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リンゴ2024年2月号-1

2/1未明
「いいわけ」
毎日寝るのが遅い。

本当は主人みたいに9時前には寝て6時に起きたい。しかし、ジムに行ったり本を読んだりしているうちに時計の針は進んでしまうのである。現に今もう日付を超えている。早く寝なければ…と思うもののまだひと仕事残っている。

それは履歴書の作成である。いや文面の作成自体は済んでいる、それを履歴書に書き写す作業が残っているのだ。書き損じのないようにペンで丁寧に書いていく。書きながら「まさかこの年齢になって履歴書を書くことになろうとは」「早く履歴書というものが全てデータファイルに移行してくれればいいのに」などと邪念を抱きながら清書を進める。




2/1
「常夜鍋(じょうやなべ)」
今日は晩ご飯に常夜鍋を食べました。

常夜鍋は主人に教えてもらった料理で豚肉(300g)とほうれん草(2把)を昆布だし(500cc)で煮る鍋料理です。大量の大根おろし(大根1本分)とだし醤油で食べます。初めて食べたとき本当に美味しくて驚いたのですが、「常夜鍋」の由来が「常夜(毎夜)食べても飽きない鍋」だと知り、言い得て妙だなと思ったのを覚えています。

冬の野菜は大根もほうれん草も甘くて美味しいです、その甘さを活かしつつたくさん食べられるので、ほうれん草が安いときはよく作ります。

今日の常夜鍋は厚揚げとしめじ入りです。ここにお餅を入れるとボリュームアップしてお腹いっぱいになります。




2/3
「チーズ?」
実家からもらって帰ってきたチーズを食べている。

もらったのはゴーダチーズとコルビージャックでどちらも私の好物だ。けれどもなんだか味がいつもと違う気がする…香りもいつもより強く感じるし、歯触りもなんかいつもより硬い部分が多いような…?よく見るとチーズに白い斑点がついている。最初は模様かと思ったが、明らかに元のチーズより盛り上がりがある。

あっ…これって…もしかして…食べちゃいけないものが発生している?そう気づいた途端それはもう食べ物と認識できなくなり、一気に食欲が減退するのを感じた。一瞬でこんなに食べ物を食べ物と認識出来なくなる瞬間ってあるんだ…と思ってちょっとテンションが上がったのでプラマイゼロだね。チーズは捨てます。





2/3
「ルパン三世語り」
私はルパン三世が大好きである。

おこめたべおさんの連載を見て、ルパン欲が刺激されてしまった。なので今回はデッサンは諦めて、私が思うルパンの話をしたい。(これらは私の勝手な妄想なので、公式とは全くありません!)


ルパン三世の魅力、それはなんといっても「非日常という狂気に魅せられた人々」である。普段バラバラに暮らしているルパン一味が盗みのときにどうしてチームを組むのか、皆さんは考えたことはあるだろうか?


ルパンの仲間はガンマンとか孤高の剣士とか謎の美女とか、どうやって収入を得ているのかもわからない、我々には想像もつかない非日常なポジションで暮らしている。

そうやって生きていると、さぞ退屈とは無縁の生活だろうと思うのだが、実は彼らは「己の非日常に退屈しきっている」。
そう、ルパンの危険な誘いに「面白そう」の一言で乗ってしまうほどに人生に飽き飽きしているのである。

そして、ルパン自身も例外ではない、
彼も彼自身の人生に飽きているのである。

ほぼ毎回ルパンが盗むお宝を決めているが、盗んだ後にお宝の管理を行なっている様子は全くないことから、ルパンは単にスリルのために盗みを働いていると思われる。

彼が重要視するのは「お宝」という結果よりも、「盗み」の過程である。そこには峰不二子を始めとする美女とのやり取りがあり、カリオストロ城の秘密があり、偽ルパンによるラムダ襲撃があり、ヒトログによる絶体絶命のピンチがある。

