2022年の原油価格暴騰か?

最近原油価格が暴騰するのではないか、との記事や石油関連企業のCEOの発言が多いのでまとめてみました。

先ず衝撃的な価格予想をだしてきたのがJPモルガンです。
JPモルガン・グローバル・エクイティ・リサーチは
「OPECプラスの可能な生産量が明らかになるにつれて、原油価格のリスクプレミアムが上昇する」との見方を示し、2022年は1バレル=125ドル、2023年は150ドルまで上昇するとの見通しを示しました。

ソース
https://jp.reuters.com/article/crude-research-jpmorgan-idJPKBN2II09E

次はハリバートンのジェフ・ミラーCEOの発言です。
(ハリバートン$HALは石油・天然ガスの探鉱、開発、生産関連サービスと製品を提供している企業です)
化石燃料の開発投資が長年にわたって低迷したことを受けて、世界が石油不足の時代に突入しつつあるとの認識を示し、「久しぶりに石油が買い手を探すのではなく、買い手が石油を探す時代が来る」と発言。供給不足が緩和するまで10年前後かかる可能性があるとの見方を示しました。
原油高を巡っては、再生可能エネルギーへの急速な移行や政府が化石燃料の生産抑制を求めていることが原因だとの指摘が出ているが、同CEOはエネルギー移行が原因ではなく、価格高騰を抑制するために移行を加速する必要があると主張。
実際にはエネルギーが不足している。代替エネルギー源が豊富にあるなら、コモディティー価格は高騰しないだろう
顧客である石油生産業者が来年、新規の石油・ガス開発投資を20%以上増やすとも予測。設備の不足でサービス市場が逼迫する可能性があるとも述べました。

ソース
https://jp.reuters.com/article/oil-conference-halliburton-idJPKBN2IM0AV?taid=61aef60ec0e0a70001e41d27&utm_campaign=trueAnthem:+Trending+Content&utm_medium=trueAnthem&utm_source=twitter

最後に私も保有しているパイオニア・ナチュラル・リソーシズ$PXDのCEOであるScott Sheffield氏の発言です。
「私たちは新規の設備投資を控え株主に利益を還元してきました。その結果パンデミック前の生産レベルに戻るには何年もかかる可能性があり、今後数年間の石油市場をさらに混乱させる可能性があります
「私は、今後数年間、80ドルから100ドルの間で安定することを望んでいます。石油市場には安定性が必要なのです」と述べる一方
100ドルを超えるような高値になるのではないかと心配している」とも述べています。
また「バイデン政権は、価格抑制のためにOPECに原油の増産を要請したが米国企業には要請しなかった」と述べています。(批判している)

Sheffield氏だけではなくヘイマン・キャピタル・マナジメント最高投資責任者Kyle Bass氏も、原油価格上昇がやってくると説明し「設備投資を行わなかったことにより今後数年間、100ドル以上の原油価格を生み出すことは避けられない」と非難しています。

エネルギー情報局は火曜日(12月7日)、2022年末までに生産量が1210万バレルに増加すると予測しています。これは現時点の米国石油生産量の日量約1170万バレルより増加しますが、パンデミック前の1300万バレルを下回っています。

ソース
https://www.zerohedge.com/commodities/top-us-shale-ceo-worried-years-underinvestment-could-boost-oil-over-100

背景
米石油企業が設備投資してこなかった背景にはかつて乱開発し増産した為に自らの首を絞めた経験があることが原因です。
シェール革命により世界最大の産油国となった米国ですが、乱開発を繰り返し原油価格を下落させ自らの業績を圧迫させてきました。当然OPECも増産に舵を切り更に原油価格を下落させる負のスパイラルとなっていました。
この反省から原油価格が上昇しても新規の設備投資をせず株主に利益を還元する方針に転換しました、今はその方針に転換したことが原油価格上昇懸念を呼んでいます。つまり今からまた設備投資を活発化しても生産量を増やすには時間がかかるよ、また設備投資をしたくても政府や株主がOKだしてくれないかもと言うことが上記の記事で述べられていたことです。

またバイデン政権がクリーンエネルギーに傾倒している政権であることも原油価格の上昇懸念になっています。基本的に石油産業は共和党が強い州での主要産業です。このこともあいまってバイデン政権では連邦政府所有地での新規開発を認めていませんし、カナダとのパイプラインの建設計画も中止させています。

需給
需給の面から言えば世界の石油消費量の予測は2020年代後半がピークとなっています。つまり最低でも今後5年は石油の需要は増え続けるわけであり、もし懸念通り供給が追いつかないのであれば原油価格は上昇することが予想されます。

私的雑感
例えばオミクロンが更に変異して毒性が強くなる可能性だってあるわけで来年の原油価格が高くなるかは分かりませんが、コロナから順調に回復することを前提とすれば原油価格が低くなることは考えずらい状況なのかなと個人的には思っています。来年のどこかで100ドルを超えてくる場面があるのかなと。
原油価格が1バレル60ドルだとしても石油企業は儲かる構造になってますからこれが80ドル100ドルになれば営業レバレッジも効いてボロ儲けです。私は$PXDを保有していますがPFに一つ石油銘柄を組み入れることを検討しても良いのかなと思います。
また私は11月末頃ボーイング株を買ったわけですが(買ってすぐオミクロン砲をくらう笑)これも来年は原油が高い水準で推移するのではないかと考えデルタなどの航空会社ではなくボーイングにしました。

勿論米国以外の国でも増産できますが原油価格に大きな影響を与えるのは米国シェール企業が増産するかどうかにかかっていると思います。
なので石油銘柄の降り時としてはシェール企業が増産に踏み切り需給が完全に改善する前に降りるのがベストだと思います。

OPECの状況を知りたい方はこちらのレポートをお読みください
https://www.opec.org/opec_web/en/publications/338.htm

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今回は以上になります、最後まで読んでいただきありがとうございました。


本noteは株式、債券、コモディティの購入売却等を勧めるものではありません、また投資アドバイスでもありません。

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