見出し画像

今さら聞けない「株式」と「債券」の違いとは?なぜ「米10年債利回り」をチェックするのか?

 そもそも株式と債券の違いとは? また、米国株の動向を知る上で、「長期金利」「米10年債利回り」をチェックしなければならいと聞くけど、なんで?

そもそも「株式」と「債券」の違いとは?

 株式も債券も、人からお金を調達する(借りる)もの。債券は「私はあなたにお金を借りてますよ」という「借用証書」。
▼「株式」=永久に返済しなくていい。
▼「債券」=債券は返済義務、返済期限がある(償還期限がある)。
 返済期間があるから、債券は短期、中期、長期と種類が多い(オーバーナイトから、1カ月、3カ月・・・1年、10年、20年、30年)。
一般的に1年以下=短期、1年超5年以下=中期、5年超10年以下=長期、10年超=超長期という。
株式はこれの延長上、永久に返さなくてよいという概念だ。

「株式=出資」は返さなくてよい

 ちなみに、あるベンチャー企業が資金を調達する場合、銀行借入の「融資」や、「社債」を発行する場合は、返済義務があり負債となるが、投資家(ベンチャーキャピタルなど)から「出資」してもらう場合は返済の義務はなく、資産となる。高校で習ったらしい・・・
出資=「返済しなくていいお金」で、出資者に配当とオーナー(株主)の権利を渡す。またはキャピタルゲイン。資産(エクイティ・ファイナンス)となる。
融資・債券=「返済が必要なお金」で「元金と利子」を支払う。負債(デット・ファイナンス)。

投資においての「債券」って何?

 期限がある債券は、「満期」となる償還日に「元本」が投資家に払い戻される。
満期までの間に利金(利息)を受け取ることができる「利付債」と、利息はないが安く買える「割引債(ゼロクーポン債)」というものがある。
 債券を購入時、償還期限が長いものほど、利率が高い(長いほどリスクが高まるため)。一般的に株式よりローリスクローリターンと言われるが、発行体の倒産リスクや、財政状況の悪化で支払いが滞るリスクはある。例えば、先進国の国債はデフフォルト(債務不履行)などのリスクが少ない分、利率は低い。一方、新興国はこの逆のケースが多い。

 債券の発行体は主に、「国債」「地方債」「社債」「外国債券」などがある。

で、なぜ「10年債利回り」に注目するの?

★そこで、株式市場と一番関係あるものが、
「株式の近くにあるもの」=長期(30年、20年、10年)の債券となるらしい。それでいわゆる長期金利=「10年債利回り」をチェックしておこうとなったわけだ(長期金利の代表的指標)。
 ※短期金利は政策金利で決まるが、長期金利は市場の需給で決まる。

<メモ>
短期金利普通預金、変動型や短期(1年以下)の固定金利ローン、1年未満の定期預金(変動の要因:中央銀行の政策金利)
長期金利=長期(1年超)の固定金利ローン(住宅ローンなど)、1年以上の定期預金(変動の要因:市場の需給)
※長期金利は、経済の基礎体温ともいわれている。
※長短の金利差(利ざや、スプレッド)で銀行は儲ける。利ざやが少なる、長短の金利水準が逆転(逆イールド)すると、景気後退&株価調整のシグナルになるといわれている。

債券と利回り

 債券はパー(PAR:額面100)で発行。その債券にクーポン(=利息)が付いている。
 その債券の価格も変動する。
 もらえるクーポン(利息)が一定だとすれば、「利回り」はどうなるかというと、

(債券利回りの計算表)

つまり、大雑把に見て
「利回り=クーポン(利息)/債券価格」

となるので、分母の債券価格が上がる↑と、利回りは小さく↓(低く)なる。
 例えば、「利回りが低い」とは、つまり「債券が買われている」ということがわかる。
 逆に、「利回りが高い」ということは、分母が小さくなっているので「債券が売られている」ということ。

 さらに、債券が売られてる(利回りが高い)ということは ⇒ インフレリスクと、借金を踏み倒すのではないかという、信用リスク(会社が倒産したときなどに元本や利息が支払われないリスクや、財政状況の悪化で支払いが滞るリスク)が高くなる。
 この時、株式市場では借入が多い新興企業(グロース銘柄)には逆風になることも。一方、経常利益が潤沢で高配当が出せるバリュー企業は影響が少ない。
 ※高利貸し=信用ない人に貸すから、高利になる。利回りあるいは金利と貸し手の信用度は密接な関係。

ついでに、債券(ボンド)と債権(オブリゲーション)の違いも確認だ!

▼債券(ボンド)=譲渡性がある。転売できる。流通市場があることを想定してつくられている。
▼債権(オブリゲーション)=譲渡が非常に難しい。流通を想定してつくられてない。ローンなど。

<メモ>元祖の債券は、借用証書(IOU)。つけ。私はあなたにお金を借りてますという紙。
<メモ>「利率1%の国債」などと通常表現されているものは「名目金利」という。
 名目金利ー物価上昇率=実質金利

参考までに私は、「investing.com」というアプリで米国の「10年債利回り」を確認しています。
https://jp.investing.com/rates-bonds/u.s.-10-year-bond-yield

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?