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だらだら日記2020②

・12月17日

今日も寒い、と書いていたら、「東京、過去最多800人超の感染確認」のニュースがiPhoneの画面に流れて来た。数字だけ見ると大事のように感じるが、「去年と比べて10月の自殺率が40%増えてるらしい」という話をたくみから聞いた後だったから、コロナ自体よりも精神的な2次被害の方がよっぽど気になっている。「孤独は人を殺す」という言葉が頭に浮かぶ。先日、GRiDでマックスむらいさんにインタビューさせてもらったとき、むらいさんも「人って今、本当に孤独だと思う。」と言っていた。

つながりが分断されている社会、とくに都市部における関係性の希薄化は、もはや社会問題と言ってもいいレベルで、精神に変調をきたす人が増えているのは想像に難くない。9月から静岡の山で新しいプロジェクトをスタートしたむらいさんが、インタビューで話していた地域の人たちとのコミュニケーションが印象的だった。いわく、「最初は踏み込み過ぎじゃないかと思ってたけど、今ではすっごく生きてる感じがする。楽しいし、東京でのつながりが物足りなくなってしまった。」。利害関係のないコミュニケーション。理由がなくてもつながれる、それ自体が目的、喜びとなるようなコミュニケーション。東京生活が10年を超えた身としては、聞いていてなんだか羨ましくなったし、地域のつながりに触れたい気持ちが高まった。やっぱり来年は沖縄で過ごす時間を増やそうと思った。

今日は、朝10時半から、PORTOで人と会う約束があった。早めに来て、ドアの前でタバコを吸ってたら、たくみが来たから、「誕生日おめでとう」と伝えた。 今日で28歳になったそうだ。仕事を通じて出会った頃は、まだ23歳だった。PORTOの2周年記念冊子でも書いたけど、あの頃は全く想像してなかった未来が今、日常になっていることを、時々不思議に感じる。
約束の時間に人が来た。2月で閉まる有楽町店の後釜の物件を探していたら、はじまり商店街の柴田さんが紹介してくれて、話を聞かせてもらうことに。神田の空きビルの利活用を計画されている方で、まだ確定ではないけれど、具体的に話が進んだら、また連絡をいただくことになった。有楽町店も、人の縁で見つけたから、新しい物件も築いてきたつながりの中で見つかったらいいなと思っている。

昼に友達と会うまで少し時間があったから、たくみと一緒に日比谷のウェンディーズへ。スパイシーチキン的なのを頼む。誕生日プレゼントに何かあげようと思って、「本とマンガと映画のDVDだったら、どれがいい?」と聞いてみたら、最近バタバタしていて、本だと能動的でエネルギー使うから、消費者としてシンプルに楽しめるものがいいとのこと。なので、僕が一番好きで薦めやすいマンガを見繕ってあげることにした。何にしようかな。SFテイストの作品が好きって言ってたから考慮しつつ、全然違うのにするかも。

たくみと別れてから、会う約束をしていた友達のあやしーを迎えに有楽町駅へ。あやしーは僕が大学時代にしていた早稲田のシェアハウス、通称「平山(ひらやま)」に出入りしていた子。卒業後、しばらく疎遠だったけど、共通の友人を介して、最近また連絡を取り合うようになった。彼女は現在、子育てをしながら週に何日か都内でカウンセリングの仕事をしている。
PORTOで昼を食べながら話す流れになり、駅前のセブンに寄る。ごはんおごってくれるとのことなので、お言葉に甘えて鶏肉のスライスがサンドされたパニーニみたいなやつを買ってもらう。お礼にPORTOで白湯を振る舞う。白湯を出されると、こちらが思う以上におもてなし感があるらしい。退廃的なものに魅力を感じるというあやしーが、PORTOの古びた雑居ビルや、狭い階段、店内の雰囲気、トイレの剥き出しの配管などを、とても気に入ってくれてうれしかった。閉店前に一度見せてあげられてよかった。

以前、#わたしとキャン という企画であやしーに寄稿をお願いしたときに、素敵な記事を贈ってくれた。最後の文章とリンクしたタイトルがエモくていい。文章にも書いてくれているように、僕らは同類というか、同じタイプのスタンド使いというか、似たような心の穴がぽっかり空いていて、そこから溢れてくるどうしようもないさみしさと、どう付き合っていくか、が共通のテーマみたいなものになっている。以前、あやしーが「自助グループみたいな関係性だよね」と言っていて納得した覚えがある。

社会が、誰かが君を変えようとする。
この世界を生き抜くために、君がそれに応えようとする。
楽にいこうよ。
少なくとも私と君との世界では。
自分のペースで、ライン返したり返さなかったりしよう。
マサルさんとジャガーさんのスタンプでひたすら会話しよう。
度々zoomの約束しながらも会えたり会えなかったりしよう。
ギブにもテイクにも言葉は必要ないよ。私は君で、君は私だから。

こころの問題は、同じ問題や悩みを抱えていると思える相手じゃないと、どこか気兼ねして話しづらいところがある。一方的に聞いてもらうのではなく、同じボールを、それぞれが自分ごととして投げ合える関係。
「この問題に関しては、いつでもこの人に話していい」
そう思える人がひとりいるだけで、人生はだいぶ生きやすくなると思う。そんな安心感のある関係性を、自分たちで少しずつつくっていくことが、この不安定な世界で自分を保ちながら生きていくうえで、大事なことのひとつのような気がしている。

P.S.
最近は「モテキ」のドラマや映画で使われていた曲を聴き返してます。



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