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ChromebookはAndroidアプリが使えるが、気をつけるべき点

 前から気になっていたLenovo IdeaPad Duet ChromebookをAmazonで購入しました。通常¥39,800のものが商品ページにあるクーポンを使用すると3万円以下になったので、ついに購入に踏み切ったということです。

 現在、iPad Air(第3世代)を使用していますので、外出先で大きな画面を使用するときにはiPadを使用することでなんとかしていました。iPadではできなさそうなことは重たいMacBook Pro 15インチを持ち出すこともありました。それをなんとかできないかと考えて、試しに安くなったChromebookを購入したということです。

 文科省のGIGAスクール構想などでもChromebookの話が出てくるので、ご存じの方も多いかと思いますが、Chromebookは基本的にGoogleのChromeというWebブラウザしか動きません。したがって、Webブラウザをメインに使用するという人にしか需要がないと思います。

 とは言え、最近ではAndroidアプリもそれなりに動くようになったので、Androidアプリが動くことを前提に購入される方もいることでしょう。ただ、ここに少し、罠というか問題があるため、この記事を書くことにしました。

多くのAndroidアプリは広い画面を意識していないため、UIとして使いにくいことが多い

 1つ目は、上のタイトルの通りです。使い勝手が悪いというだけですので、自分自身が我慢できるかどうかで、アプリを使い続けられるかどうかが変わってきます。また、多くのアプリはハードウェアのキーボードを意識していないため、キーボードがついているChromebookを使用していても、キーボードショートカットが使えないことが多いです。たとえば、Chromebookに標準で入っているGmailアプリですら、メールを入力する以外のキーボードでの操作がほとんどできません。

URLスキームを使用した連携ができないため、Webブラウザとの連携が必要となるアプリは使えない

 2つ目が落とし穴で見落としされがちです。AndroidアプリとChromeブラウザとの間でURLスキームを使用した連携ができないため、1つ目の使い勝手が悪いということと同じレベルで済ませることができず、アプリそのものが使えないという可能性があります。

 ここで、単語としていきなり出てきたURLスキームですが、例を示したほうがわかりやすいので例をもとに説明します。

 電子書籍を読むためのAndroidアプリがあるとします。その電子書籍は、Androidだけではなく、iOS(iPhonr、iPad)、Webブラウザからも読めるものと考えてください。この手のアプリでよくあるのは、ユーザー登録とログインはWebブラウザで行い、そこでログインされたという状態をアプリ側に戻してアプリ側で電子書籍を読むというものです。
 動きとしては、次のようなものです。

(1)電子書籍を読むためのAndroidアプリを起動します。
(2)Androidアプリからユーザー登録、もしくはログインボタンをタップします。
(3)ユーザー登録、もしくはログインは、Webブラウザ側で一括して行うため、Chromeブラウザが起動して、その画面まで自動的に表示します。
(4)ユーザー登録ページに情報を入力する、もしくはすでにユーザー登録済みであればユーザー名、パスワードを入力して、ログインを行います。
(5)ログインが成功すれば、Androidアプリへ戻るため、URLスキームを使用してAndroidアプリへ連携しようとします。
(6)Androidアプリが起動して(前面に表示され)、Chromeブラウザからの渡された情報をもとに、Androidアプリ側でログイン済み処理を行います。

 Chromebookでは、この(5)のところで、エラーが出てしまい、Androidアプリへログインした状態を戻すことができず、そこでAndroidアプリが次に進めないという状態になってしまうのです。

 ユーザー登録やログインという処理は、セキュリティ上重要な処理であるため、AndroidアプリやiOSアプリの中に組み込むのではなく、Webページで一括して処理しているアプリが多いです。これはセキュリティの問題となる箇所を一箇所にしてしまい、問題が起きにくくする、あるいは問題が起きたときに対応しやすくするという意味でそのようにしているサービスが多いです。

 そうなると、ChromeブラウザとAndroidアプリとの連携が必要となります。Chromeブラウザで表示したユーザー登録画面やログイン画面で正しくユーザー認証した結果をAndroidアプリ側に渡す必要があります。そこで使用されるのがURLスキームというものです。詳しく説明し始めると、長くなってしまうため、ChromeブラウザからAndroidアプリへURLスキームを使用してユーザー認証した結果を渡すんだ、とだけご理解ください。

 しかし、そのURLスキームがサポートされていないため(厳密には少し違いますが)、(5)のところでエラーとなり、Androidアプリでは先に進むことができないのです。

 実際に私が試したものでは、LINEマンガ、マンガUP!、pixivコミックなどがそれに該当してしまい、Androidアプリのインストールや起動までは問題ないものの、ログイン処理ができず使えなかったものでした。Kindle、BookLive!、楽天マガジンなどはURLスキームを使用したユーザー認証ではないため、使用できました。

リンクを開く際のデフォルトのアプリの設定は有効

 URLスキームを使用したWebブラウザからアプリへの連携はできませんが、リンクを開く際のデフォルトアプリを設定するのは有効のようです。

 例えば、私は生放送コミュニティーサイトのSchooというサイトが好きで、よくオンラインで参加しています。そのサイトを見ると、オンラインで受講できる生放送番組がいくつかあるのですが、Googleカレンダーへ追加するためのリンクもあり、そのリンクをクリックするとGoogleカレンダーへ追加できるのですが、ChromeブラウザでGoogleカレンダーを開くのか、それともアプリ版のGoogleカレンダーを開くのかの指定ができるようになります。これについては有効ですので、Webブラウザからアプリを呼び出して、処理を継続することができます。

最後に

 残念ながら、Chromebook上ではAndroidアプリのすべてが問題なく動くということはありません。もし、気になるアプリがあるようでしたら、まずは開発元の会社にURLスキームを使用して、ログイン認証をWebブラウザ側でしているかなどを確認したほうがいいかもしれません。

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