恐らくルパンが盗みを繰り返す理由は彼がそういった非日常にその身を浸していたいから、だと私は考える。そうあり続けることが彼が考える彼自身だし、また彼の仲間やも彼がそうあることを期待している。

ピンチを切り抜けられるだけの軽薄な明るさと捉えどころのない芯を兼ね備えたルパンだからこそ生きられる人生であり、それを見て、私は己の日常を顧みる瞬間を得るのである。





2/4
「チープカシオ」
いつも会社にはチープカシオをつけていっている。

チープカシオとはカシオというメーカーから出ている腕時計のことである。大体1000〜3000円くらいの安価な品だが、「電池が切れるよりも先にベルトが切れる」くらい電池持ちがよいため、個人的には「いつでも確実に時刻を知る事ができる」ところを評価して、毎日つけている。

そういえば私の祖父がつけていたのもチープカシオだった。彼はカメラを販売する仕事をしていたが、いわゆる営業の人がつけるような高級腕時計よりもチープカシオの方を好んでつけていた。一度祖父の部屋の物入れをこっそり見たことがあるが、常に新しいチープカシオのストックがあったことを思い出す。

そう、もしベルトが切れても、全く同じデザインのものを常備できる、というのもチープカシオの良さであった。そんな訳で現在、私の家の引き出しにもチープカシオのストックがあるのである。





2/7
「事後報告」
よく分からない文章をほぼ毎日書いていた。

私の中では適当なありあわせで料理を作るのと同じ感覚で文章を書いていた。そこそこのボリュームのある文章はTwitter(X)につぶやくのとはひと味違う達成感を味わえる。

しかし、2月5日〜7日まで札幌に旅行に行くので、じゃあ一旦こちらはおやすみ、と自発的に休養を取ってみたのである。

札幌の旅行自体は盛りだくさんの内容で大変に楽しめたのであるが、ここにプラスいつも通りの文章を書いていたら、おそらく今回よりも上手く振る舞えなかったかもしれない。だからおやすみを取ってよかったと思います。





2/8
「午前様」
札幌帰りの足でそのままお店に行って飲んでいると、終電がなくなってしまった。

仕方がないので、本当にやむを得ない手段ではあるが、タクシーで帰ることにした。翌日も朝から会社があるので睡眠時間は絶対欲しい。

繁華街から家までタクシーを使うのも、深夜のタクシーに乗るのも、全く初めてだったのだが緊張しなかった、ものすごく酔っていたからかもしれない。

目的地を伝えて、少し寝ててもいいですか、と運転手さんに訊くと、はい、近くに来たら声をかけますね、と言ってくれた。深夜のタクシーは走行音以外はなにも聞こえなくて、無音より静かに感じる。

時折目を覚ましてお水を飲み、走行音を聞く、するとまた眠りに落ちる。それを繰り返していると、やがて家に着いた。





2/10
「データ入力で大事なこと」
今日は会社で前のチームのお手伝いに行った。

前のチームの仕事はとにかく大量のデータを入力する作業で、テンキーを素早く操作するのが速く処理するコツだった。どんどんデータを入力していく。人とはほとんど話さない、必要ないから。

データを入力する時に一番大事なのはズバリ座る姿勢である。適当に座ってしまうとまず身体を痛める。今回は久々なのでその事をすっかり忘れていた。

あぁ、ここの職場で仕事できなかったのって、私の人付き合いの仕方が間違っていただけだと思っていたけど。そうか、私が思ってたよりいろんな要素が絡み合っていたのかもしれない。人と話すこと、身体の固定の仕方。今になってわかることがあるってなんかいいね。





2/11「会話」
「明日は一人で難波に出かけてくるよ」

先日、午前様をやらかした私は一人で出かける時に場所を報告するようにしている。横にいる人が心配するからだ。

「いいけど、何しに行くの?お買い物?」
「いや…イベントバーのイベントにいく」
「何のイベント?」

現在の場所は発車直前の電車の中。
ドアが閉まって発車するまで、大変静かだ。
ここで
「死について語るイベントです」とは答えづらい。
発車まで横にいる人の目を見つめたり、目を見開いたりすることで、時間を潰した。

