02ストーンチェアキャンプ場デッキ全景

伊豆稲取のキャンプ場コンサルティング記録 その1(イントロダクション)

日本オートキャンプ協会公認オートキャンプインストラクターの西村イッセイです。
1.5か月ほどnoteの更新が滞ってしまいました。その間、どんなことがあったのか、またこれからもどんどんお伝えできればと思います。

ストーンチェアキャンプ場のコンサルティング依頼

2月下旬に、伊豆稲取にあるストーンチェアキャンプ場のコンサルティング依頼がありました。2018年5月、前オーナーから引き継ぎリニューアルをしたのだが、1年運営してみて改善が必要と感じられたことからのご依頼でした。
このストーンチェアキャンプ場、開業は1994年と古く、今年で25周年を迎えるキャンプ場です。2月末にこちらを訪れた際、いい面も悪い面も見えてきました。そのうえで、このGW10連休を乗り切るために早速改善に着手しました。
現オーナーのご意向が運営からハンズオフしたいとのことでしたので、ハンズオン型でのコンサルティングとなりました。

GWを無事迎えられました

一時は時間が不足し、GWを迎えられないのではないかと心配もしましたが、無事にGWを迎え満サイトの日も複数日だすことができました。
前半は雨が酷く、路面やサイトの状態が悪いところも出てしまい、今後の改善を急がないといけません。後半は穏やかな天候となり、満サイトで連日混雑しています。

ストーンチェアキャンプ場の素晴らしい点

TOPの写真にもあげましたが、スターデッキから眺める景色と星空は本当に最高です。このスターデッキ、管理棟の屋上に設けたテラスです。昼間は伊豆諸島がきれいに見え、夜は林間サイトにもかかわらず星が360度見渡せます。この星空は、有料の星空観賞会も行われるような星空です。稲取細野高原と同じ景色と星空をこのキャンプ場内で満喫できることは本当に代えがたい財産です。
トイレ(ウォシュレットあり)、風呂(貸切家族風呂が5つ)、シャワー(2室)などきれいに掃除され保たれていること。設備は古い点はありますが、非常に清潔であり、サイト数のわりに充実した数を有している点はメリットです。またロッジが7部屋ある点も恵まれています。
自然が豊かな点。隣接して別荘地があったり、裏手はカーネーション農家であったり、人里であるのですが、大変静かであり、鳥やリスの鳴き声、虫も多く、草花もたくさん咲いています。高規格とは異なりますが、自然豊かであることはキャンプを楽しむうえで非常に重要な要素です。

ストーンチェアキャンプ場のウィークポイント

高速を降りてからの距離が遠いこと。最寄りは西湘バイパス石橋I.C.から70km、または、修善寺道路月ヶ瀬I.C.から35km。どちらも「近い」ともいえず、また渋滞も起きやすい場所となっています。お客様は神奈川または静岡が多いように感じていますので、エリアマーケティングを強化する必要がありそうです。
国道からの道が細く急であることも弱点です。標高250mを約2kmの道のりで登ります。その分急坂であることはご理解いただけるかと思います。(この高さがあるからスターデッキが生きます)全面道路も3mで、場内通路も3m未満の場所もあります。道中も場内も運転技術が必要となっています。大きい車が来場できないかと思いきや、キャブコンの大きい車で来場されたり、横幅2m以上ある車や輸入車のピックアップトラックでお越しになる方もいらっしゃり本当に驚かされます。
サイト面積が現代の大きめテントに合わないことも課題です。100㎡はとれず、60-80㎡であり、自然を生かした豊かな形をしています。テント、車、サイトの形状があわないといけない難しさがあります。何より昔と比べ地形が変わっており、昔のサイト割では合わない場所がでてきています。これらも考慮に入れないといけません。

GWを迎えるまでの2か月で何を行ったか?

気持ちのいいキャンプ場を目指し、やることはたくさんあります。やりたいこともたくさんあります。ただ、時間は2か月しかありません。行ったことは以下の通りです。
●プロファイリング
キャンプコンサルタントとして生業にするために考えていたプロファイリングを実施しました。日本オートキャンプ協会の星認定基準や、キャンプ場紹介サイトに掲載されている事柄、環境省がだしている「自然公園等施設技術指針」第3部 施設別技術指針 第3章 野営場などを参考に、独自で作り出した基準です。(今回実施して改善もしています)これにより問題点を明らかにしていきます。安全、清潔、快適なキャンプ場を作れるよう考えます。
●サイトの測定とサイトマップづくり
そもそもどこがサイトでどこがサイトではないのか?が分からない状態でした。昔のサイトマップも役立ちません。サイト番号も適当です。そこで、全サイトを測定することから始めました。その結果今までサイトだったところもサイトではなくなり、サイト出なかったところが逆にサイトになったりしました。
現在では、電源サイト8、オートサイト31、ロッジ小3、ロッジ大2、古民家ロッジ2、バイクソロサイト6というサイト数になっています。
●不要物廃棄
このキャンプ場、とにかく前オーナーが残した不要物が多かったです。それらの廃棄作業が非常に大きな負担となりました。
●設備修繕
風呂のボイラー、電源ボックスカバー、ロッジの破損個所などを修繕しました。
●設備のアップグレード
ロッジ内への冷蔵庫設置、共用冷蔵庫、共用冷凍庫、調理台、共用ドライヤー、共用洗濯機など設備のアップグレードを行いました。共用物は無料で利用できます。
●場内整備
草刈り、木の剪定などを行いました。
●運営ルール作り
サイト番号すら振られていない状態ですから、運営ルールはあってないようなものです。場内ルールを作り、チェックインルールを作りということを行ってまいりました。
●GWのサイト割
これが一番苦戦したものです。サイト番号を決めたのち、いただいているご予約のサイト割をおこないました。これは非常に骨の折れる仕事だと思います。キャンプ場の皆様には頭が下がります。

終わりに

2019年GW、ストーンチェアキャンプ場にお越しいただいた皆様、ご満足いただけたでしょうか?何しろ改善中のキャンプ場のため、日々ルールが変わっています。(問題が起こればすぐ改善。)例えば、ごみについては持ち帰りから有料回収に変わりました。ご迷惑をおかけした皆様もいらっしゃり大変心苦しく思いますが、反省を生かし、より気持ちいいキャンプ場となるよう目指していきたいと思います。
GWがおわりましたら、これらの改善を具体的にどのように行ったのかお伝えできればと思います。



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