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備えあれば憂いなし。

こんばんは。ねずみです。

みなさんいかがお過ごしですか?COVID-19の対応がなかなか進まず、やきもきしている今日この頃。そんな今日に起きたことをシェアしておきます。

そろそろ仕事を終わりにして家路につこうとした本日の夕方。窓の外で「ガシャーン!!」という音がした。窓側にいた同僚Nが「バッ!」とカーテンを開け「事故だ!」と。

とっさに体が動く。カバンから簡易救急キットを持って外へ走る。同時に他2人の同僚AとOも外へ。Nは事務所に残り119番通報をしていた。

事故現場は割と交通量のある交差点の真ん中。右側臥位でうずくまるヘルメットをかぶった女性が倒れている。少し離れたところに原付。道路の状況を確認しながら交差点に足を踏み入れ、女性に声を掛ける。

「大丈夫ー?お姉さんわかるー?」

顔をしかめるような反応あり。引き続き声をかける。

「聞こえるー?大丈夫ー?」

反応あり。薄目を開け、うなずく。意識あり。と同時に体全体に目をやる。大出血はない。同僚Aは、次の動きへと原付の移動と毛布を事務所から持ってくるように指示を出し、場をコントロールし始める。もう1人の同僚Oを呼び、となりでメモを取らせる。

「お姉さん名前言えるー?」『○○です』「○○さんね」「年齢は?」『○○歳です』「○○歳ね」「住所はわかるかな?」『○○市△△町◇-〇-◇』「今はどこからどこに移動してた最中かわかる?」『会社から自宅まで移動していました』よし。やりとり良好。しっかりした受け答えである。直前の記憶もはっきりしている。これだけ話せれば、安定した呼吸もある。ひと安心だ。

ただ、いつまでもこの場にいるわけにはいけない。なぜなら交差点のど真ん中である。動かすためと励ますためにさらに声を掛ける。「一番痛いところは?」『右の肘から先が一番痛い』「OK。他には?頭とか首、背中は?」『痛くない』『膝と足首が痛い』「どっちかわかる?」『両膝』「足首は?」『右足首』「OK。OK。」「動けそう?」『痛いから…』「OK」とやりとりをしている間に事務所に残って119番していたNが毛布をもって参上。実に良いタイミングであった。

女性に声を掛けながら、左腕にかかっていたリュックサックを外し、体を毛布の上にロールさせ乗せる。右腕から注意深くリュックサックを抜き、Oへ渡す。次にかぶっていたヘルメットも外す。毛布の周りにはAが集めた協力者が7~8名。女性がきつい体勢にならないように気をつけながら、毛布の端を丸めて毛布担架を作る。協力者の体勢が整ったところで「せーの!」の声に合わせて担架を持ち上げ、女性を事務所の駐車場まで運ぶ。

運ぶ途中に事故の当事者である男性が電話で救急隊とやりとりしているのが聞こえた。近くに呼び、女性の容態を救急隊にオウム返しで伝えてもらう。

駐車場に女性を下ろしたあとは、楽な体勢を取らせ、再度痛みについての尋問を繰り返し、また救急車が来る旨を伝えて励ます。駐車場に運んでから5分ちょいで救急隊が到着。引き継いだ。

ものの15分くらいの出来事であった。無事であることを祈るばかりである。

救急法のインストラクターをやって8年。何度かあるこんな機会にいつも思うのは、もっと有効な方法があったのでは?ということである。

今回別途、記録したログはあとで研究する価値がある。冷静に見つめ直す良い機会だ。

もうひとつ思ったことは、「日々の訓練や講習が体に染みついているのは間違いない。準備は嘘をつかない。」ということである。仲間との連携もそのひとつであろう。

そんなこんなで今日は心が揺れている。ポジティブな感情とネガティブな感情がマーブル模様を描いている。それでもログを書いたこと、同僚と振り返ったこと、ただただ話を聞いてくれる人に話したこと、この記事に書いたことで大分整理されつつある。

救急現場に立ちあったあとには言語化することが大事ことだと受講生に伝えている。大小あれ、「人の命に触れる活動」が救急法である。心が揺れて当たり前。だからその当たり前をシェアし、昇華させることが大切なのである。

日々準備をすること、有事に備えること、コミュニケーションをとること大切なことは常に考えて、意識していなければならない。そうすれば、トイレットペーパーを買い占めることもなくなるのかも知れない。

この話に入るととりとめも無くなりそうなので、これはまたの機会に。

とにかく、今日はねずみにとっても自分を見つめ直す日になったことはまちがいない。さあ明日からも頑張ろう。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。このシェアがみなさんにとって少しでも参考になるように。有事の際の一歩踏み出す勇気になるように。そして助けを必要としている人にその手助けが届くことを祈って…。

今日は「セロリ by 山崎まさよし」をききながら。



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