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3分で分かる日本酒の基礎:種類と味わい(前編)

日本酒を楽しむのに知っておくと役に立つ要点を分かりやすくまとめるこのシリーズ。
初回はまず日本酒の全体像を掴んでいただくために、その種類と味わいをまとめます。

「木を見て森を見ず」という諺にあるように、初心者の方は大吟醸や生酛といった難しい専門用語(木)ばかりに気をとられがちですが、「森」を理解すると日本酒はもっと身近で気軽に楽しめるものだと感じられると思います。うんちくや知識を覚えるということではなく、あくまで「日本酒を楽しむ」のに役に立つポイントという観点から解説します。

日本酒は「王道」の透明なものだけじゃない

日本酒といわれて、まず皆さんが思い浮かべるのは、透明な日本酒ではないでしょうか。
そして専門用語が使われる難しい印象のある日本酒の大部分が、この「王道の日本酒」です。しかし「王道の日本酒」の幅はある程度限られた範囲のもので日本酒の一部です。「森」全体を理解するには、それ以外にも特徴的な面白いものが数多くありバラエティに富んでいて面白いということを知ってもらえればと思います。

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「どこまでを日本酒と呼ぶのか?」という議論はとりあえず置いといて、いくつか特徴的な日本酒をご紹介します。このような特徴的な日本酒は、日本酒初心者の方の入り口としても、オススメです。

生酒
高温殺菌をしていない冷蔵必須の「生きてる」日本酒。独特なフレッシュな味わい。
スパークリング日本酒
炭酸入りの日本酒。シュワシュワしてさっぱりした味わい。
熟成酒
日本酒を3年以上寝かしたもので、無色〜琥珀色。複雑なコクのある味わい。
貴醸酒
水の代わりに日本酒で日本酒を醸した贅沢なお酒。無色〜琥珀色で甘くとろっとした味わい。
にごり酒・どぶろく
白く濁っている日本酒。どぶろくは特にどろっとして酸味のある味わい。違いについては、こちらをご参照。
甘酒
ノンアルコールの日本酒で「飲む点滴」とも言われる。酒粕甘酒と麹甘酒の2種類がある。
梅酒・果実酒
日本酒に果実を漬けたもの。果実のフルーティな香りや甘みが感じられる。

ここから日本酒の味わいをベースに商品を選ぶ際に出会うであろうとポイントについてカバーしますが、あくまで大切なのは「日本酒を楽しむ」ことなので、覚えるというより、「味わいを考える際にはこういうポイントがあるんだ」と知ることで、全く知らないという不安を解消してもらればと思います。

日本酒の味わい:4タイプ分類

唎酒師の試験にも使われるタイプ分類で、「香り」と「味の複雑さ」の高低で4分類しています。カミノサケでは、他のお酒と統一して分かりやすくするため、重め(フルボディ)、中間、軽め(ライトボディ)の3分類で考えるようにしています。

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日本酒の味わい:日本酒度と甘口辛口

日本酒度は、日本酒の甘さや辛さを示す指標でマイナス=甘口(糖分が多い)、プラス=辛口(糖分が少ない)とされています。詳細についてはこちらを参照してもらえればと思いますが、なにより糖分が多いのにマイナスというのが直感的に分かりにくい・・・
また日本酒度(糖分の多寡)以外の風味によって、実際に感じる味わいは変化しますので、あまり参考にしなくていいと思います。
また「辛口」というのも実際に「辛い」という訳ではなく「甘くない」という意味で、そもそも日本酒は米の甘みがするもので全て甘いので、個人的には味の表現としては適切ではないので、あまり気にしないでいいと思います。ただし昔「淡麗辛口」といった商品が流行り「辛口」=美味しいとされた名残で「辛口」という表現が使われることが多いので、これはワインでいうところの「ドライ(dry)」な味わいの表現に近いという感じで理解してもらればと思います。

いかがでしょうか?少しは、日本酒の全体像が掴めハードルが下がったでしょうか?
後編では、「王道の日本酒」に使われる専門用語や味わいについて解説したいと思います。

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