Note あー幸せ

本当に幸せな1日だった。
オーケストラの定期演奏会があった。

私は演者側で参加したのだが、本当に幸せだった。
演奏会は毎回緊張する。
ステージ衣装に着替えてステージに乗り、ライトを浴びて、目の前には大勢のお客さん。
普段の練習とは全く違く状況で演奏する。
体がいつもより硬くなって、呼吸が浅くなる。
そんな状況での演奏なので、普段通りに演奏することが難しい。というか出来ない。
特に一曲目は心もふわついているから、ここにいるのに、ここにいない、みたいな感覚。
しかし、その状況で自分の理想の音が出せたとき、周囲と理想的な共鳴ができたとき、とてつもない快感を感じる。
この瞬間を超えるものに出会ったことがない。
「これだけ長い期間練習してきて、でも本番は本当に一瞬で過ぎ去っていくな」と毎年思うが、この瞬間がなによりも幸せで、大好きだ。
この瞬間のために1年間練習してきたのだと思うし、この快感をどうしてももう一度味わいたくて1年間練習する。
高校1年生のときの定期演奏会でこの瞬間を味わって以来、虜になってしまった。
ずっとステージで演奏したい。
あー、本当に幸せ。

演奏後、奏者全員で感情を共有できるところにも幸せを感じる。
ひとりで演奏することももちろん楽しいのだが、この幸せは感じられない。
共有する「感情」がなにかというと、それを言語化することは難しい。
達成感は一つあるのだが、その一言で片づけられないと思う。
それまで一緒に練習してきた時間があり、本番の緊張感のなかで全員がベストを尽くしたという感覚もある。
そして全員で一つの大曲(交響曲)を演奏しきった直後で、おそらくアドレナリンも出まくっているだろう。
そのような様々な要素が、その時そのステージに乗った演者でしか共有できない何かを形成しているのだと思う。

コロナ禍で第7波が到来しているこの状況で、無事に演奏会を開催することができたことに感謝しかない。
自分の知らない所できっと色んな大人が動いていたのだろう。

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