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「晩酌の流儀」コミカライズ電子書籍発売になりました!

コミカライズを担当させて頂いた栗山千明さん主演テレビ東京ドラマ「晩酌の流儀」の電子書籍が発売になりました!
シーズン1全8話の収録です。まとめてみると結構なボリュームです。
ぜひ読んでみて下さいね!

昨年の夏、既にドラマの放送が始まっているタイミングでこの連載のお話を頂きまして、ドラマの最終回に初回を間に合わそうということでバタバタとはじまり最終回までひたすら原稿と向き合った日々だったので、連載中も充分に告知ができなかったしnoteも書けなかったのでこの機会に振り返りたいと思います。

晩酌がテーマですが私はお酒もそれほど飲まないのですし、食いしん坊な割にグルメ漫画を描くこともこれまで考えたこともなかったのですが、美幸さんが自分の意志と努力で日々の生活を豊かなものにしている内容はとても共感できるたので(あんなにストイックにはできないですがw)、これなら描けるかも…と挑戦させて頂くことにしました。

お料理いくつか自分でも作ってみました。これはしめさばカルパッチョ。


既にドラマが始まっているということで、台本をベースに資料用に大量の写真や動画を頂戴して漫画を描くという有難い環境でお仕事させて頂きました。
視聴者(私を含む)のイメージはドラマで既に固まっていると思うので、作画はドラマに徹底して寄せようと決めていたのですが、P数コマ数の都合でできることは限られてしまうので、ネームは毎回苦労しました。
連載していた「WEBザテレビジョン」では1コマごとに切り出されていたのでわからなかったと思いますが、1回16Pもしくは18Pで美幸さんのルーティーンは削れないということでコマ割りを超がんばって1P9コマ詰め込むという令和とは思えないページもありましたw
9コマあっても見やすいようにという無理難題を己に課して頑張りました!

とはいえそれでも全てを入れるのは無理なので、大体朝漬物その他を仕込む場面が犠牲になっていたのですが…。
(扉イラストでこそっと入れてた回もあります。)
悩ましいのは1コマで切り出されると、小さいコマは大きく、大きなコマは小さく表示されるので、こちらが意図した演出の逆になりがちなとこでした。これ多分あるあるですよね。
電子書籍ではページで表示されるのが嬉しいです。

これはコンビーフマカロニサラダ。

ネームは台本の台詞をページごとに割り振るところから始まり(全部は流石に入らないのでここで落とします。)動画を確認しながら入れる絵や擬音を決めていく形でやっていました。
キャラクターの表情も俳優さんの演技をコマ送りみたいにしてこれだ!って思うのを参考にしたりしました。
肉の声とかも動画のその場面何回も再生してスピーカーに耳をつけてあやしい人みたいでした。ぼっち仕事で良かったw
グルメ漫画って調理中の音とか咀嚼音とか音を強調するものが割とありますが、ドラマがその辺控えめで、だからこそたまにクローズアップされる音がすごく特別なものに思えたので、その辺は真似したいと思って描いていたのですがどうですかね。伝わってると嬉しいです。

たまに台本とドラマで微妙に違うところがあって、これは漫画でクローズアップする部分やP数コマ数の都合(主にこちら)でその時によって台本の方を採用したりドラマの方を採用したりしていました。
ガチ勢の皆様にはその辺ドラマと見比べながら違いを確認して頂けると嬉しいです。

第6話はドラマにはなかったけどとても好きなシーンが入っているのでそこは特に見てほしいです。
(暗闇ボクシングと韓国料理の回です。)
あれは別に私が勝手にオリジナルのエピソード作って挿入した訳ではないんですよ。
(ドラマになかったのでどんなダンスかわからず悩んでいたら担当さんが考えてくれましたwありがとうございました。)ドラマみたいに動画で調理の工程を一通り見せたり、BGMと共に食べてるところをひたすら見せるとかできないので、その分こういう動きのあるシーンは漫画だからこそ入れたい!と熱望して入れさせて頂きました。
葵ちゃんの乙女心に丁寧に寄り添えたかなと思っております。

個人的なお気に入りは第7話。
お客さんが同業者でしたから、思うところが色々とありました。
まだ漫画制作がアナログの時代の話ですが(あ、でも先生カラーはデジタルに挑戦していたので移行期ですね。)私は一応デビュー済みではあったのですが、右も左もわからぬ素人だったので遅ればせながらアシスタントをして現場で仕事の仕方を学んでいたのですが、人気のあった某少女漫画誌の人気漫画家さんのところではデビューはしたものの雑誌の連載枠を勝ち取れずにいる漫画家さんがよくアシにいらしてて、辞めていく方も何人か見てきました。
彼女たちは「気が付いたらデビューしてた」みたいな人の多い私のような同人スカウト組より志が高く努力もしていて実力も高かったのに、あまりの過酷さにまたひとりといった感じで去っていくのが見ていてつらかった。
(そして比較的暢気だった私と同じくスカウト組だらけの私がお世話になった雑誌の作家さんたちは雑誌がなくなってかなり経った今でも大体まだこの仕事を続けているんですよね…。)今はデビューも漫画の発表の仕方も色々あるので、漫画描くのが嫌になったのでなければ、また自分のペースで漫画描いてくれるといいなと思った回。

そして「トマトすきやき」、実は以前にも漫画で描いたことがあったので謎にご縁のあるメニューです。笑
普通のすき焼きよりちょっとさっぱりしていて美味しいですよ!
以前描いたのはサンズハウスさんという不動産屋さん(不動産屋さんにもご縁があるな!)の街紹介漫画です。無料で読めますのでよろしければ。


あとなんといっても最終回の最後のモノローグが大好きです。
共感しかないし、美幸さんは本当に格好いいですね。

この漫画を担当して下さった編集さん、びっくりする位褒めたり応援したりして下さる方で、連載の回が進むにつれ私の体力が尽きてきて思うように原稿が上がらなくなっても(大変申し訳ございません…。)ずっとそうだったので、気持ちだけは一切切らさずになんとか完走できたという気持ちが強いです。ずっと支えて下さり有難うございました。
華麗な背景や小物を描いて下さった職人の皆様、素晴らしい台本とドラマを預けて下さったドラマスタッフの皆様、他お世話になった全ての皆様のおかげで無事形になりました。有難うございました。
この仕事が終わった後に母と弾丸で行った石垣島&竹富島旅行で買ってきたオリオンビールがまだあるので(金麦でなく申し訳ない。2月に買った1本がまだある位家では飲まないのです。なぜなら飲んだらもうその日は仕事ができないので。)、ひとりで滅多にしない晩酌をしてお祝いしたいと思います。

石垣島と言えば石垣牛!の焼肉。旅先では私もビールを飲みますよ!
一度食べてみたかった沖縄のぜんざい。小豆でなく金時豆が入ってます。お天気が残念ですね。
石垣島と言えばまぐろ!
八重山そば。お出汁が最高でした。

グルメ漫画だから、食べ物の写真ばかり載せてみました!笑

ドラマのシーズン2(ますます美味しそうでやばい)も漫画もたくさんの人に届きますように。



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