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卵巣のう腫で腹腔鏡手術を受けた話

0. 前置き

こんにちは!都内でわちゃわちゃと働き暮らしている、たぬこと申します。本記事執筆時点で31歳です。

タイトルにもある通り、先日婦人科にて卵巣のう腫があると診断を受け、腹腔鏡手術で取り除いていただきました。
私にとっては生まれて初めての手術体験でした。せっかくなので記録に残そうと思ったのと、私と同じような症状の方やこれから腹腔鏡手術を受ける方へのお役に立てればと思い、本記事を執筆する次第です。

のう腫発覚の経緯から、手術前の様々な検査や準備、腹腔鏡手術、入院生活について記載しています。説明というより体験記です。面白い、すごいと感じたことなど、感情面の話も多く記載しています。

※あくまで私の体験記です。個人差があることを踏まえてお読みください。
※病名として正式名称は「のう腫」ですが、書きやすさの都合上、以下「腫瘍」と記載します。

1. 発覚経緯

1-1. 定期健康診断

発覚のきっかけは、年に一度受ける健康診断にオプション追加して婦人科検査を受けたことです。

2021年、当時の私は30歳。結婚しており、いつか子供が欲しいと思っていたので、「一応事前に調べてもらうか〜」というのんきな気持ちで通常の健康診断に追加して婦人科検査を受けることにしました。それまで婦人科自体をを受診したことがなく、「30歳だし、そろそろちゃんと見てもらった方がいいかも?」というぼんやりとした焦りにも後押しをされました。

意を決して婦人科検査の予約画面を開いたものの、見たこともない検査の名前がズラーっと出てきて困りました。どの検査を受けたらよいのか分からなかったのです。前述の通り婦人科を受診したことがなかったので、知識がほとんどありませんでした。例えるなら、異世界のお店の商品を「さあ、選んで!」と言われているような感じです。かろうじて「マンモグラフィー」は聞いたことがある、というレベルでした。芸能人のピンクリボン活動などで、乳がんや子宮頚がんという病気があるということはかろうじて知っていたので、その年はとりあえず、乳腺エコー検査と子宮頸部細胞診を受けることにしました。(前者は乳がん検査、後者は子宮頸がん検査に分類されると思います)

検査の結果は異常なし。そのため、自分は婦人科系の病気とは無縁で健康体なんだ、と思い込みました。


婦人科検査の結果は異常なしでしたが、血液検査で要精密検査の項目がありました。ヘモグロビンの数値が低かったのです。成人女性であれば11.4~14.6g/dL程度が基準値のようですが、私は大きく下回る、7.8。要は貧血状態です。実は大学生の頃から、自分はヘモグロビンの数値が低いということを知っていたのですが(献血の事前血液検査で発覚しました。献血断られました笑)、自覚症状がないと思っていました。私の中で「貧血」というのは、華奢な女の子が立ち眩みで倒れてしまうもの、というイメージだったのです。しかし私は華奢の真反対だし、立ち眩みで倒れたこともなかったので、「数値は低くても自覚症状がなくて健康。ヘモグロビンが低くても問題ない体質だろう」と勝手に思い込んでおり、大学生の頃からずーっと放置していました。なのでその年の血液検査の結果も、「ああ、いつものやつか」と勝手に放置しました。

翌年の2022年健康診断も、婦人科検査をオプション追加することにしました。1年ぶりの健康診断。アホなので検査の種類など覚えておらず、前年と同じく婦人科検査の予約画面を見ながら、「どの検査を受けたらいいんだ」などと考えます。ネットで検査の種類を軽く調べ、ようやく乳腺エコー検査と子宮頸部細胞診に加えて経腟超音波検査を受けることにしました。

