性のひとつかもしれないと思って、僕が実際に今行っている診療や今後のビジョンを文章化し、事前に応募していました。
これが受賞したわけです。

決して、決して、副賞が欲しくて応募したわけではありませんから!!!


この度、、学会HPに写真を載せてもらいました。
講演会がもうできない状態ですので、

がんカテセンターやってる医者って、HP作ったのはもう8年前なので
今はこんなおっさんなんだ、と理解してください(笑)



僕以外の受賞者は、皆さん放射線科の先生方です。
さらに、こういう賞は、将来ある息の長い若い先生方がとるべきで、
副賞欲しさに応募するような内科のおっさん医師がとってしまって恐縮です(笑)

でも、アメーバー時代からSNSで、がん治療について、
がんカテについて、
特に病院のサポートもなく全て個人で発信を続けていたので、

この大切な大切な副賞を、今後のSNS発信のためにうまく使わせてもらいたいと思います。


今年は、日本放射線腫瘍学会第37回学術大会
つまり、放射線治療の学会が11月に横浜であるのですが、
そこで以前からお世話になっている山梨医大の先生方の推薦もあって

「放射線治療後再発に対する緩和的動注療法」

というタイトルで発表させていただけることにもなりました。

放射線治療は基本1回しかできず、実施後に再発した場合は多くの場合はお手上げですが、うちではそこに動注をやって結構制御しています。
コラボレーションではないですが、サルベージ治療として、
放射線治療の先生方の前で、発表させていただく予定です。

初めての学会だし、研修医の時(放射線科時代)、たぶん自分が興味なさげな態度だったせいで放射線治療の先生に結構怒られたので笑、少々、怖いのですが。。。。
ただ、自分が静岡で10年くらい仕事していた時に、隣の山梨医大の先生方にはいろいろとお世話になったことも多く、懐かしいです。今回の学会が山梨医大が主催とのことで、喜んで発表させていただきます。


局所治療の王様はいつも患者さんたちに話してますが、
これは手術です。

がんを見ながら完全に取り除く、これほど強い局所治療はありません。

その他、代表的な局所治療として放射線治療(重粒子線治療など含む)があり、
確固たるエビデンスもある、素晴らしい局所治療です。
また、エビデンスはまだ少ないのですが我々IVR医が主に行っている
ラジオ波焼灼術や凍結療法、つまりがんに針をさして、焼いたり凍らせたりする治療もあります。

ただ、いずれも、見えているがんを1つずつ治療するものであり、
転移という病気を、その発生機序を考えてください。
原発から漏れ出したがん細胞が、血液やリンパ管を介して全身に波及し、
たまたま着床したところで育ったものが、転移です。
ですので、転移を1つ1つ治療する行為は、すでに全身に、血液の中に浮遊するがん細胞に対して無力ですし、モグラ叩き治療になりがちです。

以前にも書きましたが、このようなピンポイント治療が許容されるケースは
オリゴ転移の場合だけだと思いますし、オリゴかどうかの判断は、
がんの全体の経過をみないと判断できません。

安易に局所治療を選択する行為は、見えているものだけしか理解できない
愚か者の行為になりがちですので、その後ちゃんと薬物療法をしたり、
とにかく、適応に関して主治医とよく話をして、自己責任で行ってください。

なお、がんカテは、上記のがん1つずつを狙ったものではなく、
ワイドレンジの局所治療です。
臓器単位で行いますので、例えば重粒子やラジオ波が3個以内の肝転移が適応の中、がんカテはそれが10個、20個あっても関係ありません。
肝臓全体に治療しますから。

ただ、抗がん剤治療のひとつなので、1つ1つの転移に対する抗腫瘍効果は、上記の切ったり焼いたりする治療より弱くなります。だから繰り返します。

大切なのは、転移が全身病であることです。
見えているものだけ考えて治療する、そんな子供でも考えそうな発想ではなく、
全身病の中の、一部が見えているだけ。
でもなぜ、そこにがんカテをするのか?
そこまでしっかりと将来の治療プランや必要度を明確にして
当科では適応判断しています。

なんせ、わたくし、(なんちゃんって)腫瘍内科医ですから(笑)


外来業務は好きです。
患者さんと病気のこと、病気以外のこと、いろんなことを話せるから。
自分のチームや病棟の職員との会話も好きです。
ただ、それ以外の方と話すのは、好きではありません。


さて

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