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Thanks Giving (サンクスギビング)に思うこと

Thanks Giving って?

皆さんは「 Thanks Giving Day (サンクスギビングデー)」をご存知ですか?
私は恥ずかしながら、キリスト教の行事で彼らの神に感謝する日だと誤解していました。そしてそれが終わったら、日本でもメジャーになりつつある、「 Black Friday (ブラックフライデー)」だと。…でも本当は、そうじゃないのです。

Thanks Giving を祝う料理

先日、とある料理教室に参加してきました。
このコロナ渦の中で、公共施設を利用して料理教室が開催できるのは、奇跡的な感じです。
とはいえ、公共の施設を利用するのにたくさんの制約があるので、今までに参加したことのある馴染みのメンバーだけがエントリー可能。
その日の予定がなくなった事にもご縁を感じ、とっても久しぶりに「英語でCooking for Thanks Giving」に参加を願い出ると、OKの返事。
タイトル通り、基本会話は英語、レシピも英語。先生はアメリカ人男性。
困った時は・・・日本語OK、という料理教室です。

先生はブラック系アメリカ人、なので、日本ではとても目立つ存在。
そのうえ、巨体! 目も大きい!
正直、かなり迫力あります。
でも実はとってもコミカルで面白い!
英語の先生、教会の牧師、エアロビインストラクターやシンガーとしてマルチに活躍する彼は、なんと料理も大得意!
数年前から「英語でCooking」を主宰しています。

冬の初め、冷たい空気を感じながらバスに揺られ、電車を乗り継ぎたどり着いた山あいの会場。
調理室に集まったのは先生含めて5人!
先生、在日アメリカ人男性、日本人母娘+私。
そして作る料理は全部で7品!
レシピは先生オリジナルなので詳細は控えますが、私流に訳すとこんな感じ。

★七面鳥のスパイシー丸焼き★
★数種類のチーズのカリカリパスタ★
★カブの葉炒め鴨肉ソース★
★安納芋の箸休め★
★そぼろパンケーキの詰め物グリル★
★爽やかな酸味のクランベリーフルーツソース★
★スパイスケーキブルーベーリーソース★

1人1品以上作らないといけない品数です。そしてお持ち帰り分も含めて12人分くらいの分量。お祝いだから食材も贅沢に、鴨肉なんか黒くなるまで焦がしてオイルソース扱い。
え?ハイカロリー?
カロリーの話は…お祝いだから、今日はなし。

生徒4人は「母娘チーム」、「在日アメリカ人男性(…以降Jとする…)&私」の2チームに分かれ、それぞれ作業に入ります。
配られるレシピは、材料と分量のみが記載されており、詳細はいちいち先生に尋ねるシステム。
いやが応にも英語を使わないといけません。
先生は2チームの調理台を往復しながらサポート。

J&私のミッションは、大量のカブの葉を洗って刻むところから。
市立の有名校で英語教師を務めるJ、お互い初対面だったにもかかわらず話が弾みます。料理をしながらJのアメリカの家でのThanks Giving Dayの過ごし方を聞いてみました。

ある家庭の Thanks Giving Day

ドイツ系アメリカ人のJの家でも、その日は大忙し。
Jが朝目覚めた時にはすでにママが料理の準備を始めていて、大量の料理が完成するのは夕方になること。
ターキーはパパのオリジナルで、特別な食材を詰め込んでいたこと。
JはThanks Giving Dayのパレードが何よりも楽しみだったこと。
そして、Thanks Giving Dayの起源なんかも話してくれました。

Thanks Giving Day って

アメリカ入植時代のはじまり。
イギリスで迫害された人々や生活に困った人たちは、新天地を求めて旅立ちました。
厳しい航海の末たどり着いたアメリカ大陸。
人々はどちらに向かうべきかわからず、北へ向かって進みました。そしてその後訪れた冬の厳しい寒さに、半分もの人々が命を落としたそう。
食べるものもなく、動くこともできず、ただ近づいてくる死を待つ。
そんな彼らを助けてくれたのが土着の部族の人々でした。

生き残った彼らは懸命に働き、少しずつではあるものの、なんとか暮らしていけるようになりました。
そして翌年、助けてくれた部族の人々に感謝の気持ちを表すために、みんなで食事をつくり彼らをもてなした…。