当時仕事で担当していたプロジェクトがバカ忙しく、12/28という年末滑り込み健康診断受診でした。去年も大丈夫だったし、と軽い気持ちで婦人科検査も受けたのですが(アホなので、経腟超音波検査は受けていないことを忘れていました)、検査を受けたその場で先生から「卵巣が腫れてますね」と言われました。繰り返しますが婦人科についてノー知識だったので、「腫れてるとは…?」などと聞き返します。腫れていて良いのか悪いのかも全く分かりませんでした。「恐らく腫瘍ができていると思います」と言われ、「腫瘍」という言葉でようやく、良くないことが起きているということを理解しました。後日婦人科を再度受診してくださいと言われ、その日は帰宅しました。数週間後に自宅に送付された血液検査の結果も、相変わらず8.2と低く、要精密検査の状態でした。

1-2. 婦人科受診

2023年2月、ネットで評判のいい婦人科クリニックを探して受診しました。健康診断の婦人科検査で言われたことや、所見が書かれた検査結果を先生に渡して、早速その場で再度、卵巣の状態を超音波で見ていただきました。評判通りのいい先生で、テキパキと診察していただき、ノー知識の私に卵巣の状態を丁寧に説明してくださいました。「腫瘍が5㎝以上で大きそうです。もう少し大きい病院を紹介しますね。自宅はどこですか?X駅なら通える?X駅から近いY病院なら、しっかり診てくれて大丈夫だから、Y病院に紹介状を出しますね。電話で予約してくださいね」。そんなこんなで、その婦人科クリニックよりも大きい総合病院の婦人科に通うことになりました。手際よく診察して紹介状も出してくださり、いいクリニックに巡り合えたなと、今でも思います。

2023年2月下旬、紹介状を出していただいたY病院の婦人科を受診しました。とても優しく丁寧な女性の先生で、この先生が私の主治医になります。

再び超音波で卵巣の状態を検査していただき、下記のことがわかりました。

  • 両側卵巣に5cm以上の腫瘍がある。
    不妊や茎捻転を起こす可能性があるので、腫瘍は手術により切除する必要がある。(茎捻転は気絶寸前レベルの壮絶な痛みらしいです…)

  • 子宮内膜の厚さから、子宮内膜症が原因と思われる。

  • 臓器の癒着も認められる。(月経により内膜が剥がれるタイミングで炎症を起こし、臓器癒着に繋がるらしい)

  • ヘモグロビンの数値が低く貧血状態であるのも、子宮内膜症が原因と思われる。恐らく剥がれ落ちる内膜が多く、毎月月経の出血量も多いと思われる。

  • 卵巣の腫瘍が良性か悪性かはMRIや腫瘍マーカーで事前に予測する。正式に判明するのは、切除した腫瘍を病理検査へ出してからになる。

最初に「腫瘍がある」と聞いたときは正直ショックでした。もし悪性だったらガンということか、と…。ただ、先生が丁寧に説明してくださったため、不安はかなり解消されました。将来的には子供が欲しいので、もし悪性でどちらかの卵巣を取ることになったとしても残った片側の卵巣が機能する、だとか、卵子凍結も視野に入れる、だとか。
後述しますが、私は良性腫瘍だったため、幸い腫瘍を取り除くだけで済みました。

腫瘍だの卵子凍結だの、そういう情報に触れるようになってようやく自分の身体にきちんと向き合おうと思いました。今まで見て見ぬふりをしていたと思います。月経時は大半の女性が不調になるからと自らの不調を我慢していたり、血液検査で貧血と判断されていたのに、体質だろうと勝手に判断して放置していたり。身体からはしっかりとSOSが出ていたのだと思うので、これからは自分の身体をもっと大切にしようと思いました。

2. 腹腔鏡手術に向けて

2-1. 腹腔鏡手術とは

両側卵巣にある腫瘍を取り除くために、そして癒着している臓器を無理のない範囲で剥がすために腹腔鏡手術をすることが決定しました。
素人ながら腹腔鏡手術について簡単に記載します。

手術というとお腹をばっさり切るのを想像していましたが、それは開腹手術というそうです。
腹腔鏡は、おへそとその周り数か所に小さな穴を開け、その穴に細長い器具を入れて手術をします。専用のテレビカメラでお腹の中の映像を見ながら実施されます。
開腹手術よりも傷が小さいため、術後の痛みも少なく、回復も早いそうです。

