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■春季西表島活動「4日目」

 この日は、クイラ川を越え、海岸線沿に沿って、キャンプ場を目指します朝9:00頃、お世話になったかまどま壮を後にし、おじさんのフェリーに乗りました。天気が良く、また時間に余裕もあったので、舟浮の近くにある内離島(うちぱなり)と、外離島(そとぱなり)を少し、フェリーで観光し、その後目的地へ向かいました。この二つの島は、普段は離れていますが、干潮になれば歩いて渡れるそうです。また、昔は炭鉱で栄えていて、その跡地が海の上からでも、所々見ることができます。

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 おじさんによると、この二つの島も、かつては町よりも船の灯が眩しい程、炭鉱の貿易で栄えていました。しかし、その裏では外国人を含む、たくさんの方々が奴隷のように働かされ、そして命を落とし、さらには、この島でしか使えない通貨を流通させた悪い奴らによって、逃げようにも逃げられない、地獄の島となったそう。ちなみに、沖縄で初めて税務署ができたのは、この内離島らしいです。

 現在は二つとも無人島ですが、暗い歴史がありながら、文明が発達した現代よりもかつては栄えていた、なんて考えると、どこか悲しくなりますね。

 その後、クイラ川上流まで送ってもらい、おじさんとはお別れしました。ちなみに、船を操縦している時のおじさんがまた格好良いんですよねぇ、海の漢と言いますか、痺れるモノがありました。
 

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 船から降りたら先ず、標高100m程の山を越えていきます。今回は、全荷物背負っての活動のため、最初の山越えは結構しんどかったです。しかし、アダンの木があまりなかったのと、林野庁のピンクテープもしっかり貼ってあったので、迷うことなく、スムーズに進むことができました。

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 途中、転びそうになったりはしたものの、ものの1時間くらいで海へ降りれました。ここから目的地であるキャンプ場まで、ひたすら東へ、海岸線沿いを歩きます。しかし、そこで待ち受けるのがゴツゴツとした岩々でした。

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 時刻も10:00頃、丁度満潮で波も高く、海に入ることができません。とりあえず栄養補給と休憩を済まし、すぐさま出発。ゆっくりと岩を乗り越えながら向かいの砂浜まで進むが、今度は足が取られるほど砂が柔らかくてまぁ迷惑。一同、ふざけんなと思いながらも、頑張って進みました。

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 ちなみに、ゴツゴツした岩場を乗り越えては、柔らかい砂浜を歩くという、謎のジレンマが目的地まで永遠と続きます。加えて、約20kgある荷物が肩にのしかかり、我々の疲労は次第に溜まっていきました。

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 これは、私が撮った中で一番気に入ってる写真。かつて似たような活動を行っていたOBが、40年という時を経て、再び、「探検部」として活動しているのは、なんとも灌漑深いです。ちなみに、メンバーの中で一番荷物が重かったのもOBですw

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 たまあに、こういう謎の巻き道も出現します。やはりアダンです。我々の皮膚を傷めつけてきます 

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 そんな感じで奮闘すること約5時間。次第に潮が引き始め、海を歩けるようになりました。

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 「よし!あとはひたすら、この平坦な道を進むだけや!!」

 なんて、ぐいぐいとペースを上げて進んでいき、とうとうキャンプ場近くまで来ることができたので

 「よっしゃぁ!ラストスパート!」

 なんて、ペースをさらに上げると、次第に深くなり、気づいたら腰のあたりまで水がきていました。なんだこのおっさん!と思ったころには、ザックが若干浸水。これは危険だと判断し、すぐさま砂浜へ上がりました。そこからキャンプ場まではおよそ1kmくらいの距離でしたが、やっぱり砂が柔らかく、かなり足をとられます。

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 私は、こういう辛い場面になると、変にテンションが上がる性質をもっているので、他のメンバーが無言で歩き続ける中、私は一人で歌を歌い、そして独り言を呟きながら、目的地へ向かっていました。

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 途中、振り返ってみると、そこにはもうくたばりそうな姿が。そりゃそうだよな、重い荷物背負って、こんなことしてるんですもの。 

 そして16:00頃、ついに、無事キャンプ場までたどり着くことができました。いやー、ビバークしないで済んでよかった。これから焚火祭りじゃー!ということで、チェックインを済まし、テントを建ててシャワーを浴び、すぐさま焚火ができる囲炉裏へ飛び込ました。

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 この「南風見田キャンプ場」へは去年も訪れた、私が最も気に入っているキャンプ場の一つです。電気やガスもないこのキャンプ場ですが、いろんな旅人、キャンパーが訪れ、そして、みんなで焚火を囲めるのが特徴です。

 普段コミュ障の私とも、なんとかみんな仲良くしてくれるので、本当に楽しい。この日も、キャンプ場に来ていた若いカップル二人と、社会人数名と交流できました。カップルは、このキャンプ場にハイキング気分で来たのか、寝袋もヘッドライトも持ってきていなかったそうです。しかし、たくみに火を使いこなし、二人仲良く料理をしているその様は、ええなぁなと思いました。ふざけんな(嫉妬)。

 ちなみに、夜、みんなで焚火を囲んでいると、突然、キャンプ場を管理しているおじさんが

 「わいチキさんこれ見たことあるか?」

 と、ヤシガニを片手で掴んで持ってきました。

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 どうやら、家に帰る途中、たまたま道路で見つけたらしいです。せっかくなので、一晩置いて、翌日食べることになりました。ヤシガニは超狂暴で、人間の指をへし折れる程の強靭なハサミを持っています。また、エイリアンみたいな見た目をしており、よく、

 「ヤシガニ捕まえてぇ」

 なんてほざいていましたが、こんなの町で出ても捕まえられんわ、と確信しました。

 生のヤシガニを初めて見れた貴重な日になりましたが、体はもうヘトヘト。焚火も程々にし、夜が更ける前にさっさと寝ました。明日は念願のオフ日。レンタカーを借りて、島を観光する予定です。

▼次回予告

 とうとう5日目の休息日。今までの辛い活動とはおさらばし、レンタカーを借りて島を一周します。観光のみならず、島の歴史や生態系について学べる、貴重な一日になりました。

 乞うご期待!

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