見出し画像

日本人の貯金信仰なぜ?いつから?40年前の定期預金は驚愕の年利7%!

 日本人の貯金好きはいつからなんだろう。私の周囲を見渡してもまだまだ「投資はリスクがあり危険。資産形成なら貯金だ」と考えている人が多い。しかし、現在の定期預金の金利は0.002%しかなく、100万円を1年間預けていても20円ほどの利息しか受け取れない「ほぼゼロ金利時代」である。ちなみに、地方銀行やネット銀行であれば条件付きで0.2%前後というものもあるが、やはり低金利には違いない。

1980年郵便局、定期貯金の利回り

 この日本人の貯金原理主義(笑)は、なぜここまで根強いのか。理由の一つとして、1980年(昭和55年)の郵便局が実施していた定期貯金の年利回りをみるとなんと、約7%台だった。定期なので半年、1年、2年と元本を引き出せない条件があるものの、今では考えられない複利効果だ。この時代の現役世代であれば、まさに貯金こそが最強の資産形成の手段だったのだ。この時代であれば、わざわざリスクのある投資をする必要がない。しかも物価上昇(インフレ)率も1980年は7.81%だったのに対し、1983年には1.90%と毎年下がっていた。つまり、年利7%で確実に資産を増やしつつ、将来の物価が下がるという黄金時代だったのだ。

 限りなくゼロ金利である現在、40年前の利回りほどでないが再現性が高いものとして、米国市場のインデックス投資がある。投資信託のS&P500や全米株式、全世界株式であれば年利3~7%というのはご存じの通り。

 このように日本人の貯金志向は、40年前の定期預金の利率がすばらしかったことや、「お金儲けはいやしい」「お金は汚いモノ」といういわれなき観念が強かったからではないかと感じるのである。
 参考までに日銀調べの日本と米国の「家計の金融資産構成(※)」によると、
現金・預金比率 日本54.3%
        米国13.3%
株・投資信託  日本14.3%
        米国51.0% であった。

画像1

(※)https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?