卵巣の腫瘍摘出は多くの場合腹腔鏡手術のようですが、患者の状態や手術の状況によっては、最初から開腹手術であったり、途中で開腹手術に切り替えることもあるようです。
私は癒着臓器の剥離もあったので、手術状況によって、開腹手術に切り替える可能性は限りなく低いけれどゼロではない、ということを事前に説明していただきました。

2-2. 腫瘍マーカー, MRI

手術の前に腫瘍が良性か悪性か予測を立てるために、そして、もう少し詳細に卵巣の状態を確認するために、血液検査、血圧測定、腫瘍マーカー、尿検査、レントゲン検査、MRIといったいくつかの検査をしました。血液検査、血圧測定、尿検査、レントゲン検査は通常の健康診断でも経験するので、今回初めて経験した腫瘍マーカーとMRIについて記載します。

まず腫瘍マーカーです。腫瘍マーカーという名前ですが、つまりは血液検査の一種なのだと個人的に理解しています。特別なことはしておらず、普通に腕の血管から血液採取しただけです。
採取した血液から特定の腫瘍マーカー値を確認することで、ガン(=悪性腫瘍)の発症を確認できるようです。さらっとググっただけですが、ある程度ガンが進行していると、マーカー値が高く検出されるそうです。
私の腫瘍マーカーの結果は異常なしでした。これでひとまず安心できました。

(それにしても血液って本当にいろんなことが分かるんだなと感動します。腫瘍マーカーによってガンの発症を確認できたり、AMH検査というものによって卵巣年齢を確認することもできます。血液ってすごい!)

次にMRIです。個人的に非常に面白い検査でした笑。
MRIの形状について言葉で説明するのが難しいので、取り急ぎネットの海からMRIの写真(フリー素材)を拾ってきました。

この台に横たわり、このバウムクーヘンのような機械の中に入っていきます。MRI検査では強力な電磁波を使って体内の臓器や血管を画像で確認できます。

検査着に着替え、全ての金属類を外し、MRI検査室の分厚い扉を開けた瞬間、爆音でズンチャッ♪ズンチャッ♪という軽快なリズムが聞こえてきました。(ほんとにズンチャッ♪という音なので興味ある人はyoutubeで検索してみてください)
写真にある通り、バウムクーヘンの狭く細長い穴に長時間入っていくので、閉所恐怖症の方はこの検査が苦手なようです。事前に「閉所恐怖症ではないですか?」と問診を受けましたが、自分が閉所恐怖症かどうかなんて分からず、もし閉所恐怖症を発症したらどうしようとぷるぷるしていました。そして体内をより鮮明に写すために造影剤という薬剤を打つことになっていたのですが、造影剤は稀に副反応が起こるということで、事前に同意書を書いていました。造影剤も生まれて初めて打つので、副反応が起きて苦しくなったらどうしよう、などと不安でした。
このように完全に色々不安でチキン状態な私に対して、MRIの検査室は軽快なサンバのようにズンチャッ♪ズンチャッ♪とリズムを刻んでおりカオスでした。

台に横たわり、身体が動かないようベルトで固定されます。そしてVRカバーのような謎のヘッドカバーを装着します。検査中爆音が鳴るので、ヘッドフォンも装着します。気分が悪くなったり、何かあった時のために、ナースコールのようなブザーを手に握らされます。
ヘッドフォンをつけると、爆音のズンチャッ♪の合間にピヨピヨ~という鳥の鳴き声が、かすかに聞こえます。患者をリラックスさせるための配慮でしょうか、ヒーリングミュージック等でよく聞く爽やかな鳥の鳴き声です。ヘッドカバーをつけると、何やら映像が流れていましたが、眼鏡を外して視力が悪すぎたので、なんの映像が流れているのか分かりませんでした。でも全体的に緑色の映像だったので、多分森か林の映像だったんだと思います。(※軽くググったところ、映像が見れるMRI装置と見れないMRI装置があるようです)

