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俳句マガジン 「ランタン」

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小生の処女句「ランタンはゆつくり灯る秋の雨」より。これから俳句を始める人や、句作に悩んでしまった人たちの、道を少しでも照らせたらと思う。
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2021年2月の記事一覧

俳句 雑詠4句

東京に流星俺の墓はどこ魂の重さはきっと落椿象も象使いも眠る桜東風妻の縫う糸は赤色春の夕亀山こうき

【詩人必読の章 短詩型文学が二流芸術であるとの主張への反論】俳句的を読んで(1章-2のまとめ)

引き続き、外山滋比古著「俳句的」のまとめである。今回は1章2項の「封建的」についてまとめていきたい。 この本の中で、一、二を争う面白い章であったため、まとめがずいぶん長くなったがご容赦願いたい。 前項の記事については下記をご参照いただけたらと思う。 参考資料 ・伝記中心の批評から作品中心の批評へ(P7)(批評は詩人を論じるのではなく、作品を問題にしなければならないと主張したT.S.エリオットに触れて)  いまでは当然のことになっている作品中心の考えが、欧米においても

俳句 雑詠5句

ペダル漕ぐ春風は未来より吹く春の夕どこの団地のミシンの音 護送車の中に残った桜の香刑場に郷里の桜幻想す 死に給う人の重さや春告鳥亀山こうき

俳句 雑詠5句

不器用に握り返す手猫柳玄関を中々開けぬ余寒かな魚は氷に腹を枕に眠る子ぞ春めくや二人でカップ麺を待つぶかぶかの通園帽子初蝶來亀山こうき

俳句的(外山滋比古著)を読んで(1章-1通俗の論のまとめ)

「思考の整理学」で著名な知の巨人、外山滋比古先生は、俳人であった。 本書は、そんな先生が、短詩型文学や俳句第二芸術論等についての見解を、様々な角度から論じたエッセー集である。 あまりにも面白かったので、自分用の記録として、時間をかけて各章各項毎にアウトプットをしていきたい。 俳句に限らず、その他の短詩型文学論、日本語論、日本文化論としても非常に興味深い一冊である。機会があれば是非読んでいただきたい。 ・要点板書 ・近代文芸=反俗(P3) 近代文芸は、エリートの営みで