MuseScore4を触ってみた (8)

【第8章】モダンジャズをやってみたよ

前回(MuseScore4を触ってみた 7)のシューベルトの『未完成交響曲』をYoutubeで公開したところ、Facebookにしか告知しなかったのに、予想外に多くのアクセスを頂き感激しています。
なにがどうなってそうなったのか、さっぱりわかりませんが、励みになることに違いありません。
もうひとつ不思議なのは、全く告知していない「微分転調のエクササイズ(Microtonal Moduration Excercise )」がそこそこアクセスがあったこと。そんな専門的というか超マニアックというかウルトラ・ニッチな記事を見る人がいること自体、驚きです。
次にやることを決めあぐねていたのですが、たまたま素晴らしい楽曲を知りました。
ウェイン・ショーターの「Infant Eyes」です。

<ジャズのトラウマ>
学生の頃から夜の街のバンドに潜り込んではいろいろな音楽をやったのですが、なかでもズージャは必須科目みたいでした。しかし僕は楽器はフルートなのでジャズでは「いらない子」扱いされることが多かったです。アドリブも苦手で、どう転んでもジャズらしいラインにならないのです。
「アドリブはそれまでの音楽経験がそのまま出る」と、とある高名なジャズピアニストさんに言われましたが、その通りで、クラシックしかやってこなかった身にとってはブルーノートなんて身体に入ってるわけがないのです。
僕の青春時代は、ジャズでいえばちょうどモダンジャスが主流になりつつある時代。コルトレーンやソニー・ロリンズやマイルス・デイヴィスなんかが神田あたりのジャズ喫茶で良くかかっていたように記憶している。みんな暗い顔して、眉間にしわ寄せて・・・外の街は学生運動の嵐が吹きすさんでいたっけ。
で、僕にはズージャは無理だと思ったのです。ダンモなんかさらさらです。
なのでウェイン・ショーターというサックス吹きがいて素晴らしい作品を多く残しているということも知りませんでした。

<インファント・アイズ>
この楽曲を知ったのは、アダム・ニーリー(Adam Neely)というベーシストで音楽理論家のYoutube動画ででした。アダム曰く「Deep use of Blues」だというのです。
「ズージャはII-Vだろ?」くらいしか思ってなかったのですが、この曲で使われるコードは物凄く新鮮でした。「え?そこでそっちに行くの?」というくらいの進行。しかもそれが美しい。
僕の打ち込みではブルースはもとよりズージャにすらならないのは承知の上で、それまでペンディングだったドビュッシーの『牧神午後への前奏曲』やバルトークの『組曲第14番』などをおっぽらかして、取り掛かることにしました。
課題はひとつ。微分転調の実践的な使い方の習得です。
それとMuseSoundのViolin Soloの音源。これがとても気に入ってます。うまく歌わせることができたでしょうか。
はてさてどんな仕上がりになったでしょう。
Youtubeで公開しましたので是非お聴きください。
ウェイン・ショーター『インファント・アイズ』

https://youtu.be/AWzddoIEYao

<Microtonal Moduration>

微分転調使用例

微分転調。イントロで使ってみました。
SoundFontのChoir Ah(♂&♀)がテンション和声にマッチするみたいで、不思議な響きが得られます。
5小節目コードAbmaj7(#9、#11)のピアノのDナチュラルとコーラスのDハープシャープはぶつかってますが、これは狙いです。
同じ音形がエンディングのAメロにも出てきますが、こちらはAbmaj7(♮9、#11)で処理しています。

<とうしゅうチャンネル>
その他の投稿も併せて聴いていただけると嬉しいです。
https://www.youtube.com/channel/UCb6nH80QrgrbsqRZP24KC1Q


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