検査が始まると、MRIからは爆音でビーっやらババババババやらいろんな機械音が聞こえます。その合間に申し訳程度のピヨピヨ~という声が聞こえて吹きそうになりました。
閉所恐怖症だったらどうしようと不安でしたが、眼鏡を外して視力悪すぎたので、閉所かどうかも認識できず(わろた)、ただ目の前に流れる癒しの映像と思われるものを無心で眺めながら、ババババババ…ズンチャッ♪、ズンチャッ♪、ピヨピヨ~、ズンチャ♪、ビーっ…ピヨピヨ~というめちゃくちゃよくわからん環境にただ横たわって終わりました。多分40分くらいでした。造影剤も途中で打ちましたが、特に問題なかったです!

このように様々な検査を実施し、腫瘍は恐らく良性だろうという予測結果になりました。実際に良性か悪性かを判断するのは、手術で取り除いた腫瘍を病理検査して判明します。なので手術前はあくまで予測です。

2-3. 鉄剤、レルミナ錠

手術にあたり、事前に鉄剤とレルミナ錠というお薬を処方され飲んでいました。

鉄剤は貧血治療のためです。ヘモグロビン数値を基準値まで引き上げます。
貧血がひどくて手術ができない、となるのが嫌だったので、先生の指示通り1日2錠しっかり飲みました。そのかいあって、手術前の血液検査ではヘモグロビン数値が8.2→13.0までぐんと上がりました。

立ち眩みや倒れたこともないし、貧血の自覚症状がない、と思い込んでいたのですが、鉄剤を飲み始めて5日程で、身体が元気になったのが実感できました。
一番実感したのは、倦怠感と眠気の払拭です。まず、朝の目覚めがよい。今までは眠気と怠さを引きずりながら気合で起き上がっていました。起きても、うとうとしたり、慢性的に1日中眠い日もありました。特に月経の期間は倦怠感と眠気がひどく、ひどいときは日中でも眠気に逆らうことができませんでした。みんなそうだと思ってたんです。ところが鉄剤を飲み始めてから、すっきり起きれるようになりました。寝不足の時は勿論眠いですが、それでも起き上がって少しすれば覚醒しました。月経期間中は特に効果を実感しました。
次に、氷を食べることがなくなったこと。実は大学生時代からずっと氷が好きで、夏はもちろん、冬も氷入りのドリンクを飲んでいました。なんなら氷をガリガリ食べたいために、氷入りドリンクを注文するほどでした。鉄剤を飲み始めてからは自然と氷を食べたいという欲求がなくなり、以降、氷を食べることがなくなりました。
また、体力増強も実感しました。前述した倦怠感ともリンクする話だと思いますが、以前は、仕事をすると疲れ切ってしまい、家に帰っても家事をする元気もなく倒れこんでいました。鉄剤を飲み始めてからは体力が持続するというか、1日に複数のタスクをこなせるようになりました。
あとは肌荒れが治るのが早くなったり、メンタルが安定したり、低気圧の時の頭痛が改善したり、という改善があったような気がします。

レルミナは、手術に向けて病変箇所を分かりやすくするために飲みました。子宮内膜症なので、日に日に厚くなる内膜を抑え、腫瘍箇所がより鮮明に分かるようにします。腫瘍もほんの少しだけ小さくなったようです。
ホルモンに作用して月経が止まります。人によって更年期症状が出ると説明を受けました。

薬のせいなのか季節の変わり目だったからか分かりませんが、私は体温調節が上手くいかないのを実感しました。暑いと思って涼んでいると、すぐに寒くなり、かと思えば急激に暑さを感じたりしました。また、眠りが浅いというか、夜中に途中で目が覚めることがありました。

2-4. ダイエット

手術に向けて身体のコンディションを整えていく、ということで前述のお薬と、実は減量を勧められました…。

というのも、2-1. 腹腔鏡手術でも述べましたが、腹腔鏡手術はお腹に穴を開け、細長い器具を穴から通して手術をします。つまり、お腹の脂肪が厚いと、細長い器具の操作にも影響が出てしまうそうです!

