見出し画像

スーベルダイス 戦略とコツ

※この記事は、ゲムマ2019秋に頒布された『スーベルダイス』を遊んだことのある方、またはルールを知っている方向けの記事です。
※ご存知ない方は下記ゲムマページ等でルールをご覧ください。


早速ですが、本題に入ります。一応制作者としての所感を書いていますが、これが全て正しいというわけではないと思います。むしろ粗を見つけてもらったり、より良い戦法を開発できたりしたらぜひコメントください。


■はじめに

スーベルダイスというゲームは、自分のスーベルダイスをいかにして相手陣地に滑らせるかというゲームです。逆算すると、自分のスーベルダイスの前方に”他のダイス”がないようにするかということになります。

この”他のダイス”には、相手のスーベルダイス、およびジャマーダイスはもちろんですが、自分のスーベルダイス、ジャマーダイスも含まれます。(自分のダイスは自分で動かせるため、多くの場合大きな問題にはなりません。)

そしてその”他のダイス”をなくす方法もいくつかあります。

1)相手のスーベルダイス
①目を0以下にして倒す
中盤~終盤以降については、真っ正直にいくと得策ではありません。なぜなら「配置」で復活してくるから。復活できない、または倒すことでダブルチェックとなる場合に限り、狙っていきましょう。
復活できない状況で考えられうるのは、以下二つ
  A)  相手が前の手番にスーベルダイスを「配置」している状態
  B)  相手のジャマーダイスがすでに倒されている状態
②に関しては、厳密にいうと、ジャマーダイスが1,2個残っていたとしても、倒したダイスを相手が次の手番に復活させた場合、そのまま前方へ滑走して再び倒すことができることがあるため、その場合もダイスを倒すべき状況の対象になります。

では序盤~中盤は?となりますが、後述しますが、相手のスーベルダイスの目が軒並み1や2の場合、自分のジャマーダイスをうまく利用して連続で倒していく速攻戦法もあり得ます。結局相手のジャマーダイスで防がれるでしょうが、相手は好きなところにジャマーダイスを置けない上に、一時的に相手のダイスが盤面から減る状態が続くため、チャンスも生まれることでしょう。

②「配置」で復活できるダイスをなくす
基本的に効果的です。説明の順番が前後しますが、相手のスーベルダイスを考えなしに倒すべきでない理由が②を基本方針とする場合、です。相手はどうしても復活させたい場面のために自傷する手番を消費せざるを得ないことがあります。できればその隙をつきたいです。

③  滑ってこられない列でチェックを狙う
基本はこれを狙います。中央に近い列ほど滑ってきづらいはずです。もしくは、多くの場合盤面の展開が左右どちらかに偏る(膠着状態)ことがあると思いますが、その逆サイドの、端から一列中央寄りの列が狙い目です。この列で勝負が決まることが多い印象です。

④  ”他のダイス”で邪魔をする
自分のダイスで邪魔をするだけです。この状態を狙って作るのは正直難しいかもしれません。ジャマーダイスをうまく活用してみてください。

ちなみに私はいつも②を意識しつつ、③を狙っています。


2)相手のジャマーダイス
①目を0以下にして倒す
とても効果的です。一度倒されると復活できない上に、配置するスーベルダイスの目が減っていくため、相手にプレッシャーをかけることができます。
ただし、この動きをしてよいのは、手番前後で相手が有利にならない手番のみです。有利というのは、相手がやりたいことをやらせてしまうことです。
相手と自分のスーベル力(スーベルダイスのウデマエ)が互角と考えられる場合、長期戦になることが予想されるため、目を削ることを優先してもいいかもしれません。

②  ”他のダイス”で邪魔をする
前述のスーベルダイスの項と同じです。

③  滑ってこられない列でチェックを狙う
ジャマーダイス特有の「妨害」という動きのせいで、柔軟に移動して防がれることが多々あります。そのため、できればジャマーダイスは倒すという方針のほうが良いです。倒す暇がなさそうであれば、ジャマーダイスが少ない方のサイドの、端から一列中央寄りの列でチェックを狙ってみてください。

