ファンタジーを与え続けた画家
小池都知事が外出自粛要請の会見を開き、日本は一変。
きっと歴史的な日になるであろう今週末。
東京の都心に、群衆が消えるのは間違いなさそうです。
こんなことは人生初めてです!きっと誰もが驚いていると思います。
来年は激動の年になりそう、と年末の記事に書いてはいたものの、まさかこんな事になるなんて。。
これはもう革命です!!
革命といえば真っ先に思い浮かぶのが、フランス革命。
人民主権・権力分立・自由権が確立、資本主義の発展など(歴史で習ったけど、細かいことは忘れました。。)、これこそ国がひっくり返ったのではないでしょうか。
1789年から始まり、終息されたのが1799年。
ちょうど約200年前です。
まさに歴史は繰り返すです。
そんな中、幾度となく起こった激動の歴史の最中でも、パン職人はパンを焼き、大工は家を建て、農民は畑を耕し、音楽家は曲を作り続けてきました。
そして、画家は作品を描き続けていました。
この時期に生まれた、大好きな画家がいます。
J・J・グランヴィル
生まれは1803年。
フランスの風刺画家です。
風刺画家歴が長いのですが、次第に彼の才能が認められ、のちに本の挿絵画家になります。
面白いのは、本を出版するにあたり、彼がまずは描きたい絵を描きます。
それを見て、ストーリーを作っていくという、今では考えられない構成。
それだけ彼の絵の技術や、世界観そのものが認められていたのでしょう。
彼の作品は本当に素晴らしく、新しさすら感じます。
風刺画出身というのと、彼の性格自体も相当ひねくれていたようで(人間嫌いで有名だったようです)、作品が相当ぶっ飛んでいます。
「アーティストは、狂えばカリスマ、死ねば伝説」
という名言があるように、アーティストはひねくれてなんぼの世界でもあります。
だからこそ出来上がる作品がすごい。
鶏が先か、卵が先か、の世界ではありますが、グランヴィルはまさしくその方式に当てはまります。
カモコラージュのテーマとしている「奇妙なファンタジー」は、まさに彼の作品そのものです。
革命後の不安定な時代に、人々はきっとファンタジーを求めていたのでしょう。
彼は見事にそれを群衆に与え続けました。
仕事では大成功を収めたものの、私生活では不運そのもので、最愛の妻と3人の子供を幼くして亡くし、43歳の時に精神病院で亡くなっています。
もはや彼そのものが、激動であり革命の人生。
蚤の市で買った、当時の本の挿絵を玄関に飾っているのですが、見るたびにこの美しさと儚さを感じずにはいられません。
きっと明日も無意識にこの作品を見て、家を出るのでしょう。
グランヴィルの絵は、いえ、彼の魂は150年経った今でも、フランスから日本に渡り、生き続けているのです。
アートというのは本当にすごい産物です。
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