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昔の自分に渡したい超広角10mmレンズ

ボクは昔、福岡市の大濠公園で開催された「ふくおか'82大博覧会」に行ったことがある。

<ふくおか'82大博覧会ガイドブックから引用>

そこでは原寸大スペースシャトルオービター模型が目玉だったが、やはり本物の宇宙船のほうが興味があり、アメリカのジェミニ宇宙船を見るために列に並んだ。

ボクは50mmレンズを装着したCanon AE-1を構えてジェミニ宇宙船のコクピットを撮影しようとしたのだが、50mmレンズでは狭いコクピット全体が収まりきれず困惑した。しかし後ろに並んでいる人の列もあることからそのままシャッターを切るしか無かった。
そしてこの時の苦い経験は、ボクが超広角レンズを追い求めるきっかけとなったのである。

<50mmレンズで撮ったジェミニ宇宙船コクピット>

その後、これまでに様々なカメラで様々な超広角レンズを使ってきた。
2、3回は魚眼レンズまで行ったことがあるが、円形の歪みが写真としての汎用性に欠け、常用することが出来なかった。

そういうわけで最終的に行き着いたのが、フォクトレンダーコシナの10mm超広角レンズ。さすがにミラーレスカメラ専用設計だけあって、レトロフォーカスの大きな前玉が無く、非常にコンパクトである。MFレンズだが、それほど支障は無い。

<フォクトレンダーコシナの10mm超広角レンズ>

実は最近、中国メーカーのLAOWAから10mmAFレンズが発売されたようだが、F値が2.8であるためか鏡胴がかなり太い。それよりもコンパクトなこちらのほうがスナップ的には使い勝手が良い。

ボクは超広角レンズを、クリエイティブな描写にしたいために使うのではなく、あくまでも記録写真的に広い世界や狭い世界を1カットに収めるために使う。

それにしても、ふくおか博の時にこのレンズがあったらなあと思ってしまう。そんなことを思いながらシャッターを切ったのが、以下の写真。

いつかまた、ジェミニ宇宙船のコクピットを撮りたいものだ。今度はこの10mm超広角レンズで。



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