3)自分のスーベルダイス
どこか別の列へ「滑走」を使って動いてください。ちなみに前後にスーベルダイスが2個重なっているなら、1個は自由に動けるチャンスです。

4)自分のジャマーダイス
漏れがないようにこの項も記入しますが、どこか別の列へ「滑走」や「妨害」を使って動いてください。


■基本的な考え方

先攻後攻に限らず常に頭に入れておくこと。

【序盤】
初手の定石については、これだというものが現状無いため、考え方を載せます。
1)2個目のジャマーダイスを相手に置かせる。
余程自分か相手が意味のない行動をしない限り、1個目のジャマーダイスは自分で置いた方が、2個目を相手に置かせやすいです。ただこのとき、極力自分のスーベルダイスの後ろに1個目のジャマーダイスを置きたいです。
2個目を置かせた後すぐ攻めてもよいですが、このときの攻めは、ほぼ必ず防がれてしまう(でしょう)。このときの攻めは、相手に勝つことより、相手の思うところにジャマーダイスを置かせないためと思っておいたが良いです。

【中盤】
1)ジャマーダイスかスーベルダイスを1つ盤外に置いておく。
相手のチェックを防ぐための動きです。盤外のダイスは、ある意味残機と言ってもいいです。
自滅によってスーベルダイスを1つ持っておくのもありです。
ただし、相手のダイスが膠着状態になっている、相手の盤外にダイスがあるなど、相手の実質死にダイスがある状態でないと、ダイスの数の差が生まれ、相手に隙を突かれる可能性があるため要注意です。基本的にお互い1個ずつ持ちたいはずなので、数の有利については頭の片隅にあれば大丈夫だと思います。

2)相手の2手先あたりを見ておき、リーチになる可能性がある縦列にダイスを置いておく。
相手の手を先に邪魔する動き。このとき自分の利になるマスに置くことができればなおよしです。

3)縦に2個以上自分のダイスができる状態を作る。
いつでもリーチをかけられるプレッシャーとして。動かすことで相手にダイスを盤外から強制的に配置させたり、滑らせたりして、相手のダイスの陣形を崩せるようにしておきます。

4)何をしても攻められないときは、相手の1手先を邪魔する。
あまり意味なく相手のダイスの目を削る前に、次相手が何をしてきそうかを読んで、その動きを防ぐ、もしくはしづらいようにしておきます。自分が攻めるための仕掛けにもできればなおよしです。

5)相手のジャマーダイスの目を削る。
長期戦が想定される相手の場合、または相手のジャマーダイスが文字通り邪魔で仕方がない場合、前述の通りですが、手に余裕がある場合は目を削っておきます。相手も削られたくはないため、余程でない限り逃げる動きをすることが予想されます。それにより次の攻めの起点ができればなおよしです。

【終盤】
1)端から1列中央寄りの列で勝負を決める。
前述の通り、相手の盤外にダイスがない場合、端から1列中央寄りの列を防ぐことが難しい状態であることが予想されます。そこを突けるよう、自分は端の列に(できれば)目が大きいダイスを置いておいてそのダイスを壁として滑ってきたり、単純にその列に配置でスーベルダイスを置いたりする動きが強いです。

2)横から滑って倒す。
横から滑って相手のダイスを倒し、倒した相手のダイスで防がれていた自分のスーベルダイスと、横から滑ってきた自分のスーベルダイスとでダブルチェックをかけられる状態を作ることを目標とします。この形で勝負が決まることが多いです。

