みずほ銀行のATMトラブルについて

 先日、日曜日の夕方ごろ、ニュースサイトはみずほ銀行のATMトラブルが記事に上がっていました。ATMがキャッシュカードを飲み込んだまま、返してくれないというものです。

 やっと、昨日からそのトラブルに関する内容が出てきたので、私も元IT会社勤務としては興味深く読んでいました。

 最初、日経XTECHの解説記事を読んでいたのですが、今回のトラブルの原因は「取り消し情報管理テーブル」でオーバーフローが発生した、とありました。元O社のデータベース技術者としてはデータベース関連のトラブルと知って、ますます興味を持ったのですが、有料会員ではないため、1ページ以上の情報は得られないため、他のニュースサイトへ移動しました。

 日経XTECHの解説記事でオーバーフローとあったので、もしかして単なる表領域不足では?と思いながら、次の記事を読んでいたところ、まさにその通りだったようです。
 ITmedia NEWSに以下の通り、空き容量不足が起因してトラブルが発生したとの記載がありました。

 障害が起きた28日も、みずほ銀行は約45万件のデータ更新作業を行っていた。しかしこの日は、27日を10万件上回る25万件の月末処理が重なった。システム上の空き容量が不足した結果、インターネットバンキングやATMで定期預金の取引ができなくなる障害が発生したとしている。

 みずほ銀行のシステム構築は業界では「IT業界のサグラダ・ファミリア」と揶揄されていた通り、いつ完成するか分からない状態のまま、やっと2019年7月に完成しました。複数の銀行合併に伴い、システムを全面的に刷新するというため、システム構築プロジェクトが長期化したようです。

 2019年7月に完成したシステムで、まだ本番環境で実行していないバッチ機能が今回初めて実行されたことによるトラブルだったとの事だったようです。
 おそらく現場では、現在まだ本番環境で実行していないバッチ機能の洗い出しと、想定しているデータ量の見積もりの確認、またそれがシステムに耐えられるものなのかどうかの検証を行なっているところでしょう。

 記者会見で頭取が「想定の甘さに起因するトラブル」と認めたようですが、せめてバッチを実行する前に対象データの件数を事前確認して、問題がないかどうかを検証してほしかったところです。
 それより、ATMの前でキャッシュカードが飲み込まれたまま、どうしていいのか分からない顧客に対するケアが全くできていなかったことが、今後のみずほ銀行に対する評価につながるでしょう。他の銀行ももしシステムにトラブルが発生した場合、顧客に対するケアを第一に考えてもらいたいものです。

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