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ユナサポ、フラーゴラッド鹿児島を観戦する

カメたびです!

前回「ユナサポ、鹿児島レブナイズを観戦する」と題し、レブナイズ初観戦記を書いたところ多くの方に読んでいただき、またXの方でも反響をいただきありがたい限りでした。

今回は、今年からバレーボール「Vリーグ」の3部にあたるV3リーグに参入した、日置市を拠点とするフラーゴラッド鹿児島の試合を初めて観戦しましたのでその体験を書いてみようと思います。


行く前に少しだけ調べる

私は例によってサッカーファンであり、バレーボールの有料試合を生で観戦したことがありません。ルールもバスケ以上に疎く、そもそもリーグ構成自体がよく分かっておりませんでした。
日本代表は男女とも五輪や他大会で活躍して度々地上波でも試合中継が組まれ、その際はよく見ていますし男子であれば石川 祐希選手のようなスター選手もいます。しかし、上に述べたとおり国内リーグについては情報に触れる機会さえこれまでなかったのが正直なところです。
日本バレーボールの歴史をみてみると、主役は企業チームであり(これはプロ化前のサッカーも同様でした)、Vリーグ自体もプロ化は幾度となく検討されてきたようですが中々一筋縄ではいかないようです。
ただし、このほど新たに最上位プロリーグが創設され、それに伴ってVリーグも編成に大きな変革があるようです。この辺りもまた追っていきたいです。

フラーゴラッド鹿児島について

国体への出場を契機として鹿商OBを中心とした前身クラブ「Kagoshima Cherry Blossoms」が設立されたのが2012年だそうで、2021年に現在の名称に変更、Vリーグ参入を目指しライセンスを取得し、2023年(23-24シーズン)からV3リーグに参戦しています。
参戦からいきなり連勝街道を突き進み、観戦時点でも首位を快走中。前述のようにVリーグが新リーグ方式へ移行する関係上、上位カテゴリーとの入れ替えが発生しませんが、レギュラーラウンドの後に上位が参加してTOP3の最終順位を決定するファイナルステージがあり、そこへの参戦はこの時点ですでに確定させていました。

試合前まで

今回観戦したのは、日置市伊集院総合体育館で2月17(土)・18日(日)に行われた「奈良ドリーマーズ」との一戦。これまたレブナイズ初観戦時と同様に、急に思いついて行くことにした試合です。

チケットの購入

チケットはVリーグ公式のチケットサービス「V LEAGUE TICKET」または「ぴあ」で購入でき、私は前者の電子チケットを選びました。
基本的には、指示に従って進めていけば購入できるかと思います。PCを使って購入しましたが、入場にはスマホアプリを導入する必要があります。

サッカーでは一般的にメインスタンドが最も高額で、次いでバックスタンド、ゴール裏と安くなることがほとんどですが、バレーでは1階のコートサイド席が最も高額で、エンド席が次いで高く、2階席が最も安価という価格設定です。

フラーゴラッド鹿児島の公式HPより引用させていただきました

「プレミアム席」はベンチのすぐ後ろということで10,000円の強気価格。
2階自由席で2,000円なので、同じ屋内競技の鹿児島レブナイズのホーム戦とおよそ同等の価格帯と言えそうです。なお、1階エンド席は3,000円です。
今回、エンド席とも迷ったものの、初めてなので全体を見たいと考え、2階自由席を選択しました。

伊集院駅~会場へ

会場の日置市伊集院総合体育館へは、鹿児島市内からはJRで行くのが便利です。駅からは少し歩きますが、徒歩で向かえるレベルなので歩くのが苦でない方は散歩がてら歩いて行くのもおすすめです。

義弘公の像でおなじみの伊集院駅。(体育館に行くにはこちらとは反対側に降りると良いです)

会場に到着!

会場は日置市役所に連なって文化会館などが集まるエリアに存在する、「日置市伊集院総合体育館」。駅からは川に沿って歩き約15~20分です。
非常に一般的な地方の体育館という見た目で、会場に踏み入れたときの光景もフラゴラの装飾以外はどこか安心感さえ感じます(笑)

場外にはキッチンカーや飲食店が出店しており、中にはユナイテッドでもおなじみのキッチンカーも出店していました。出店数はイベントの規模からすると充実しているなという印象です。グッズ売り場も場外に出店しており、タオルやユニフォームなどを販売しているようです(時間の都合上、立ち寄ることはできませんでした)。

いざ、入場!

