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11 | 2019年 月別振り返り①

感覚的にここ最近の年で一番早く過ぎ去っていった気がする2019年。

フィリピンのカミギン島に住みはじめてからもう11ヶ月。 常夏で特に季節の変化がないフィリピンの気候が、流れていく時の速さに疎くなったのか、怒涛の毎日がそう感じさせたのか。

フィリピンの地で1年挑戦し、自分の弱みに向き合うと決めた2019年。果たして、その目標をどのくらい達成できたのだろうか。

出発前の1月からじっくり言語化して振り返りたいと思います。

1月 京都でスタートを切った2019 

実家、京都で家族とともに迎えた2019年。
そう思えば、22年間これまで年越しはずっと家族みんなで過ごしてきました。私にとっての年末年始は家族のありがたみを改めて感じる特別な時期なのかもしれません。

2月 チョコ売り子と、お別れと

2月はインド旅とカミギン島への渡航のために、バレンタインシーズンの百貨店でチョコを売って必死にお金を稼いでいました。
担当させてもらったのはMinimalという東京発のBean to Bar Chocolateでチョコ本来の味を楽しめる新感覚の板チョコが美味しく。
好きになってしまい、年末一時帰国した際にもお店に足を運んでしまいました。[https://mini-mal.tokyo/]

振り返ると、2月は珍しく不安で灰色のような気持ちになることも多かったなぁと思います。
自分の大切な人が自分が考えられないような大きな悲しみに直面している様子を見て、人の終わりについて考えたり、日本を離れてからは大好きな人たちに日常ベースで会えなくなるという事実がだんだん現実味を帯びてきたりして寂しくなったり、なんて時期でした。

また、現地で私の前任として活動していたインターンの子から電話で、現地での活動の辛さを聞いたりもしていたため、心のどこか底で現地に行くのが怖くなったこともありました。

「1年間島に日本人1人で働く」という言葉から、デンマークへの交換留学の時には感じなかった"孤独"を想像しては、これまで感じたことのないフワフワとした不思議な感覚を覚えていました。

3月 北インド旅、 カミギン島へ

去年の3月といえば、10日間の北インドへの旅に出かけました。
まずは、経由地タイのバンコクで寺院と美味しいタイ料理に舌鼓を打ち、いざカルカタへ。 

旅行記 ツッコミどころ満載インド旅1ツッコミどころ満載インド旅2を読んでいるとインドの独特の香りを思い出します。

カルカタからはバラナシに列車で移動。インドの人々と生きる川、ガンジス川を拝みました。朝日が美しく川沿いには水浴びをする人々が。

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その後シク教の聖地アムリトサルに飛び、ゴールデンテンプルを拝む。朝も夜も本当に美しい。

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アムリトサルはインドとパキスタンの国境に近くに位置しているのですが、そこでは毎日お互いの国に対して応援合戦が行われています。その強烈な応援合戦は、北インド旅、1,2番を争えるハイライトだったので近くまで行かれた方は是非見に行ってみてください。

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アムリトサルの後は、そのまま北上してチベットの人々が亡命してきていてダライラマの家があるダラムサラへ。ヒマラヤが見え、美味しい大陸料理が食べられる環境。それまでに回った北インドの都市たちと違った色を感じました。

そして、締めはデリーでは都会と"インド"が混ざり合ったような都市を最後に北インドでの放浪は幕を閉じました。

インドから帰国するや否やe-Educationの
出国前意気込み表明会に参加し、そのまま関西に直行。次の日には出国というスケジュール。

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大好きな人たちから応援のメッセージをもらい、沢山元気付けられ、そんなこんなでバタバタしながら、3月27日。

満を持して、カミギン島へ飛び立ちました。

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飛行機から着陸前に島を見下ろした時の衝撃は忘れられません。画像5

「そう、ここはジュラシックパーク」

動物、植物が大好きな私にとって、
壮大で自然豊かなカミギン島をすぐに好きになることはそう難しいことではありませんでした。街から5分も歩けば美しいコバルトブルーが遠く広がっていて、朝5時ごろから鶏の鳴き声が響き渡るこの場所で、1年間を過ごすことが出来ること自体にとってもワクワクしていました。

一方で、インターンとしての役割の重大さを再認識したのものそんな到着して間もなくの事でした。市役所に向かうと、前任インターンが現地のエンジニアと賃貸の契約書の内容について議論を交わしている。

そんな前任の姿を見て「自分に役が務まるのか、いや、しっかり務めないと」と身が締まる想いがしたことを覚えています。

そんな私の心情と裏腹に、教育局の皆さんから歓迎を受け、豚の丸焼きのレチョンをご馳走になり、心もお腹いっぱいになるほどのカミギン島の人々の温かさと優しさに緊張が解されました。

