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残りの人生、5種類のおかずしか食べられないとしたら

神様が「5種類を選びたまえ」と言ってきた

もし残りの人生、ごはんのおかずが5種類しか選べず、死ぬまで5種類のおかずのみを食べ続けなくてはならなくなったら、何を選ぶか。大事な問題である。つい先日になるのだが、神様が降臨しまして、「5種類を選びたまえ」と私に直接言ってきたのである。こいつは困ったことになった。神様いわく、一度決めたら変更できないので、よく考えて悔いのないよう選ぶ必要があるのだそうだ。さすがに神に逆らうわけにはいかない。神様からの指示を受け、私が考えに考えて選んだおかず5種を発表するので、ぜひ聞いてほしい。まずは、神様から言われた基本ルールをお伝えする。

【基本ルール】
◆5種類だけ、好きなおかずを選択できる。そして、そのおかずだけを死ぬまで食べ続けなくてはならない。選択した以外のおかずを口にした瞬間に、心臓が止まる
◆白米、みそ汁、サラダはどの食事にもかならず提供されるので、考えなくてよい
◆飲食店のセットメニューはひとつのおかずとして認められる(例:「マクドナルドのビックマックセット」とした場合、ビックマック、ポテト、ドリンクのすべてを得られる)
◆麺類、パン類等も「1おかず」としてカウントされる。たまごサンドイッチを選択しなければ、死ぬまでたまごサンドイッチは食べられない
◆市販品は、メーカー名と製品名を特定すること。たとえば「カップラーメン」とだけ指定して、いろいろなカップラーメンを食べることは不可。「日清カップヌードルのシーフードヌードル」と明確に指定しなくてはならない
◆飲食店の場合も同様で、「カレー」を選んで、たくさんの店のカレーを食べ歩くのは不可。「デリーのカシミールカレー」と単独のメニューを挙げること。また、ビュッフェの選択は禁止

私の選んだ5種類のおかず

1、生姜焼き

まずは生姜焼きを選択することにした。これは肉系おかずの代表ということになる。つまりはハンバーグも、ビーフステーキも、特上カルビも捨てて、生姜焼きを取ったのである。非常に悩ましい選択だったが、肉系で何かひとつとなれば、やはり生姜焼きではないか、という結論にいたった。もっともごはんが進むおかず。白米との相性、生姜の香ばしさなどトータルで考えても、生姜焼き以上に魅力的な肉系おかずが思いつかなかった。生姜焼きって最高だよね。デミグラスソースでいただくハンバーグも捨てがたいが、悩んだ末に生姜焼きを取った。なにしろ5種類しか選べないため、「肉が食べたくなったら生姜焼き」ということにして、もう他の肉系おかずは全てあきらめることにした。さようならハンバーグ。

2、ほっけ

肉が決まったところで、次は魚系である。何かひとつおさえておきたい。歳を取って胃が弱っても食べられそうだし、5種類のみで行くなら、シンプルでおいしい魚系のおかずをひとつは確保したいところだ。これもほぼ迷わず、ほっけ焼きだろうということになった。つまりは寿司も海鮮丼もなし。それでもいい。魚が食べたかったらほっけのみで、私は今後生きていく。ほっけは最高だ。定食にしてもいいし、おつまみにもなる。大量の大根おろしとしょうゆで食べるほっけ焼きは、涙が出るくらいうまい。半分くらい食べたらレモンをかけて味変してもいい。ほっけなら、死ぬまでおいしく食べ続けられそうな気がする。食べる前に、骨をぺろーんと外す儀式も楽しい。ほっけと引き換えに、あらゆる海産物に別れを告げる私であった。

3、コロッケ

肉、魚とくれば、次は揚げ物である。これは迷いに迷った。鶏の唐揚げを外すのは勇気が入ったし、タルタルソースのたっぷりかかったアジフライも最後まで候補に残った。揚げ物ジャンルは誘惑が多いのだが、ここは慎重にひとつ選びたい。とんかつも、エビフライも、ケンタッキーフライドチキンも外して、あえてのコロッケにしたのは、あまり派手で主張の強い揚げ物はすぐに飽きがきてしまうとの心配があったためだ。5種類しかないので、定番しか入れられない。その点、本当においしいコロッケは、ごはんやみそ汁ともよくあって、いっけん地味ではあるが幸福をもたらしてくれるメニューだ。私はコロッケが好き! 個人的にも、お昼ごはんに食べたい「ちょうどいい揚げ物」はコロッケで、シンプルなコロッケ定食はいちばん胃におさまりがよい。とんかつは月に1度でいいが、コロッケなら週に1〜2度は食べられる。10種類選んでいいならアジフライも入れそうな気がするが、今回はパスした。私はコロッケが大好きなのだ。