言い訳になりますがコロナが始まってからフルリモートワークになり運動量は激減、出前館やウーバーイーツの多用により高カロリーな食事。これらによりかなり太ったことは実感していました。痩せねばと思ってはいたのですが、まさか婦人科で減量を勧められるとは(T_T)。

「たぬこさんは、腹腔鏡手術ができないほど肥満、という訳ではないけど。でも子供が欲しいなら、やっぱり推奨されるBMIの値とかあるからね」

いや~おっしゃる通りすぎてぐうの音も出ない!笑

MRIで撮った私のお腹の断面図を一緒に見ながら、先生が「この白い部分が脂肪なんだけどね」と丁寧に教えてくれます。ちょうど『この断面図どうやって見るんだ?外側の白いところ多いけど何だ?筋肉か?』と思っていたところでした。「先生、この外側の白いのは筋肉ですか?」と聞く前に教えてくれたので良かったです。「これは筋肉ですか?」「いいえ脂肪です」なんてやり取り、恥ずかしすぎて〇ぬ!!!
引き続き私のお腹の断面図を見ながら、先生が「ん~」と何か言い始めました。そして真顔で言いました。「(脂肪が厚いのは)お腹よりも、背中かな(^_-)-☆」。的確なアドバイスありがとうございます!!!爆笑

そんなこんなでダイエットを始めようと改めて決意。週に2-3回、ジョギングなどの有酸素運動をするようにしました。
ただ、食生活を見直さなかったこともあり、結果的に全然痩せませんでした。でもちゃんと腹腔鏡手術してもらえたのでよかったです笑。

※念のため記載しますが、先生は、私の手術と健康のために真剣にアドバイスをしてくれただけです。決してからかうような感じではなく、私が勝手に笑い話風に書いているだけです。実際、言われて嫌な気持には全くなりませんでした。

2-5. 限度額適用認定証

退院時の精算がいくらになるか、もし予想外の事態が起きて手術代が高額になったらどうしようと思い、限度額適用認定証を利用することにしました。

限度額適用認定証を病院窓口に提出すれば、医療費がもしも高額になったとしても、その月の支払いを自己負担金額までに抑えることができます。自己負担金額は、年収により定められています。
ちなみに、個室使用時の差額ベット代や先進医療、自由診療などは適用外のようです。

認定証の発行は、自分が所属している健康保険の保険組合に申請する必要があります。申請してから手元に届くまで2週間程度見ておいた方がよいと、病院の事務の方から聞いたり、他の方のブログにも書かれていましたが、なんと私は申請から3営業日程度で手元に届きました笑。

2-6. 仕事の調整

手術することが決まってから、休みが取れるように上司と相談をしました。
もともと手術が決まる前から精密検査だったりその結果を聞きに行ったりと、何回か平日に時間休、半休を取得していたので、上司も私の状況をよく理解してくれていました。

ただ私の仕事はいわゆるクライアントワークに分類されるため、2,3日の休みなら特に支障ないですが、数週間休むとなると、代替要員の検討であったりクライアントへの説明も必要になるので、前広に調整をしました。
調整は入院の3カ月~2か月半前頃から実施しました。

腹腔鏡手術入院で1週間、退院後療養で1週間。実は子宮内にポリープがあることも分かっており、必要に応じてポリープを除去する手術を追加でするかもしれないということで、念のため1週間。(結局、ポリープ除去の手術は見送りました)合計3週間の休みを取得しました!

こんなに休んだのは社会人になってから初めてです…。おかげでしっかり療養できました(^^)

3. 入院生活・手術

3-1. 入院1日目(手術前日)

私が通っていたY病院での入院期間は1週間、6泊7日でした。手術前日から入院し、手術当日、術後5日目で退院です。調べたところ、4泊5日の病院もあったりするようなので、入院期間は病院によると思います。
午前中に病院へ行き入院スタートしました。事前に個室希望を出しており、無事希望通り個室で過ごすことができました。

