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学びを超えろ!~魅力ある総合的な学習の時間~

 私は総合的な学習の時間が大好きです!

 皆さんはどうですか?

 私も初めは「総合ってなにを教えるの?」「教科書もないのにどうやって教えるの?」「体験学習ばかりで大変だな」という印象がありました。

 しかし、「子ども達が主役になる学習とは」を追求した結果、辿り着いた究極の答えが総合的な学習の時間でした。


 皆さんはどんなイメージをもっていますか?

「教科学習の補充の時間」「学級指導の時間」「行事の練習の時間」

そんな印象をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

 しかし、「総合的な学習の時間とはなにか」を理解した瞬間に、年間70時間(小学校の場合)がとても貴重な時間に感じるはずです。

 皆さんも一緒に「ワクワクする授業」始めてみませんか?


目次

1 「教科を超えろ!」~横断的・総合的な学習~

2 「時間を超えろ!」~カリキュラム・マネジメント~

3 「学びを超えろ!」~主体的・対話的で深い学び~


1 「教科を超えろ!」~横断的・総合的な学習~

  総合的な学習の時間(以下、総合)のキーワードの一つが「横断的・総合的な学習」です。

 総合の学習は「未知の課題への挑戦」です。各学校の取り組みを見てみると「ビオトープ復活!」「ログハウスを作ろう!」「観光大使になろう!」「商店街に再び活気を取り戻そう!」など、教科の学習では、考えられないほどダイナミックで大人でさえ答えが分からない課題に挑戦していることが分かります。

 そんな「未知の課題の挑戦」には、各教科等で習得した知識・技能が必須です。また、それらを組み合わせてより高度な知識・技能として活用することが求めらます。

 しかし、この「横断的・総合的な学習」は活用することがゴールではありません。本当のゴールは「発揮・活用した知識・技能を自分の生きる力に変えること」と「学びの必然性を感じること」です。

 教科等で習得した知識・技能はまだ完全とは言えません。実際にその力を別の場面で活用して始めてその子の「生きる力」になります。

 それが、新学習指導要領のキーワードでもある「深い学び」にも繋がります。

 また、未知の課題へ挑戦する過程は成功続きではありません。時には、躓いたり、大失敗したりすることもあります。そんな時に子ども達は「学びの必然性」を感じ、「もっと勉強したい」と学習意欲に火が着くはずです。

 「横断的・総合的な学習」は、各教科等と関連付けるだけではなく、その先にある2つのゴールに向けて行われるものなのです。


2 「時間を超えろ!」~カリキュラム・マネジメント~

 私が総合を好きな最大の理由はこれです!

 総合では学習テーマを各学校ごとに選定していきます。地域によっては、農業や工業、観光業など、その学校によって様々な特徴があるのが総合の魅力の一つです。

 また、総合では時間の設定も「柔軟な変更が可能」となっています。各教科等の学習では、「もっと続きがやりたい!」「あと1時間あれば」という願いは「テストがあるから」「次の単元があるから」などという理由で叶いません。

 しかし、総合では「探究的な学びのプロセス」を大切にしています。一つの学びを「まとめ・振り返り」で終わらせるのではなく、振り返りから前回より高度な発展的な課題を設定し、学びを螺旋状につなぎ、高めていくことが「探究的な学びのプロセス」の最大のポイントです。

 たとえ、今日の1時間分の授業が大失敗で終わったとしても、また1から繰り返し挑戦ができる。それが「時間を超える!」総合の学びなのです。

 時間の余裕が生まれることで改善されるのが「教え込み」です。テストまで7時間と決まっている単元に8時間目はやって来ません。そのため、仮に6時間目まで失敗の連続だとすると、必ず7時間目は教師主導の「教え込み」学習になるでしょう。そして、「テストで出るから覚えておいてね」と言って授業を終えるはずです。

 単純にその時間の余裕が総合には年間70時間(小学校の場合)あります。一部の方は、「70時間もいらないでしょ」「ちょっと教科の時間に分けよう」と思うかもしれません。しかし、70時間あるからこそ総合が魅力的な時間なのです。

 私はその魅力に骨の髄まで憑りつかれてしまったのです。

 新学習指導要領では、「カリキュラム・マネジメント」という言葉もキーワードの一つです。

「なんか横文字で訳わからないな」

 私も最初はそう思いました。

 しかし、総合のカリキュラム・マネジメントとは簡単に言うと「時間を超えろ!」ということです。

 総合の年間指導計画をもう一度見直してみませんか?


3 「学びを超えろ」~主体的・対話的で深い学び~

 新学習指導要領の目玉でもある「主体的・対話的で深い学び」は、子ども達が主役となり、考え、話し合い、学び合う学習を目指しています。

 しかし、日々の実践の中で感じることは、教科の学習では子ども達が活躍できる「枠」が狭いということです。

 勉強も運動も苦手な子はダメな子なのでしょうか?

 いや、その子にも必ず得意なことがあるはずです。

 イラストを描くこと、パソコンを使うこと、DIYすることなど、教科の「枠」には収まり切らないダイヤの原石がその子にもあります。

 そのダイヤの原石を輝かせたい。

 総合は、教師の意図だけではなく、子ども達の「思い」や「願い」を実現する学習です。

 その思いや願いが教科で学ぶ知識や技能を飛び越え、誰も経験したことのない「未知の課題への挑戦」に繋がっていくのです。

 学びを超えた総合の時間は、子ども達の目を眩しいぐらいに輝かせてくれるはずです。


「教科を超える」「時間を超える」「学びを超える」総合的な学習の時間は魅力に溢れています。

 是非、総合的な学習の時間をもっと充実させて、子ども達と真剣に学ぶ時間を楽しんでもらいたいと思います。




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