ワタシが離婚するまでー3ー

母の日の夜だった。
カーネーションを一輪。

「いいお母さんだね」もはや呪いだった。
口論が激化した20時過ぎ。

前夫は私の顔にドラマのように水をかけた。
左の頬を叩き
「何をしたかわかっているん？」
「わかってるよ」と右の頬を神様のように叩いた。

同棲中から物に当たる、首を絞められることは
何度かあった。

多分この暴力はエスカレートとする。
泣き喚く娘と目があい、抱っこをしたまま
「出て行って」と告げた。

4秒後、私は杉並警察署に通報。
7分後、沢山の刑事と警察官が到着を

私は抱っこ暇に娘を入れたまま
警察署に行った。

そこから、腫れた顔の写真を撮られ
何度も同じ質問を繰り返し繰り返し

「ただの痴話喧嘩でしょ」極め付けはこれである。

その日は本当に長い夜だったことを覚えている。
徒労という徒労をかき集めた1日。

まだ泣き喚く、娘と
3時間。被害届を出すか出さないかで
私は出さないことを選んだ。

浅はかだった。人は恒常性がある。
元に戻ろうとする。

一旦、家に帰った。
その後は記憶にはない。

次の日前夫の会社に電話をしたが
当然ながら出社しておらず、

私と娘は東京のホテル暮らしになった。
色んなDVにおける施設や相談場所に電話をした。

「お母さんの不安は子供に移ります」
震える私にそう母子センターの人は言った。

先が見えない。
ただ、娘は変わらず微笑んでくれていた。

義理母に電話すると
「あなたも悪いところがあったんじゃない」
この時実家に前夫は帰っていたことを
隠してのうのうと言い放った。

阿佐ヶ谷、高円寺、昭和公園。
もう今となっては思い出せないぐらい
ホテルに泊まった。

幾日か過ぎたころ、前夫から
「やり直したい」と電話があった。

まだ、この後続く地獄なんて
私には到底想像できなかった。