新しいスネアの購入

 すっかり店の風景を撮るのを忘れてしまったが、先日ドラムステーションリボレ秋葉原で何年かぶりにスネアドラムを購入した。いわゆる小太鼓で、よくドラマーが叩いているパンっとした音のあれだ。8年ぶりの購入となる。

 今回はお世話になっているドラムの先生に同行していただき、たくさんのスネアを試奏させてもらった。ざっと10台以上は試奏させてもらっただろうか。一時間ぐらい中でスネアを見ていて購入するつもりが、結局何時間も店に滞在して、ようやく新しいスネアを購入した。

 こんなに時間をかけて楽器を購入することがなかったので、ようやく購入できた時の達成感も強かった。改めて思ったが、楽器こそ「百聞は一見にしかず」である。打楽器であるスネアはとりわけその傾向は強いと思う。よくスネアの材質として、金属が硬質な音、木材が柔らかい音、という表現をネットの解説で良く目にすることがあるが、実際に聴き比べるとそんな単純な違いは感じられない。あえていえばサスティーン(残響)が長い印象があるのが金属、短いのが木材といったところだろうか。それもしっかりと叩けば違いが見えてくるが、優しく叩いたところではそれすらもよくわからない。

 さらに今回購入予定とした木材スネアの材質の違いとなると、よりちゃんと聞こうとしない限りどれも一緒に聞こえてくる(笑)はっきり言って、スネアはよほど安いものでない限りは、楽器やらない素人はどれも一緒なのだ。僕も、何度もそれぞれのスネアを交互に聴き比べて、ようやく違いがわかってきたところだ。初めてドラムに触れる人は、よほどお金に余裕がない限りは、わざわざ高いお金かけて高級スネアを買う必要はないと思う。

 その上でだが、ちゃんと聞き分けていくと、安いスネアと高級スネアの違いがわかってくるのが嬉しい。高いスネア、とりわけソナーやDWといった海外製の高級ラインのスネアは、余計な倍音が少なく、音がまとまっているのだ。なんとなく安い価格帯のスネアは、高いスネアと聴き比べると音に雑味があるような、ヌケるような響きを感じない。もちろんこの感想は僕の感じたことだ。隣で店員さんが、別のお客さんにDWのスネアの印象について「アメリカらしい図太い音」と表現していたが、僕の印象はそんな感じに聞き取れなかった。むしろ比較的優しい音といったところだろうか。

新しいスネアドラム

 今回僕はTAMAの「WBSS65-TMF」を購入した。さっき話した高級スネアの余計な倍音が少ない「まとまった音」を低価格で感じたのがこのスネアだったのだ。正直見た目はもっと木目がしっかりわかるようなスネア、例えばカノウプスの「MO-1465WH」や同じくTAMAの「LGW1465-MBW」の方が好みと感じているが、より好みな音は上のスネアだったので、迷った末に選んだ。このスネア、ドラムセットとしては定番らしいが、スネア単体となるとあまり売れてない雰囲気がある。良くも悪くも他の人とあまり被らないスネアを持つというのはちょっとうれしい。

 このスネアとも長い付き合いになると思う。丁寧に使い込んでいきたい。


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