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3分で分かる日本酒の基礎:保存の仕方

日本酒を楽しむのに知っておくと役に立つ要点を分かりやすくまとめるこのシリーズ。
今回は買った日本酒の保存の仕方についてポイントをまとめます。

WHY:保存の目的を考える

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アルコール飲料は腐ることがないので基本的に消費期限や賞味期限はありません。なので、そもそも腐らせないための保存ではなく、あくまで美味しく飲むための保存です。
そしてこの美味しく飲むということも、①品質を保持して出荷された時点に近い味を楽しむという考え方と、②変化・熟成した味を楽しむ、という2つの目的・方向性が考えられます。

ここで私がおすすめしたい飲み方は、
飲む当日に酒屋さんから買って飲み(①)、
残りは数日立って酸化・熟成した味の変化を楽しむ(②)という方法
です。その日に全て飲みたいという方も、デキャンタ(容器に移し替えて酸化を促す)したり、冷や・常温・熱燗などと温度を変化させることで、変化・熟成を楽しむことも可能です。

WHAT:注意すべきは紫外線、温度、空気の3つ

紫外線
日本酒は数時間日光に晒すだけで劣化臭が発生しますので、日光があたる場所は必ず避けてください。

温度
低い温度だと高い温度より熟成・変化のペースが遅くなります。ですので、高すぎない温度であれば、むしろ短い時間で味の変化を感じられようになります。

空気
空気に触れることでの品質変化を酸化といいますが、これは必ずしも悪いわけではなく、状態を整えて上手に保管できれば、味のカドが取れたなめらかな味わいになり、さらに美味しくなる日本酒もたくさんあります。

WHERE:「生酒」以外は基本的に冷蔵庫に入れる必要はない

冷蔵庫にスペースがないしと日本酒を買うのを躊躇する人もいるかと思いますが、そもそも生酒以外の日本酒は冷蔵庫で保存する必要はありません。
戸棚の中、押し入れの中など、熱が発生する家電やコンロの近くを避け、冷暗所といわれる、日のあたらない涼しい場所で保管しましょう。ただし夏場など室温が上昇する場合には冷蔵庫で保存した方がいいかもしれません。また日が当たらないところで保存するのが難しい場合には、新聞紙などで包装したり、使っていないクーラーボックスなどあればそれらを活用するといいでしょう。

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そして冷やして飲みたい場合には、飲む前にボトルごと氷や冷凍庫で冷やしていかがでしょう。

必ずしも冷蔵庫で保存するのが良い訳ではない

冷蔵庫は、開閉も頻繁で、開けている最中は光も発せられ、温度も不安定。さらに、開け閉めの振動や、冷蔵庫内の食べ物ののにおいが移ることもあるので、必ずしも保存に適しているというわけではありません。

HOW:縦置き?横置き?

栓の匂いが移らないようにするため縦置きで保存する方がいいようです。
また個人的におすすめなのは、一度開栓して量が減ってきたら、別の容器に移し替えることです。ガラスの徳利などオシャレなものもありますし、匂いがうつらないようにラップなどで蓋をすると、スペースを取らないようになり、そのまま熱燗にしたり注げるので便利です。

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もう1段階上の保存の仕方

長い期間保存したいという方には、以下のようなものがありますので活用してみてはいかがでしょうか。

パラフィルム
ボトルのキャップと瓶の部分をプラスチックや樹脂シートで覆い、空気の出入りを防ぐ

プライベート・プリザーブ
瓶内に窒素ガスを注入して酸素を減らすことで酸化しないようにする

UVカットバッグ
紫外線をカットするフィルムでできたカバーで瓶を包む

日本酒セラー
ワインセラーは横置きのものも多いなど、日本酒に適していない点もあるため、温度設定も含めて日本酒向けのセラーで保存

いかがだったでしょうか?
お伝えしたいポイントとしては、初心者の方は日本酒の保存の仕方について、あまり神経質になる必要はなくポイントだけ抑えて変化・熟成を楽しでもらいたいということです。ただし、生酒は冷蔵保存して早く飲むようにしてください。

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