助けてくれてありがとう。
食べ物がある、住むところがある。
家族がいる、助け合う仲間がいる。
生きていけることにありがとう。

すべての…身の周りのあたりまえのこと、に感謝する日。

一般的に、感謝祭の日は家族や親戚が集まって、たくさんの料理をみんなで作るそうです。
大人たちはメインディッシュのターキーをはじめ、時間のかかるものから順に用意。年長の子供は下の子の面倒を見ながらお手伝い。ときには子供の小競り合いも交えつつ…和気あいあいと。
のんびりランチをする時間もありません。小腹がすいたら料理の「味み」と称して、つまみ食いで小腹をなだめる。
(通常12種類以上、デザートだけで数種類もあるそうです!)
そうして夕方、やっとできあがって、帰宅した父親や集まった親戚、友人も交えてテーブルを囲んで一緒に食べる。
なんて素敵なイベントなのでしょう。

同じ時期にある、日本の勤労感謝の日

日本にも同じような時期に「勤労感謝の日」がありますね。
「勤労をたつとび、生産を祝い、国民がたがいに感謝しあう」日との定義。
高度経済成長をめざした時代の日本にぴったりなコンセプト。
そしてこの日は祭日になっています。
一般的にはどんな風に過ごす日なのでしょう?
残念なことに、すっかり、ただの連休になってしまっているような気もします。
私の幼かったころ、うちでは「働く祖父や父にありがとうを言う日」で、特にごちそうもデザートもなかったように思います。…何のプレゼントも用意しなかったっけな。
祖父もなくなり、父もリタイアメントな今年の勤労感謝の日、いつも頑張ってくれている夫に、私はちゃんと「有難う」を伝えたかしら(-_-;)

近頃ショッピングモールでは、勤労感謝の日のためのプレゼントはあまり見当たらず、前倒しされたBlack Fridayのセール商材が目につきます。
正直、バーゲンセールは大好きだし、商業経済活動が活発なのは大賛成なのですが、何か…殺伐としたものも感じてしまいます。

感謝を表す日はたくさんあります。
父の日、母の日、敬老の日…。
どれも、きまった人物に感謝する日。
感謝したい人に先立たれたり、何らかの事情でそのお祝いができない人もたくさんいるでしょう。

そこでそろそろ日本にも「与えられているすべてのものに、盛大に感謝する日」を導入しませんか?

Thanks Giving が 世界を救う

世界的なパンデミックの中、日本ではコロナで死亡する人より、自殺する人の方が多いと聞きます。
もちろん、コロナにより経済が立ち行かなくなってしまった人々が苦悩の上…ということもありますが、コロナが流行する前でも、「うつによる自殺」は日本での一番の死亡原因だったように思います。
「社会的距離をとりましょう」とうたわれるこの頃は、外出する機会も減り、人とのふれあいも激減しています。
私もそうでしたが、多くの人が寂しさを感じ、ネガティブな心にとらわれてしまっているように感じます。

どうして死ななければならないほどの「うつ」になるのでしょうか?
最初の理由は、さまざまでしょう。
孤独で1人、その悩みを抱え込んでしまう。
だれにも相談できない。
自分の中で辛い想いを繰り返し繰り返し唱え続け、その辛さはますます大きくなっていく。
「大丈夫だよ」とただ抱きしめて、安心させてくれるような家族もいない。
希望が見えない。
生きている価値を感じられない。
それが「死にたい」に繋がるのでしょう。

そんな辛い気持ちを軽くするきっかけがあればもっと明るく生きられるのではないでしょうか。

人生にはいろいろあるけれど、それでもまだ、「私たちは生きている」

この単純で尊い事実生きていることに感謝する日、それが「Thanks Giving Day」ですよね?
だから盛大にやりませんか?

「Thanks Giving Day」を「だれかと一緒に準備する」。
お祝いのおいしいごちそうを「みんなで一緒に味わって、胃袋も心も満たす」。

私達に必要なのは、イベントの共有体験なのだと思います。
ちょっと大変な準備は、一人でぐずぐずと思い悩む暇さえないかもしれません。一緒にたべるおいしい料理に自然と湧き上がる笑顔は、ふさぎ気味の心を解きほぐすでしょう。

当たり前のことですが、人は1人では生きてゆけない。
そしてたとえ十分な物や生活環境があっても、気持ちをシェアする仲間がいなければつまらない。
昨今のSNS流行りは「だれかとつながりたい」欲求の現れだと思います。

生きている事に感謝
気づいていなくても、周りに誰かがいてくれることに感謝。
家族や友達、出会う仲間に感謝。

夢や…未来につなげたい事がある… そんなことに感謝。

「Black Friday」セールの話題ばかりが目につき、ちょっと煽りすぎな感じにもとれる昨今。
その前の日「Thanks Giving Day」に、もっと注目してはいかがでしょう。

いい、「高級食材セールの口実」にもなると思うのですが☆

#やさしさにふれて #Thanks Giving

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