入口では、スタッフさん(大学のバレー部員さんでした)がチケットの確認をしています。今回私が使ったVリーグチケットの電子チケットは、アプリから画面を開き、スタッフさんに提示します。
画面に電子スタンプを押してくれますので、スタンプが押されたらそれだけでOKです。余計な持ち物もいらないので、この方式はスマートだと思います。

分かりづらいですが、入場処理前はスタンプが押すスペースが中央にあり、スタッフさんが電子スタンプを画面に押すと表示されているスタンプが押される仕組みです。

会場は土足禁止ですので、靴を入口で脱ぐ必要があります。
なので、靴を入れる袋と体育館用シューズまたはスリッパを持っていくとよいでしょう。シューズは履かず靴下のままの方も結構いらっしゃいました。
試合開始40分前ごろに会場に入ったところ、会場が暗転しプロジェクション・マッピングによる演出が始まっていました。そして、2階席は中央から端に向かって席がかなり埋まっています!これには驚きました。40分前ならまだ余裕だろうと思っていた見通しは甘かったようです。一人観戦なので端のほうの空いた場所をとり席につきます。
暗転はしているのですが、会場の天井に天窓のようなところがあり光が漏れていたり投影部分が体育館の有孔板材だったりということもあり、もう少し照度があれば…というのは少し求めすぎですかね。投影面が白スクリーンだとまだ見え味はよさそうですが、結構大きく映っているので大変なのかもしれません。

演出の方は、映像も想像以上に凝っていて、見ごたえがありました。体育館の構造をうまく使った演出だと思いました

スポーツ観戦ではいつもビジターチームの扱いが気になります。バレー(フラゴラ)の場合、まず奈良の選手が一人ずつ場内MCに紹介され、コートに姿を現すスタイル。会場もその間拍手が起こります。基本的には、対戦相手もしっかり時間を割いて紹介するというスタイルのようです。

奈良の選手に続いて、フラゴラの選手がコートに登場します

フラゴラの選手は、地元・鹿児島城西高校のチアリーディング部の花道に迎えられ、華々しく登場します。
その後は、区切られた時間で練習が始まります(調べるとプロトコルというのがあるのだそうです)。レシーブやサーブの練習をしたら、選手が入場します。

練習風景。会場は照明の照度も厳しく、シャッタースピードを中々稼げず…

練習の頃には、場内のMCの方が先導して"応援練習"が始まりました。
基本のチーム名コール(得点が決まったとき、取られたときなど)や、個人選手のコールがあるようです。選手名は例えば「藤原(ふじはら)」選手の場合「ふじは」、坂元主将は「さかも」という具合に3文字になったり、宇検出身の津田選手は「つーだだいち」とフルネームだったりと色々です。
声のほうは中々全体的には出ていない印象でしたが、ハリセンと手拍子の音は会場に響き渡ってホームの雰囲気は出ていますし、簡単なので初見の来場者でもすぐに乗ることができそうな応援でした。城西高校のチアのみなさんが客席でも率先して声を出していて良いなと思いました。

試合開始

バレーのことはよく分からず、ポジションの概念もほとんどわからないのですが、とにかく現地で見るとそのスピード感にテンションが上ります。
強烈なスパイクが決まった瞬間や、間に合わないかなと思ったボールを床に飛び込んで拾う迫力など、やはり生でしか味わえない興奮がありますね。
第1・第2セットと続けてフラゴラが連取し、強さを見せるかと思われましたが、相手も外国籍選手など徐々にアジャストしてきて、活躍をみせはじめるなど第3・第4セットと連取を許し最終セットまでもつれ込みます。最後は勢いに乗ってフラゴラがポイントを重ね、フルセットの末勝利を掴みました。

感じたこと

観戦環境

①快適さ
環境は、屋内ですので雨風の心配はありません。比較的古い施設なので、空調設備はあるようには見えませんでした。観戦日はちょうど気候もよかったので特に感じなかったですが、夏場となるともしかすると暑いかもしれません。プロジェクターを使用した演出上、暗幕を閉じていることも影響するかもしれませんね。
また、この演出の都合上ほか照明自体の照度が高くなく、全体的に少し暗いかなと思いました。
椅子は一般的な体育館のもので、固いですが背もたれもありゆっくり見られます。

②エンタメ性
プレーで生じる音や選手のアクションの迫力は現地ならではの体験です。また、前にレブナイズの記事にも書きましたがサッカーと違いとにかく喜ぶポイントは多数あるので初めてでも楽しめる競技だと思います。さすがに1ポイントも取れないということはまずありませんからね。経験者やファンは戦術などを考えますが、私のような一見さんはとりあえずポイントが入れば嬉しいものです。

前に書いたとおり会場の外観としては一般的な体育館ですので「特別感」は感じづらいですね。ただし、しっかり中は試合を開催するエンタメ空間として隔てられ、「試合を観る」環境は整っています。階段を上がっていくと暗転演出と音が近づいてワクワクしました。今後会場が設備面で変わっていけば、よりエンタメにフォーカスした空間になる余白はあるなと思いました。

観戦環境面の課題は日置市伊集院総合体育館の環境面による部分ですので、今後も日置市を中心に活動していくのであれば大きな変化というのは物理的に容易ではないのかなという部分もありますが、この会場でできる工夫は大いに凝らされているなと感じました。

背番号が見えづらい?

