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わたしたちができる応援とは

こんにちは、ゆーきゃんです。

昨日、水泳の某選手が白血病であることを公表した。わたしもSNSを見て知りましたが、公表されたコメントに対してのリプライにはたくさんの応援のメッセージが寄せられていた。

「アスリートだからきっと強く立ち向かってくれるはず!がんばって!」

「わたしも同じ(似たような)病気です!一緒に乗り越えましょう!」

「昔この病気でした!今は必ず治ります!治療は辛いですが、がんばってください!」

などなど。たぶんとても善意から来るコメントだと思う。ただ、これって本人が見たらどう感じるのだろう。

アスリートだから、という人が多いけど、それ以前に彼女はまだ18歳。死ぬ可能性のある病気にかかって、すぐに受け入れられるほど人は強くない。(受け入れる、っていうのは病気に勝ちます!とか口に出していうことではない。)

また、同じ病気、というが、白血病ひとつ取っても、急性慢性、骨髄性リンパ性で大別されるし、同じ病気だったとしても病型が違うし、必ず違う経過をたどる。抗がん剤の副作用だって、人によって吐き気が強かったり、便秘が辛かったり、下痢が辛かったりと様々。これはもう、人がそれぞれ違うのと同じでしょうがないことなのだ。

そして、必ず治ると言い切って良い病気ではない。先日別記事で触れたわたしの友人は、白血病だった。奇しくも発症したのが今回の選手と同じ18歳の時だった。彼女の場合は移植を何回か行ったが寛解の維持には至らず、血球数の安定しないうちに感染して亡くなってしまったのだ。

治らない病気ではないが、100%完治に結びつく病気ではないと強く主張したい。だから、根拠のない励ましは励ます側の願望に過ぎないのだ。


そして、一番気をつけて欲しいのは、気持ちがわかる、と言ってしまうことだ。

端的に言ってしまうと、人の気持ちなんて、わからんのだ。

安易にわかると言ってしまうと、わかってもらえることに感謝しなくてはいけなくなる。もしわかったような気がしても、それはあくまで気がするだけなのだ。本人の抱える心情と全く同じではない。

患者さんは基本的に他者の言動に対してとてもナイーブだ。それでいて他者にものすごく気を使う。そんな状況で気持ちを吐き出すためには、共感は二の次である。

まずは、本人が信用のおける人に自分から話すのを待つしかない。間違ってもどんな気持ちですか?なんて聞いてはいけない。本人にもわからない時も多いから。気持ちを聞けたとしても、否定せずただ頷くのだ。本人の気持ちは本人のものであり、他者は基本的に踏み込めない。整理をつけるのも本人の気持ち次第だ。

とにかく何が言いたいのかというと、わたしたち部外者はそっと心の中で応援するしかないのだ。

それでもとにかく何かしたい!というのなら、SNSで言われているように、骨髄バンクにドナー登録することだ。選手本人のドナーにはならなくとも、移植を待つ患者さんの助けになるかもしれない。

ちょっとそれはハードルが高いというのならば、体調が悪い時は無理せず休んで、周りの人にうつさないことが簡単にできる。先に述べたように、血液疾患の患者さんは免疫が低下していて、細菌一つが命取りになるから、無用にばら撒かないことも立派な応援になるとわたしは思う。

長くなったが、件の選手の治療がうまく行くこと、ストレスをできるだけ感じないように過ごせることを心より祈っています。

(全く触れていませんでしたが冒頭の写真は洗濯ネットをかぶる娘です)

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