そうやって、他国の教育局で日本から来た一人の大学生が歓迎してもらえるのは、これまでの先代のe-Educationインターンの先輩方が築き上げてきてくださった信頼があるからなのだとつくづく過去のインターンたちに畏敬の念を感じたことを覚えています。

4月 猪突猛進の毎日

「現地が抱える社会課題とその解決策を見つけたい。」

そう、意気込んでスタートしたカミギン島でのインターンシップ。前任のケンちゃんが日本へ帰り、日本人1人での生活が始まりました。

事前に日本にいるときに入れていた情報を元に手探りで現地の課題を探索。

目や耳から入ってくる情報が全て新鮮で、常に正しいことが移り変わっていくカオスの渦中にいました。でも、それが楽しかったんです。呼ばれるままに、そして呼ばれなくても、ありとあらゆる場所で昼も夜も顔を出すフッ軽芸人として、島中を走り回っていました。

5月 お祭りだらけの日々 島の文化

夏季休暇で一般的な学校はお休み。FIESTAと呼ばれる地域に祀られた聖人のお祭りが各方面で毎日行われていた5月。4月のHoly weekから始まり、カトリックの伝統を重んじる文化を目の当たりにし、宗教の偉大さを感じさせられたのでした。

割礼など、日本にはない現地の文化を目の当たりにしたのもこの時期でした。

また、カミギン島の歴史について、小さい島でありながらも実際に残っている建物や人々から直接見たり聞いたりすることで知ることも多く、とても興味深かったのもこの月でした。

フィリピンのスペイン、日本、アメリカからの植民地支配の歴史。その中で生まれてきた文化や伝統。

特に日本とフィリピンの歴史については自分が知らないことの多さを感じました。
日本の授業では「大東亜共栄圏の思想から東南アジア諸国を占領....」などとまでしか習わないことも、実際にカミギンの現地の人々から「カミギン島に日本軍が攻め込んできて、多くの家を焼き払った」などの過去を聞くと本当に目の前のここで起こった出来事なのだということを感じ、胸が締め付けられました。
全ての該当の東南アジアの地域で、共通することなのかもしれません。

歴史で起こったことは変わらない。けれど、それと同時に感じたことは、JICAやその他国際貢献の献身的な活動、日本食、漫画などのポジティブな日本文化などが、その過去の傷を労わり、時間とともに新たな関係性を築き上げてきたのだということ。

"人"を傷つけるのも"人"だけれど、それを労わり回復させることができるのも同じ"人"にしかできないことなのかもしれないと思いました。

烏滸がましいけれど、現地で活動する自分自身も日本とフィリピンのこれからの関係構築に小さくても繋がっていれば嬉しいな、だなんて思ったりもしました。

6月 現地のパートナーとの関係性が危ぶまれる

e-Educationにはそれぞれの活動地に
この国と言ったらこの人というような現地パートナーがいます。そのパートナーとの関係性が大きくグラつき、危ぶまれたのはこの時期でした。

現地教育局の制度の転換、中の人間関係、政治的な要因がごちゃ混ぜになった末、起きた悲劇。e-Educationとして現地教育局の中で誰を頼りにしていいのか分からなくなり、団体の立ち位置が不安定な状況でした。

これまで団体が紡いできた糸が途切れてしまうのではないか、パートナーが辞めてしまうのではないか、などと不安な日々が続きました。
その後、なんとか事態は落ち着いたのですが人間関係の繊細さ、組織内での対立の根深さなどを感じるには十分すぎる機会でした。

人との関係を繋ぎ止めることの難しさを改めて感じた大きな出来事だったことに間違いありません。

"カミギンでの第一四半期の活動の中で見えたもの"

カミギン島に住む人の多くが宗教熱心で信じる者があり、感謝の気持ちを大切にしていて。家族が大人数いて、その人たちのために働いて。家に帰ると豪華とは言えない質素な家で、採れたての野菜や魚で作った美味しいご飯食べて。

まさに田舎の「豊かな」生活というのでしょう。みんなが繋がり合って生きていることが見える社会。そこにずっと住んでいるといろいろと不満もあるみたいですが、根本的な部分では自分たちの島のことが大好きでとても誇りに思っている人々ばかりで。

そんなカミギン島がとても好きになりました。「社会課題解決するぞ」なんて意気込んできた若造が、カミギンの人々の人懐っこさと優しさ、そして美しい自然に一気に惚れ込んだ2019年度前半期でした。 

2019年度前半の毎月の振り返りはここまでにします。いや~ボリューミーになりました笑 ここまで読んでくださってありがとうございました。

次回は後半の毎月の振り返り。

滞在期間に動いたプロジェクトについて、それぞれ別のnoteで振り返っていくことにします。

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