産科の病棟でもあったので、新生児赤ちゃんの、ほにゃほにゃとした泣き声が聞こえたりして、とても可愛かったです♡

夕方ごろに下剤の投与がありました。手術時にできるだけ腸を綺麗にしておくためのようです。レモン味が強いポカリスエットみたいな味でした。
また、手術前日は21時以降固形物を食べることは禁止、翌日の手術当日は朝7時から水を飲むことも禁止でした。

3-2. 入院2日目(手術当日)

朝6時半頃に看護師さんが起こしに来てくれました。朝時点の体調の確認をした後、7時になる前に水分補給を勧められました。これ以降は翌日の午前頃まで絶飲絶食、点滴で水分補給を行います。
弾圧ストッキングも履きます。一日中ベットから動けなくなるので、血栓防止のためとのことです。

朝9時頃、点滴のまま看護師さんと一緒に、歩いて手術室に向かいます。手術室入室前に、名前の確認や、事前に提出していた諸々の承諾書の最終チェックが行われました。
人生で初めての全身麻酔、初めての手術。とっても緊張していました…!リラックスさせるためか、手術室の看護師さんが優しく世間話をしてくれました。入室を待つ間に周りを観察すると、手術室の手前に手を洗う場所がありました。ドラマでお医者さんが手術前後に手を洗うシーンで見るやつです。
手術室に入ると、ひんやりとしていました。全体的に青緑色の空間で、ドラマでよく見るような、いろんな機械がありました。
手術のベットにも自分で上がって横たわります。この時点が緊張のピークでした。すぐに手術室に人が増え始め、主治医の先生も入室して声をかけてくれました。

「たぬこさん~それではこれから始めますよ。緊張してますか?」
「緊張してますーーー(T_T)」
「あら~( ^^) 大丈夫ですよ~( ^^)うふふ~( ^^)」

女神。
外来の時からずっと丁寧に診てくれていて、先生に対する信頼度はMAXだったので、先生の「大丈夫ですよ~うふふ~」という一言でとても安心しました。

続いて麻酔科の先生が「たぬこさん、麻酔科医です」と横たわる私の頭の方から声をかけてくれました。入院前に、事前に麻酔科外来で全身麻酔の説明を受けたのですが、その時と同じ先生でした。ついに全身麻酔です!

私はビビりなので、全身麻酔で意識が落ちる瞬間ってどんな感じなのかを、事前にネットで検索したりyoutubeで視聴していたりしました。全身麻酔経験者の「眠くなるというよりも、突然電源を切られるような感覚に近い」というコメントが書き込まれているのを見て、『どんな感じなんだろう…全く想像できない…』と思っていました。
が、結論、ほんとにその通りでした!!

「酸素マスクをつけますね。…はい、いま綺麗な酸素が出ていますから、普通に呼吸してください」

酸素マスクの中は、確かに高原にいるような澄んだ空気がします。
この時点で眼鏡は既に外しているのでめちゃくちゃ視力は悪いのですが、視界に2人程の看護師さんが見えていて何やら談笑していました。
「まだ早いですかね~」という看護師さんの意味深な会話が聞こえた途端、耳元でビーという機械音が聞こえました。すると急に落ち着いた気持ちになり、視界がぼんやりし始めました。水中から見上げた水面のように、視界がたゆみます。たゆたう視界には2,3人の看護師さんが居て、「いつ眠るんだろう」と言わんばかりに私をのぞき込んでいました。

鎮静剤か何かが酸素マスクから出てるのかな~と少しの間ほけ~っとしていると、「たぬこさん」と声をかけられました。

「たぬこさん、それでは深呼吸をしましょう」
麻酔科の先生の言う通りにしようと思い、大きく息を吸いました。
「たぬこさーーん。終わりましたよーーー」
え???
深呼吸で息吸ったけど、息吐いた記憶がないんですが???

