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日本酒を取り巻く風土や造り手の声を届けたい

おばんざいと日本酒や インタビュー(3)

若手の夜明けMeetupで、日本酒に合うおいしいおばんざいを提供してくれているフード&ドリンクユニット「おばんざいと日本酒や」。日本酒をこよなく愛する京香さんですが、実は初めは日本酒が苦手だったとか。転機となった体験と、活動の中で大切にしていることをお聞きしました。

京香さん(写真:村上大輔)

京香 日本酒との出会いは大学時代です。サークルの飲み会で初めて飲んだ燗酒が口に合わなくて、最初の印象は最悪でした。ある日、大学の先輩が「日本酒の良いお店がある」と言うので渋々ついて行ったんですが、そこで店長が「ちょっとこれを飲んでみてください」と出してくれたお酒が私の地元である岡山の日本酒「翠山」(ヨイキゲン酒造)の純米大吟醸でした。袋吊り斗瓶取りという希少な絞り方をしたお酒で、いちごというか、メロンというか、上品なフルーティーさがあって本当においしかったんです。「水と米からこんなものができるのか!」と衝撃を受けて、そのお店でアルバイトをするようになりました。

その後もお店で酒蔵に連れて行ってもらったり、造りの体験をさせてもらったりしているうちに、日本酒がどんどん好きになってしまって。自分でも日本酒サークルを作ってイベントやツアーを企画して、日本酒に携わる仕事をするようになって今に至ります。日本酒沼からはもう抜け出せないと思いますね(笑)。

(写真:村上大輔)

1月に「2023 Miss SAKE 岡山」というコンテストで準グランプリに選んでいただいたので、この1年は地元・岡山のお酒をしっかりPRしたいと思っています。この4月には岡山で春の酒蔵ツアーを実施しました。大盛況だったので今後も続けていきたいです。春夏秋冬に酒蔵を巡って、日本酒だけでなく酒蔵の周りにある自然や歴史もまるごと感じてもらえるような、そういうツアーを考えています。ツアーが岡山を訪れるきっかけになったら嬉しいですし、実際に訪れて風土を知れば岡山のことをもっと好きになると思います。「また来たい」と思ってもらえるツアーにしたいですね。

好きな銘柄、好きな産地、皆さんいろいろなきっかけで日本酒を飲んでいると思いますが、私が日本酒を紹介するときはなるべく商品の背景を伝えることを大切にしています。特に地元の岡山は、私が実際に蔵元を取材させてもらったり、お酒造りに関わったりしたことのあるお酒も多いので、背景そして人柄から魅力を伝えるのは私の役割だと思っています。

(写真:村上大輔)

また、実は日本酒と同じぐらいトマトが好きで、去年の半年間は淡路島のトマト農園で働いていました。自分で作ったトマトをレストランや飲食店に提供して日本酒とのペアリングをしてみたい、という夢が20歳頃からあったのですが、実際に働いてみてトマト作りの大変さがよくわかりました。好きだからって手をかけすぎると作業が進まなくて、ただ足を引っ張るだけになってしまうんですよね。「私にトマト作りは向いていない」と痛感しました。でもトマトの魅力は誰よりも知っているつもりですし、作っている人の声を届けることは得意なので、今年は日本酒とトマトのイベントも企画したいです。

インタビュー(4)へつづく


おばんざいと日本酒や
食とお酒が好きな春那と京香によるユニット。様々な店で不定期開催。季節や地域ごとのおばんざいと日本酒を出すスタイルをベースに、食事を楽しむ場づくりをしている。そのほか香りなど様々なコラボレーションも行っている。
Instagram: https://www.instagram.com/obanzaitosake/

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