写真で見ると・・ですが、肉眼では少し見えづらいなと感じました

感じ方にもよると思うのですが、個人的には肉眼で見ると白基調のユニフォームにゴールドの文字は視認性が低いのではないかなと感じました。
初めての観戦ではやはり背番号を見ながら名前と一致させることが多いので、初観戦の客にとっては選手の背番号は重要な接点かと思います。
チームのスポンサーであるユピテルのキャラクター「霧島 レイ」があしらわれた特徴的なかっこいいユニフォームなので、ここはひと工夫あると嬉しいところです。

客層

お客さんは老若男女満遍なく、という印象で、地域の方も多く来られているのかな?と感じました。
一階席を中心に、ユニフォームデザインのシャツを着用される熱心なファンの方が一部いるほかはウェアや応援グッズを持っている方が多い…というわけではありませんでした。そのためか、上で書いた応援の声も会場全体に響く・・・とまでは至っていない印象。ですが、入口で配布していたハリセン効果もあり、手拍子や得点が入ったときの盛り上がりは非常に大きかったです。

チケット購入が少し分かりづらかった

ホームページのレイアウトの問題でもありますが、試合日程から辿れるだろうかと思い、見に行く試合を選択しましたが日程と「試合情報はしばらくお待ちください」という表示のみで若干困惑してしまいました。
チケットは「お知らせ」(更新情報)からリンクを辿ることができましたが、ここは試合の個別ページにあったほうが分かりやすいのではないかなと感じました。

フラゴラHPの日程ページですが、ここからチケットにたどり着けるとよりわかりやすいかなという印象です。

なお、今Vリーグの公式HPを見ると日程とチケット情報のリンクがあってこちらのほうが分かりやすいなと思いました。

ただし、「チケット」と書かれた箇所をクリックしてもその次のページで自分で試合を選択しないといけないのは面倒に感じます

試合日のSNSなどの発信

実際のところV3リーグの規模というのは華々しいプロリーグではないと思うので、運営や広報に割けるリソースなどを含めて多くは求められないとは思いつつですが…盛り上がりという点も含めて、SNSなどを活用しつつ上手く発信がされていったらより良いなと思いました。前日~当日の発信も、思ったより少なかったように感じます。
また、クラブのHPにもアクセス方法や観戦ガイドのようなものがあれば良いなと思いました(SNSでは当日見かけましたが、HPだけ見たら、例えば土足NGなのもぱっと見は分からないのではないかなと思います)。

バレーでも盛り上がりを!

鹿児島ユナイテッドFC・鹿児島レブナイズ・フラーゴラッド鹿児島と、盛り上がりを見せる鹿児島スポーツ界。
このnoteを書いている途中、南日本新聞から2月29日付けで報道のあったように、島田 桃大監督が退任していたことが分かりました。
このカテゴリーだと運営に割けるリソースは非常に少なく、少ない人数で運営されているであろうことは想像はできます。そのうえで、今後チームとしてどこを目指すのか?という点も、ビジョンの共有がされファンにも伝わると良いのかな…と思いますが、チームの成績は非常に良い中でのこういったニュースでしたので少し心配です。
ここまで記事を通して内容が少しネガティブなことも多めになってしまいましたが、(実際課題はあるにしても)大変な中で少しでもエンターテイメントを充実させようと頑張っておられることとは思います。なので、まずは少しでも多くの方がまず実際に試合を見にいってもらうということが大きいのかなと思います。やっぱり行かないと分からない興奮がありますので、まだ行ったことがないという方は一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

最新情報

記事を書き始めてからだいぶ経ってしまったので、現在時点の新しい情報も書き加えておきます。

先日の試合でレギュラーラウンドが終了。最終戦は1,000人を超える来場者のなかレギュラーラウンド1位で終え、3月24日にファイナルを迎えたフラーゴラッド。長野GaRonsとの決勝で勝利し、見事V3リーグ優勝!冒頭に述べたように、Vリーグは今シーズンで現行のリーグ制が終了し新リーグに移行するため、初参入ながら最後のV3王者となりました。お見事ですね、本当におめでとうございます。
また、それに伴い新リーグのクラブライセンス判定結果がリーグを統括するJVLから発表があり、フラゴラもVリーグライセンス交付を受けたとのことです。なお、施設基準と財務基準については改善要求事項として指摘があったようです。

HPで情報もチェックしてみてください。


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