【あきらめたメニュー】
ここで閑話休題、あきらめたメニューを挙げていきたい。まずはなんといってもカレー。カレーは食べ歩きもさんざんしたし、かなり思い入れが強いジャンルだが、涙を飲んであきらめた。くっ。パン系ももう食べない。クロワッサン、BLTサンドあたりは結構好きなんだけど、さすがに5種類のおかずには入れられない。パン系がダメとなると、当然ピザも選択肢から外れるが、最近、家の近くにドミノピザが
できて、たまに食べていたので、これも辛かった。パン系でいうなら、ハンバーガーも当然選べない。もうパンもハンバーガーもピザも食べられないのか〜。また、チャーハン、餃子も迷いに迷ったし、これは王将の「炒飯セット」を使えば両方いっぺんにゲットできるのだが、別メニューとの兼ね合いで断念。他にも王将には、回鍋肉や野菜炒めなどいいおかずがたくさんあるが、生姜焼きを選んでしまった以上、肉系は他は選べないのであきらめた。

4、きつねうどん

さて麺類。うどんは確実に入れたい。麺類では圧倒的にうどんだ。ラーメンはそこまで好きではないし、パスタは結構好きだが、5種類に入るほどではない。パスタは月に1度、食べに行くかどうかといったところ。そばも悪くないが、私は根っからのうどん派なのだ。うどんはいい。キムチ鍋をした後にシメで入れてもいいし、かまあげうどんを濃いめのつゆにひたして食べるのもたまらない。しかし今回はルール上、もう少し厳密に指定しなくてはならないので、きつねうどんにした。だしは薄めの方が飽きがこなくていいかな。うどんが食べられない人生は悲しすぎる。夕ごはんをうどんにすることも多く、他の麺類はなくても普通に生きていけそうだが、うどんだけはないとやっていけない気がする。

5、松屋の朝定食

ソーセージエッグ定食、小鉢は納豆。これを選んでおくことで、残り人生の食事にかなり幅が出る。ソーセージエッグ定食を選ぶことで何が食べられるかというと、目玉焼き、ウィンナー、焼きのり、納豆である。こんなにたくさん。私はたまごと納豆が大好きなのだが、単独で「たまご」「納豆」としてしまうと選択肢が狭まってしまう。それらを一気に得られるメニューはないかと考えて、松屋の朝定食を選んだのである。頭脳プレイ。納豆が食べられない人生はかなり虚しい。納豆は本当に奇跡のおかずだ。考えた人はえらいと思う。小鉢はとろろと迷ったが、さすがに納豆には勝てないだろうということになった。私は「三食すべて松屋の朝定でいい」と思うくらいに朝定が好きなので、普段はたまごや納豆を食べてすごし、気が向いたら生姜焼きやコロッケを食べるといった楽しみ方ができそうな気がする。

まとめ

私の選んだ5種類のおかずを発表させてもらった。我ながらほぼ完璧に近いチョイスだと思う。これは人によってかなりチョイスに差が出る気がする。私はどちらかといえば、同じ食べ物だけを繰り返し食べる傾向があるが、人によっては「違う食べ物を試したい」といろいろトライするタイプの方もいる。上記の5種類で心残りなのは、鶏肉が入っていないことである。鶏肉もう食べられないのか、と思うと泣きそうだ。鶏肉っておいしいんだよね。油淋鶏なんか最高だし、照り焼きにしてもいい。しかしもう私はこの5種類で生きていくと決め、神様と契約してしまったのである。だからこれで生きていく。ノーリグレット。みなさまの5種も、ぜひ教えてほしいと思う。

【ごはん以外にも、スキンケアのことを考えたりしています。そんな私の書いた本です】

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