月組WTT・ピガール狂騒曲感想
月組東京公演を観てきました。
客入りはあまり良くないようですが、古参のヅカファンには好評な印象だったので行ってきました。
月組は全国ツアーの鳳凰伝以来でしたので約3年ぶりくらい!?私はれいこうみのコンビが好きなので月組は観たい観たいとは思っていたのですが、なかなか観る機会がなくて。実は月組の大劇場公演を観たのは初めてでした。
それゆえ、月組の組子も全然詳しくありません。今回は率直に純粋な目で感想を書くのでよろしくお願いします。
WTT
坂東玉三郎さん監修の和物ショーです。
和物ショーは雪華抄以来でしょうか。
実は和物ショーを観るのは映像でも生でも初めてでした。
勝手に苦手意識を持っていたのですが、とても楽しかったです。タイトルからしてオリンピックに合わせたレビューだったのでしょうが(welcome to japan的な)、残念ながらオリンピックは延期になってしまいました。
和物ショー初見者として、びっくりしたのはその華やかさです。着ている着物が華やかで美しいので迫力があります。衣装だけで観たら洋物より相当お金がかかってますよね。あのお着物は宝塚用に脱ぎやすかったりするのでしょうか。目には綺麗だったけれど脱ぐのは大変なんだろうなと。
プロローグはチョンパでこれまた宝塚らしくて素敵ですね。私自身、チョンパはAmour de 99!以来でした。Amourは初観劇の作品で、チョンパで出てきた時は感動しましたね。今回もコロナで自粛期間があった後での公演だったのでチョンパに感動、、、!宝塚観に来た〜という感じがしますね!あれ、暗い中どうやって並んでるんだろうと不思議です。
プロローグの曲は中毒性のあるウェルカムソングです笑 ウェルカム!ウェルカム!とこれでもかと歌います。
タイトルからしてもそうなのですが、やはり外国人観光客に向けた作品なんだろうなと。観た後絶対歌いたくなる曲です。私も家に帰ってから歌いまくりました笑
プロローグはそれはそれは華やかだったのですが、その後続く雪の巻、月の巻、花の巻は背景が暗くて退屈な人は退屈だったかもしれません。
雪の巻は松本悠里先生がメインの場面。退団される前に観ることができて良かったです。
雪の中、千本鳥居の前で踊る物哀しい場面でした。使われている曲がヴィヴァルディの冬で、和とモダンの融合が美しかったです。
月の巻は月組生ほぼ全員出演。
ベートーベンの月光に合わせて黒い着物の組子が月を背景に踊ります。
黒い着物にビジューが豪華に散りばめられていて、とてもシックで美しいのですが、照明が暗く、少し観にくかったですね。最後の盛り上がりで明るくなりましたが、盛り上がりまでが長い。
前の場面も暗めだったので、もう少し明るい場面になればなお良かったかも。
続く、花の場面はれいこさんとおだちんが鏡合わせの場面。ここでありちゃんじゃないのはれいこさんとのバランス??鏡を振りで表現するのが斬新で面白かったです。れいこさんメインの場面が2場面あるのですが、トップよりも出てる!?という印象でした。次の月組トップはれいこさんで決まりでしょうね。対して、ありちゃんはあまり目立っていなかったかも。WTT、ピガール共におだちんの方が目立ってました。
ピガール狂騒曲
シェイクスピアの十二夜をベースにした作品。
十二夜のあらすじは最初ネットで調べましたが難しすぎてギブアップしてしまいました、、、
しかし、ピガールは複雑そうに見えて分かりやすい作品でした。
実は原田先生ってあまり信用していません笑
グスタフが酷すぎたのがトラウマで、正直原田先生かあ、、、という感じだったのですが、
すごく面白くてちょっとだけ見直しました笑
まず、設定が斬新ですよね。珠城さんは男性の恰好をしていますが女性です。ある事情から男装せざるを得なくなってしまった若い女性です(年齢からすると多分ハタチそこそこ?)。
宝塚で男装した女性が主人公の芝居ってベルばらくらいしかないのでは?
しかも男装するのが珠城さんですよ?!
