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#5 一人暮らし女子大生のクリスマス

今年も、クリスマスがやって来る。
みなさんはどう過ごすだろうか?
大切な人と過ごすか。好きな映画を見ながらひとりの時間を楽しむか。
まあ、人それぞれだろう。
さて、私はと言えば、バイト、バイト、バイトである。

21歳、一人暮らしの女子大学生
朝ごはんは69円の納豆を食べ、少し贅沢を求めて味付けのりをつけたりする。
お金なんて、あってもあっても足りないのである。

そんな私にとってのクリスマス、年末年始は、
まさにかき入れ時だ。
私がやっているのはピザの配達バイト🍕。
クリスマスや年末は注文が激増、爆増し、
ネコの手なんかじゃ足りないほど、人手を欲している。
入りたい!と言えば、「そんな入ったら体凍るわ!」って思う程入れてくれる。
そんな、金なし学生に優しいバイトである。

正直、心が冷える時もある。
セキュリティを何回も突破しないと入れないような
すっごい高そうなマンションへ行ったとき。
これぞ家族!という仲のいい家族の下へ行ったとき。
今日明日どうやって食費をケチろうか考えている自分が、
そして客すらもやっかんでいる自分が、
ひどくみっともなく見えることがある。
そういう時は23時を回っていたりするので、
原付バイクで坂道を走りながら「うをおおおおおおおお」と本気で叫んだり、
好きな歌を大声で歌ったりする。

きっと明日も明後日も、もちろんその後も、
なんなら大晦日も正月も、心と体が冷え切るに違いない。
でも、私はそんな心身を溶かす、楽しみで楽しみで仕方ないものが待っている。

24日、帰ったらMステでKing Gnuの新曲初披露を聞く。その後、ラジオをつけてバナナムーンを聞こう。
25日、配信されたバナナマンの単独ライブを一本見ながら、コンビニで買ってきたケーキを食べよう。なんたる贅沢。
その後年末に向けては、バイト帰りに一本ずつ、コントを見よう。
31日、年をまたぐまでに這ってでも帰ってきて、好きなアーティストの紅白を録画で見て、バナナムーンに備えよう。
1月1日、年末特番の録画を一日遅れで見て、笑おう。

帰省や旅行へ行く友達とは会えず、帰って部屋を暖めている家族はいないけど、
こんなに楽しみがたくさんある。
本当にありがとう、バナナマンとKing Gnu。
さあ待ってろ、クリスマス、年末年始。
ひねくれたって、すさんだって、待っててくれる大好きなものに向かって、
がむしゃらに走り切ってやる。


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