何が起こったのか全く分かりませんが、息を大きく吸った後、いつの間にか手術が終わっていました。医療ってしゅごい。

麻酔から目覚めると何故か身体が震え始め(医学用語ではシバリングというようです)、ぼんやりした頭で「はて?」と思っていると、看護師さんがすぐに電気毛布をかけてくれました。同時に「何かあったら押してね」と、手にナースコールをしっかりと握らせてくれました。
術後すぐは30分に1度の間隔で看護師さんが確認に来てくれました。次第に意識もはっきりし始めて体温も戻り、夕方ごろには「暇だ」と思うくらいに回復し始めました。

その日は一日中ベットの住人です。絶飲絶食で点滴から水分や栄養、痛み止めも摂取します。尿管カテーテルもついているのでトイレに行く必要もありません。
ひたすら寝る、テレビを見る、寝る、テレビを見る、を繰り返して過ごしました。

3-3. 入院3-4日目(術後1-2日目)

手術翌日の朝から水を飲み始めます。また、尿管カテーテルが抜かれ、歩行を開始します。また、お粥の食事が始まります。
歩行は、手術前のようにスタスタと歩くことはできず、ペンギンみたいによちよちとした歩きでした。ベットから起き上がるのも、お腹に力を入れるのではなく、腕の力を使って起き上がっていました。

術後は点滴で痛み止めを服用していたからか、お腹の傷はそこまで痛みを感じませんでした。ただ、お腹の違和感がすごかったです。

腹腔鏡手術では、患者の腹部に炭酸ガスを入れてお腹を膨らませた状態で手術をするのですが、違和感の正体は炭酸ガスだったと思います。ガスは誰かが抜いてくれるのではなく、食事や歩行で身体を動かすことにより、自然にガスが抜けるのを待つしかありません。

また、その日の夜は発熱があり食欲もありませんでした。寝て回復に努めました。

術後2日目、しっかり眠ったおかげか熱は微熱程度まで下がりました。
この日からシャワーを浴びれたので、朝にシャワーをしてすっきりしました。

主治医の先生がほぼ毎日様子を見に来てくれるのですが(外来もあるのに…)、手術で切除した腫瘍の写真を見せてくれました。肌色のような薄ピンク色で、いかにも『血流悪くて溜まりました』という感じだなと思いました笑。切除したものを病理検査に出してますからね、と教えてくれました。

この日以降はひたすら、寝て、食べて、歩いて、という生活になります。暇になると眠っていたのですが、眠るたびに回復を感じられました。

3-4. 入院5-7日目(術後3日目-退院日)

寝て、食べて、歩いて、という日々を過ごしていると、次第に身体が回復してくるのも実感しました。病院内を歩いてみたり、売店をうろうろしたり、荷物をまとめてみたり。動くと身体が元通りになる気がするし、動くとなんだか疲れて、よく眠れました。

退院前日に先生の診察があり、経過も問題ないということで、予定通り退院することができました!

退院時には、鎮痛剤と下剤を処方してもらいました。鎮痛剤は痛みを感じた時のために。下剤は便秘解消のためにもらいました。腹腔鏡とは言え普通の人よりは臓器癒着しやすくなるということで、便秘しないように気を付けてくださいとのことでした。

退院時は夫と、近くに住んでいる義母が迎えに来てくれました!
久々のシャバの空気だ~、なんて言って笑いながら、無事退院できました♡

4. 退院後

4-1. 病理検査結果、今後について

退院から約2週間後、退院後診察のために外来受診しました。その際に、取り除いた腫瘍の病理検査結果、今後の治療方針や妊活のタイミングについてもアドバイスをもらいました。

まず、病理検査結果についてです。
診察の最初に傷口の様子や、エコーで子宮内の様子を診てもらいました。退院後も良好で、湯舟につかったり、運動をしても問題ないとのことでした。

その後に、切除した腫瘍の病理検査結果も教えてもらいました。
悪性の疑いはない、良性の所見でした!!!よかったです~~~(*^-^*)
いわゆるチョコレートのう腫でした。

事前のMRIや腫瘍マーカーで良性だろうと言われていても、やはり取ってみないと分からないので、良性の結果が貰えて一安心でした。
良性とは言え、放置しておくとガン化する可能性があったり、不妊の原因になったりするらしいので、このタイミングで見つかって取り除くことができてよかったです。

