同じレンズ2本買うまでの経緯(TAMRON28-200mm)
●画質を求めてGMレンズ
2016年、SONYから超絶性能のレンズが出るというアナウンスがあった。そして超絶性能の証として「GM」というシリーズを打ち出した。
SONYの自信に満ちたアナウンスでボクの期待値は大きくなり、予約までしてそのGMレンズ第一弾「FE 24-70mmF2.8GM」を24万円で手に入れた。
確かに、そのレンズは高画質であった。
しかし普段使いするにはあまりに高価なため、モデル撮影など、ここぞという場面でしか持ち出すことができず、普段の日常撮影で気軽に使えるレンズを欲していた。
●普段使いの便利ズームTAMRON28-200mm
そこで普段使いのための便利ズームレンズとして、2020年に発売されたばかりのTAMRONの28-200mm高倍率ズーム(7倍ズーム)を導入してみた。
これは便利ズームという位置付けで、さすがに7万円台の安価な高倍率ズームに画質は求めないつもりだったのだが、実際に使ってみると意外にも画質は悪くない。
しかも最短撮影距離が近く、近接撮影でもかなり有用。
気が付いてみると、このレンズしか使わなくなってしまっていた。
ポートレート撮影でもここぞというところで投入するはずのGMレンズなのに望遠端が70mmというのも少々足りなく思い、結局はTAMRONのこのレンズを使うのである。
そこで、稼働率の極めて低いGMレンズの存在価値を疑い始め、一度同じ条件で厳密な撮り比べをしてみようと思い実施してみたところ、違いがほとんど感じられないことが判ってしまった。TAMRON28-200mmは便利ズームという位置付けなのに画面周辺部まで見事に解像しているのだ。
それならばもう迷いは無い。まだ高い値がつくうちにGMレンズは売ってしまおう。
●サブとしてFUJINON 18-135mm(APS-C)
その後2023年となり、さすがの便利ズームTAMRON28-200mmもだんだんヤレてきた。ズームリングのゴムが伸びて余った皮がベコベコに浮き上がり、仕方なくハサミで切り詰めた。それからズームリングがユルユルとなり下向きでは自重でテレズームする。もちろん外装はスレキズだらけ。本気撮影からメモ撮影までこのレンズ1本で使っているのだから酷使しすぎたか。
外見上はまだ良いとしても、このままでは画質的やAF動作的に何らかの不具合が出るかも知れない。このままではマズい。
そこで、普段使いからメモ撮影までをAPS-Cのコンパクトサブカメラに担当させようと考えた。
以前はα6000を使っていたが2,000万画素のうえに良いレンズに恵まれず、新たに4,000万画素の「FUJIFILM X-T5」を導入した。レンズは純正の18-135mm(換算27-203mm)を選択。メインのフルサイズTAMRON27-200mmのサブとしてちょうど良い。
ところがこのレンズ、周辺部の解像が悪い。絞れば何とかなるのだが、開放でも解像するTAMRON28-200mmが自分の中ではベンチマークとなっているのでどうしても受け容れられない。やはりTAMRONのレンズのほうが良いか。
●TAMRON18-300mm(APS-C)
FUJINON 18-135mmはすぐに売却し、その金で今度はTAMRON18-300mm(換算27-450mm)を購入。かなりの高倍率ズームだがTAMRONなら画質は良かろう。
ところがこのレンズもFUJINON 18-135mmと同じくらい周辺解像度が悪いではないか。いや、TAMRON28-200mmが異常に良いだけなのだろうとは思うが・・・。
結局、X-T5のAF性能が悪いことも判明し、このTAMRON18-300mm共々すぐに売却してしまった。
●FE24-105mm
代替サブカメラとしてNikonやCanonなど色々物色したものの、それらのカメラに使える良いレンズが見付からず、結局はSONYのフルサイズのほうに戻ってきた。
先日、酷使用途として「α7RII」を買い戻したことについて書いたが、この流れで購入したものだった。
同じマウントのフルサイズカメラをサブとして使うなら、TAMRON28-200mmをレンズ交換しながら使えば良いのだろうが、元々このレンズがヤレてきたことが今回のサブ導入の経緯なので、1つのレンズを2台のカメラで共有するのではなく新たにレンズを追加することとしたい。もちろん同じTAMRON28-200mmを買えば間違いが無いだろうが、同じレンズというのは無駄過ぎないか?
どうせなら違うレンズで使い分けたい。
そこで色々探したが、なかなか同じ用途に使えそうな便利ズームが無い。ワイド側があってもテレ側が足りない、あるいはその逆。
結局行き着いたのがSONY純正のFE24−105mm。テレ側が足りない気がするが、手ブレ補正機能内蔵が特長。何しろ「α7RII」はボディ側手ブレ補正が弱いのだ。これならTAMRON28-200mmと補い合えるので理想的。
入手したその足で、テスト撮影としてTAMRON28-200mmと同条件で撮り比べる。
純粋に光学性能の評価のため、手ブレ補正機能はOFFとし、三脚に据えて実施。今までも同じようにやってきたことだ。今度の結果はどうなるだろう?
実際のテスト撮影では、主要な焦点距離ごとに1絞りずつ絞りながら撮っていったのだが、ここでは100mm域の開放絞りの画像のみを掲載した。
これを見ると結果は明らか。
今まで試してきたレンズと同じような結果で落胆した。
いや、周辺画質が悪くともSONYのFE24−105mmには手ブレ補正機能が付いてるじゃないか。ボディ内手ブレ補正が弱い「7RII」の弱点を補える。
ところが暗所で何度もテストした結果、むしろ「7RII」ボディ内手ブレ補正のほうがまだマシだと判った。
ならば「7RV」に装着して協調手ブレ補正をさせてはどうかとやってみたが、こちらも特に目立った効果は見られず・・・。
●もう1本のTAMRON28-200mm
もはや、このTAMRON28-200mmをもう1本追加購入したほうが幸せになれるという結論しかなくなってしまった。
元に戻ってくるにしても、ずいぶん遠回りしたものだ。
そう思って価格コムから取り扱い店舗を見てみたが、軒並み納期未定状態となっているではないか。
価格コムのクチコミを見ると、「手に入るまで半年も待った」という書き込みもチラホラ。
どういうことだ?
新発売ならまだしも、発売されてもう4年は経つレンズだというのになぜにこんな状況?
まあ1本は所有していることであるし、しょうがないから半年待つか。
そんなわけでカメラのキタムラに注文した。
確かに、納期未定状態で注文となったのだが、なんと3週間経った時点でもう入荷通知が来たではないか。たまたま注文のタイミングが良かった?
さっそく店舗で受け取り、古いほうのレンズと外観を見比べて見たら、新しいほうはマットなツヤ消しなのに古いほうは光沢状態。長い間に磨かれたか。
それから新しいほうは下に向けても自重でテレズームしない。
ボクの気持ちもリフレッシュしそうなほど、新しいレンズというのは良いね。
そして古いほうは、心置きなく酷使できるようになった。
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