現代社会はなぜ台風のリスクマネジメントができないのか

現代社会において、リスクマネジメントは最も重要な能力のうちの一つであるといっていい。
私がなぜこの英字新聞の一行目のような中身のない書き出しをしたかというと、今私は猛烈に怒っているからである。

台風ごときに予定を乱されなければならない事実と、令和になっても台風1つ自由にコントロールできない現代社会の無能さに、だ。

次の三連休、大型台風が日本列島に直撃する。
何が悲しくてこの秋の行楽シーズンに、天災に怯えて休日を無為にしなければならないのか。私は非常に遺憾である。
まぁ、来てしまうものは仕方がないのだが。せめてもの抵抗として、台風に邪魔されない明るい未来を想像するくらい許してほしい。

なのでここでは、どうすれば現代が「休日を台風に潰される悲劇」を回避できる社会になるのか、大真面目に考えてみようと思う。

まず対策として、休日を増やすのはどうだろう。休みを潰されるのが悲劇なのは、休みがそこしか無いからである。もっと休日がたくさんあれば、たかが連休1つ潰されたところで痛くも痒くもない。むしろ秋は台風の多い季節なのだから、いくつかダメになってもいいように予備の休みを用意しておくことが、この令和の世における大人の余裕というものだろう。台風に備えて防災グッズと、ついでに予備の休日も用意する。なかなか小粋な社会に見えてこないだろうか?

そもそも、現代社会はもう少し台風に強くなるべきだと思うのだ。いや、もちろん最近の台風、天災が今まで体験したことのないレベルのものだということはわかっている。しかし、デジタルテクノロジーでなんでもどうにかしてしまうようになった世の中で、未だに台風が未曾有の災害扱いというのは、いささか情けない話ではなかろうか。
今度の台風は19号。日本において台風はだいたい年に25個くらいは観測され、そのうちの何割かに上陸される。いわば「予定されたイベント」である。これを仕事に置き換えてみるとどうだろうか。社会人たるもの、予定されたイベントは事前に予測をつけて業務を調整するのがスマートだ。長期間観測してナレッジも相当貯まっているだろうから、対応をマニュアル化して広めることでさらに安定したスケジューリングが可能になる。会社では当たり前にやっていることを、どうにか台風相手にも行っていただきたい。そして台風が「予測可能回避不可能の天災」から、「忘年会の罰ゲームくらいのどうでもいい不幸」に成り下がる未来を楽しみにしている。

これらが実現しないうちは、秋の行楽シーズンに必須のものとして「博打精神」を入れておかないと、大人の余裕などとてもじゃないが持てそうもない。

果たして私はこのやるせない怒りを乗り越えて、週末の身の振り方を考え直すことができるのだろうか。

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