次に今後の治療方針、妊活のタイミングについてです。

まず、今回のチョコレートのう腫の原因となった子宮内膜症は、閉経するまで再発の可能性があります。というかほぼ再発するそうです。
そのため、今回手術で腫瘍は取り除いても、再発の可能性は大いにあるそうです。

「今回手術で腫瘍を取り除き、癒着も剥がし、子宮内も洗浄したので、今が一番お腹の中がきれいな状態です。今が妊活のベストタイミングです。ただ、もう少し先に子供が欲しいということであれば、きれいなお腹の状態をできるだけ維持するために、ホルモン療法をお勧めします」

子供は欲しいと思っているのですが、実は我が家はいろいろな事情がありまして、今というのがなかなか厳しい状況でした。先生にもこの事情のことはお伝えしていたので、いろいろとアドバイスをいただきました。

結果として、諸々落ち着くまでホルモン療法をすることにしました。
ホルモン療法といってもお薬を飲むだけです。お薬を飲んで排卵を止めるそうです。

このお薬を飲みながら妊活はできないとのことでした。今は、子宮を休めることと、妊活と、メリハリをつけた方がいいとのことでした。

先生の勧める通りにしようと思うので、いろいろと落ち着くまでは、ホルモン療法をしていきます!

4-2. 意識の変化

今回の経験をして、健康に対する自分の意識が変わりました。
振り返れば、私の生活は大変不健康だったなと思います…。子宮内膜症の原因は不明らしいので、私の不健康な生活が原因かどうかは分かりませんが、それでも、多少は影響があったのではないかと推測しています。

  1. 慢性的な便秘
    今まで
    下剤を使うのは良くないことだと思い込んでいました。下剤を使うことよりも便が体内に残り続けることの方が身体に良くないと聞いて、かなり意識が変わりました。肌荒れの原因でもあったと思います…。
    これから
    これは本当に意識して改善中です。食物繊維を摂ることを心掛けてます。

  2. 運動不足
    ●今まで

    コロナになってから、終日在宅勤務でした。たまに運動すると身体がかゆくなったりして、かなり血流悪かったんだなと思います。
    これから
    ジム通い再開しています。また、プロジェクトも変わって週数回出社になりました。

  3. 質の悪い食事
    ●今まで

    全然野菜を食べていませんでした。好きなものを好きな時に好きなだけ食べていました。You are what you eat. という言葉を思い出します…。
    これから
    これも意識して改善中です。あすけん(有名な食事記録アプリ)を使って、各種栄養素が摂れてるか意識してます。
    また、入院中の病院食が大変参考になりました。主食はお米(たまにパン)、朝食には乳製品、副菜2つ、1週間で魚と肉をバランスよく(魚比率多め)、ボリュームは朝ごはん>=昼ごはん>夜ごはん、適正カロリー。
    病院食を真似したいと思ったので、病院食の本を購入してレシピを真似したりしています。(※通っている病院ではないです)
    聖路加国際病院の愛情健康レシピ | 聖路加国際病院 | 料理・グルメ | Kindleストア | Amazon
    小麦よりもお米を選ぶこと、野菜を摂ること、腹八分目であることも意識してます。

  4. 冷え性
    ●今まで

    氷を食べるのが大好きだったこともあり、体内から冷えていたと思います。今考えるとほんとに不健康だなと思います。
    これから
    貧血も治ったので、氷を食べる癖はもうなくなりましたが、意識して温かいものを摂るようにしています。また、このあたりは漢方の力を借りようと思っています。


これからは「健康は意識的につくるものだ」というのを胸に刻んで生活していきたいと思います!

5. 最後に

つらつらと書いてしまい、めっちゃ長文になってしまいました。
私が経験したことの一連の流れは以上です!
最後の方は私の決意表明みたいになってしまいましたが笑。引き続き健康には意識を向けていきたいと思います。

また入院して改めて、お医者さんや看護師さんの凄さと、ありがたさを実感しました。いつもありがとうございます。

この記事が誰かのお役に立てれば幸いです。それでは!



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