3)ジャマーダイスを倒す。
ここに至るまでに勝負が決することが多いですが、本当の長期戦を想定する場合、これまでで目を削ってきた相手のジャマーダイスを倒す動きをします。これにより相手は、スーベルダイスの復活配置時の目が2,1と減っていくため、徐々に「配置」が強い動きではなくなります。1個でもジャマーダイスを排除することができれば、盤面のダイスも単純に1個減るため、自分の有利に動くはずです。2回連続でスーベルダイスを配置できないルールもあるため、そのまま弱ったスーベルダイスを倒し続けることで一気に勝負を決められるでしょう。


■これまで出た陣形、戦法

これまでのテストプレイや試遊会等でよく見た、または編み出された陣形や戦法を紹介します。これはほんの一部なので、新しいものが見つかったら追記します。名前もかっこいいのを思いついたら変えるかもしれません。一応暫定ということでそれっぽいものを名付けました。


1)凍結
相手のダイスを囲うように邪魔をする陣形です。囲碁のイメージ。相手が自分側に滑ってきたときに目を削られたスーベルダイスと、新たに配置するジャマーダイスなどを使って形成できます。
相手は動けないが、自分のジャマーダイスは動こうと思えば横に滑るなどで動けるため若干有利。ただしこの形を作るには相手のダイスより1個以上ダイスを使う必要があるため盤面によっては不利に働く場合も。うまく行けば相手の死にダイスを何個も作ることができるかも。
意識的に作るというより、結果できちゃったとなることが多いです。

2)防壁
横一列に自分のダイスを配置した陣形です。自分のダイスの目が大きいときに有効です。相手は、どれかのダイスを倒さなければならない上に、横滑りによるダブルチェックを作ることができません。相手はダイスを倒すために一度下がる動きをせざるを得ないですが、そうなると自分は前方へ滑ってダイスを倒せる、といった状況を作ることができます。
欠点としては、自分が攻撃に転じることができるダイスが少ないため、相手の動きに対して返すような動きになってしまう点です。
対策としては、ジャマーダイスの列で発条戦法をやるくらいでしょうか。あとは防壁に加わっていないダイスを倒すなどです。

3)発条(バネ)
縦一列に自分のスーベルダイス、相手のジャマーダイスのみがある状態に、スーベルダイスを一度後方に滑らせ、次の手番でジャマーダイスに大ダメージを与える戦法です。
この形は、相手に何かしら対策をさせる動きのため、それによって他の場所に隙が生まれる場合があります。うまく行けばそのままジャマーダイスを排除できることも。
対策としては、ジャマーダイスで相手のスーベルダイスのチェックを防ぐとき、極力密着状態で配置するくらいです。

4)振子
相手のダイスが動けない(動くと勝負を決められる状態)ことをいいことに、ジャマーダイスをその間に配置して横滑りを繰り返しダイスを排除する戦法です。拡張前、または相手のジャマーダイスが全て出ていないときにスーベルダイスを排除できると、相手の攻めが遅くなるため有効です。盤面によっては、上下振子もできるかもしれません。

5)磁石
目の少ないダイスを自分のダイスで挟み込み、次の手番で確実に倒す戦法です。振子の逆のような戦法です。
欠点として、自分のどちらかのダイスもおそらく目を削られることです。

6)双刀
相手のジャマーダイスがある列の交点に、自分のスーベルダイスを配置し、どちらかのジャマーダイスの目を削りに行く戦法です。相手は嫌がります。
磁石と合わせてできると非常に強力です。


■最後に

最後に宣伝です。
現在少量ですが、BOOTHにて販売しております。ぜひこの機会にお求めくださいませ。新年ボドゲ会などにぜひ。(発送は1月4日以降になります。)
https://camelliaquintet.booth.pm/items/1703988


※余談ですが、スーベルダイス(Subel Dice)という名前の由来は、盤面上のダイスを、刀(sabel:オランダ語)で相手を刺すように向こう側へ(super:ラテン語)滑らせ、盤面を統べる、というところからきています。4つの言葉遊びです。「滑る」だけじゃあないんだぜ!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?