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日本の教育はコスパがいい!〜残業代ゼロの実態と世界最低水準の公的支出〜Part2後編

「残業代が出ないのなら、残業しなければいい」

正論ですね。

しかし、教員の仕事を知っていただければ、
「残業しなくてはいけない」
理由がご理解いただけると思います。

上のデータは小・中学校の教員の1日を表しています。

もう一度言っておきますが、
教員の勤務時間は8時半から17時までです。

1日の主な業務は「授業」です。
最大で6時間の授業を午前と午後に分けて行います。
6時間目が終わり子ども達が下校すると、
もうすでに15時です。

そこから教室の整理整頓や点検、清掃などを行うと職員室に帰ってくるのが15時半過ぎ。

職員室に帰ってくると他クラスの担任教員と情報の共有や打ち合わせを行います。
短くても30分程度、行事などが控えている場合は1時間以上かかる場合もあります。

仮に30分間だったとして、終わるのが16時、、、


さあ、もう定時まで1時間しかありません!


そして学校には「分掌」といって、各教科で学校のリーダーとなる主任という役割があります。

各学年の授業進度を管理したり、新たな授業の研究をしたり、研修会などの出張に出ることもあります。
ましてや体育主任は運動会、音楽主任は音楽会。特別活動の主任はクラブ活動や委員会活動など、主任によってはとてもハードな仕事になります。

分掌の仕事は期限が設けてられてるため、自分の仕事よりも優先しなくてはいけない場合がほとんどです。

さて、16時から分掌の仕事を1時間行いました。

ふと時計を見ると、もう17時です。

「よし帰ろう!」


とは、なりません。

明日も6時間の授業が待っています。
授業の流れの確認や必要な教具の作成や点検、小テストの丸つけやノートのチェック。学習が困難な子の個別の支援計画やトラブルの対応、、、挙げればきりがないほどの仕事が山積みです。

また、17時以降も学校は電話が繋がります。
放課後起きたトラブルの相談や地域からの情報提供など様々な電話が勤務時間外にもかかってきます。


更には個別に面談があった場合、仕事が忙しく17時まで保護者が来校できないとなると、18時や19時まで来校を待つこともあります。


そうして自分の仕事を終えてやっと退勤出来る状態になるのが、18時や19時。
遅い時は20時や21時になってしまうわけです。


今回の一連の例え話では、17時以降は自分の仕事しかしていません。

「自分の仕事なんだから自主的に残って当然」

と思われるかもしれませんが、

もう1度この文章の前半を読み返していただければ分かるように、

17時までの勤務時間内に一切自分の仕事ができていないのです。(これは大袈裟に言っているわけではありません。)


「本当は帰りたい、、、でも、準備をしなければ明日授業ができない。じゃあ、残るしかない、、、」

という、強制的に勤務時間外労働をさせられてるわけです。


そんな現状が教育現場では長らく続いています。
もちろん今この瞬間も残業している教員がいます。

しつこいようですがもう1度言います、、、


残業代はゼロです。

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