珠城さんってお顔こそ美人で綺麗な方ですが、体型は男役としてすごく恵まれている方で、女性役にどう見ても見えないんじゃないかと思っていました。けれどあら、びっくり!いつものあの素晴らしい肩幅はどこに行ったんだろうというくらい女性役が似合っていました。全体的に丸みがある感じが逆に良かったのかも、、、??劇中でワンピースを着ていたのですが可愛すぎました。
男役として演じる時はちゃんと男らしくなるのに、格好は男性でも中身が女性という役ではきちんと女性に見えるというのがさすがプロだなあと。やはり宝塚凄い!トップスター凄い!と感じました。
劇中では最初はジャンヌ、中盤からヴィクトール(ジャンヌの腹違いの兄)として1人二役演じています。終盤まで1人二役で演じているのですがさすがに最後は兄妹が再会するので影武者くんが出てきました。ヴィクトールを演じているのが98期の蒼真せれんさんなのですが、ものすっっっごく珠城さんに似ているのですよ!!!初めに出てきたとき、顔がはっきり見えない位置で観劇していたこともあってなんで珠城さんが2人いるの?!と混乱しました。きちんと観るとやっぱり違う人間なのですが、頬の感じとかそっくりなんです。相当研究されたんだろうなと思います。
98期まだまだすごいですよ、、、。
珠城さんは女性役なだけあって、声も少し高めで歌っていたような。
テーマ曲となっているベルエポックの曲が新しい時代の始まりを表現していて印象的でした。原田先生はウディ・アレン監督の「ミッドナイト・イン・パリ」のことを挨拶で話しておりました。映画を観て、芝居のアイディアを思いついたのでしょうか。ミッドナイト~は個人的にはあまりハマらずでしたが、ベルエポックの時代は夢があっていいですよね~。ムーランルージュの赤い風車や名物のカンカンも舞台映えして華やかです。宝塚の中でもかなり舞台になっている時代なのではないでしょうか。
トップ娘役、さくさくは今回初めて生で観ました。映像で観ている限りは芝居の癖があって少々苦手だったのですが、実際に観てみると綺麗だしスタイルも良いし素敵な娘役さんでした。IAFAに続いて自我が強い女性役でとても似合っていました。やはり、芝居の癖は気になりますがIAFAよりは気になりませんでした。演じているガブリエルは夫ウィリーのゴーストライターという役なのですが、夫に嫌気が差して離婚を突きつけ、美貌の持ち主でひょんなことからムーランルージュの舞台に上がることに。十二夜の設定で言えばシャルル(月城)→ガブリエルとなるようなのですが、ピガールはそういった要素はほぼなし。宝塚の舞台ってトップ2人と2番手で三角関係みたいな話が多いので意外でした。
このガブリエル、夫に利用されていて自立しようと一歩を踏み出そうとする女性から見たらとても魅力的なのですがいまいち共感できないのは何だったんだろうか、、、、例えばこの役を真彩ちゃんとかがやったらまた違っていたのかも。さくさくは高嶺の華!的な役は似合うけど、あまり女子の共感を得られるような役は向いていないのかも、、、??
十二夜の結末が決まっているのでピガールの結末も仕方ないのですがジャック(ジャンヌ)のことが好きだったのに、顔が同じのヴィクトールが出てきた途端、そちらに行くのもうーーーん、、、という感じで。
なんだか初めの自我に目覚めたガブリエルはいずこへ??と感じてしまいました。
シャルルれいこさん。2番手になってから、悪役が多いれいこさん。
本来のれいこさんの持ち味とは違うなーと思いつつ、なんでも上手いし、髭をつけても美しいので安心感のある方です。
シャルルはポスターの感じ、いかにも悪そうなニヒルな笑いをしてましたが、劇中ではムーランルージュに賭ける熱い思いを持った魅力的な人物でした。支配人として、踊り子には絶対に手をつけないとか、具合の悪い子を舞台に無理やり立たせないとか、本当にムーランルージュを愛しているんだなと感じられました。最後の大騒動後は可哀相でしたが、最後はハッピーエンドだったので良いのでしょうか??笑 恋人ができても客が入らなきゃ意味はないけど笑
トップ二番手以下気になった人
・海乃美月
役的にはそこまで目立っていなかったけど
個人的に好きなのでつい観ちゃう娘役さん。
多くの経験を積んでいる方なので、
やはり安定感があるし所作が本当に綺麗。
群舞でのスカート捌きが群を抜いて
素晴らしいんですよ!!次期は海ちゃんが
いいなとやっぱり思いました。
・天紫珠李さん
娘役に転向してから、理事ヒロを経験する
など破竹の勢いで爆推しされている彼女。
今回は踊り子という役柄は海ちゃんと
同等でしたが明らかに海ちゃんよりセリフも
出番も多かったです。
階段降りもおだちんを挟んで海ちゃんと。
今までの扱いからしたら海ちゃんより
下だったけど今回で並んだ感じですかね。
ウミレイコ好きとしては次期が彼女だと
うーんという感じですが、、、でも彼女、
可愛いし歌も上手いし悪いところは
ないんですよ。私はあくまで海ちゃん推し
ですけども。
・暁千星
ムーランルージュのダンサー役で、
本当にダンスが上手い方!レビューシーンの
連続フェッテが美しすぎて、、、!
一方でセリフは少なめで下級生のおだちんの
方が役は美味しかったかも??
ありちゃんの使い方がもったいないと
感じました、、
もしかして近々組替え予定とか??
・風間柚乃
下級生ながら、目立ちまくっていたおだちん!
まさかの女装まで。すごく美味しい役で
初めて観た人は3番手くらいのスターに
見えたんじゃないだろうか。ロケットガール(ボーイ?)も可愛かったです。
彼女も組替え候補の1人ですが
どうなるんでしょう。
結末はまさかの展開、、、??
結末はまさかまさかでしたね笑
腐女子が喜びそう、、、というか。十二夜の結末からしたら
当然の結果なのでしょうか。何も知らなかった私は最後にえーーーーーー!!!!!!となりました。たまきち×れいこのカップルはとても良かった。宝塚は女性だけの歌劇団で、なおかつ女性が男性役もやるのでこういった、男装の麗人もの?もっとあってもいいと思うんですよね。
それこそベルばらみたいなね。
最後たま×さくにならなかったのがちょっとさくさく可哀相だなと感じましたけど、、、。
例えばですけど、もうちょっとヴィクトールの存在感を最初から出しておいて、最後たまきちヴィクトールでも良かったかなあなんて。
でもたまれいこが幸せそうなのでアリなのか、これはこれで笑
ということで大変楽しい月組公演でした!
今日は雪組の先着でしたね。
厳しい~と思いましたが、意外とすんなり取れてびっくり。
雪組楽しみです。