やがて定刻通りに電車が出る。
電車の走行音のおかげで周囲の人に聞かれる心配が減る。
イベント名を伝えると、
「まいまいめっちゃ好きそうなイベントwww」とそこそこウケた。
よかった、今回はちゃんと予定時刻通りに帰ろう。




2/12
「日記-死について語るバー-」
今日は「死について語るバー」に行った。

不思議なもので、「死」というのは万人に必ず訪れるありふれた現象であるのに、大っぴらに語られることがあまりに少ない気がする。例えば宗教施設などでの説教テーマとして扱われることはあっても、日常会話で「今日天気いいですねー」みたいな感覚で語られることは、ほとんどない。

今回のイベントで、参加者さんたちの死生観やそれにまつわるお話を聞いていると、自分にはない発想がたくさんあって大変刺激的だった。

特に①そもそも雑談感覚で「死」が扱われたこと、②その対比として却って「生」への詳しい言及が発生したこと、③そして「話題にはしないけど、みんな結構「死」や「生」に対する考え方ってちゃんと持ってたりするもんなんだなー」という気づき、という3点で「非日常」が垣間見られたのが、個人的にかなりよかった。





2/13
「熱唱」
ウチの家は私も主人もよく歌を歌う方だと思う。

とにかくいろんな歌を歌う。
今日晩ご飯の後に歯を磨いていたら、主人が寄ってきて、沢田研二の「ダーリング」をツイストダンスしながら熱唱していた。それ、間奏の部分だけやろ。私は歯を磨いている最中だったので、特にリアクションはしなかったが、歌い終えた主人は満足そうに去っていった。こないだ沢田研二の年始特番を二人で見たせいか、最近は沢田研二が熱い。

などという私も「ギャグマンガ日和」のOPをししゃもを焼きながら熱唱したりする。主人は「よう覚えてるね」などと言うが、やはりお互い中学生〜高校生くらいに聴いた曲というものはなかなか忘れないものである。

気がつくとさっきも、殿さまキングスの「女の操」を二人で歌っていた、イントロ部分も歌った。

ちゃーんちゃーんちゃちゃーー
ちゃららんちゃららんちゃんちゃんちゃんちゃん





2/14
「ジムのシャワー」
ジムでシャワーを使うとなぜか「ボォー」という音がする。

多分シャワーのお湯を出すボタンの調子が悪く、ボタンのどこかと水圧がぶつかる関係かなにかで、そんな音がするのだと思う。

「へんなの」と思いながらも、機能としては問題ないので、気にせずに使っていたら、女性の集団がシャワー室に来た。

女性たちはシャワー室に鳴り響く「ボォー」という音を聞いて、「あっ、ほら貝」と言った。「今日は多重奏じゃないね」「もっと鳴ってる時あるもんね」そうなのだ、ほら貝の音のするシャワーはいくつもある。

彼女たちの話し声は明るく、シャワーの不備を責めるような感じは全くなかった。あくまでひとつの事象として楽しんでいる感じ。それがよかった。






2/15
「万象」
地元の青年会議所のビラをもらった。

何かの寄り合いのお知らせのビラである、そこには締めの文章として「万象お繰り合わせのうえ、ご出席賜りますようお願い申し上げます。」とある。

「万象お繰り合わせ」とはなんですか?
初めて見る表現だったので、主人に訊ねた。

「予定をキャンセルしてでも来てね、という意味だよ」
なんと、随分重い表現だな。今回の寄り合いは18:30〜21:00まであるので、晩ご飯とかどうするのだろうか?お繰り合わせのうえ、晩ご飯抜きで来るんだろうか?21時まで食べられないとはお腹減るだろうな、大変そうだ。


次 「2024年2月号-2」

https://note.com/calm_whale779/n/n1a40a383a6fd

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