断捨離の矛盾と、断捨離をやめた経緯

先日断捨離について投稿したばかりの莢子です。

まず最初に、私はアンチミニマリストではありませんし、断捨離のすばらしさの恩恵にあずかった経験があります。

なので、これは断捨離やミニマリストなんてクソだ!
という意図の記事ではないことにご留意ください。

断捨離に感じている矛盾だったり、断捨離をやめた経緯についてまとまらない考えを文章にしています。

断捨離をしました

約5年前、私は大規模な断捨離祭りを実行し、満足感を得ていました。

当時は一人暮らしをする独身で、コロナが流行る1年前くらいです。転職したり引っ越ししたりと身の回りに変化が多く、これからどう生きていこうか?自分というものが手探りだったと思います。

服を減らしたことで選ぶストレスから解放されましたし、使途不明なコード類を前に悩むことも減りました。

無駄が確実に減り、満足感を得ました。

それから数年間、私は「無駄なものを買うとまた断捨離しなくてはいけなくなるので、必要最低限しか買わない」というライフスタイルになっていました。

断捨離本に感じた違和感

断捨離を終えて数か月後、何かを捨てたくてうずうずしている自分に気付きました。

「断捨離がまだ不完全なのではないか?」という疑念も生まれてきました。

そして私は「物は捨てる(捨て続ける)べき」という思考にとらわれていることに気付きました。

そこで私は、他の断捨離本や整理本を読めるだけ読んでみたのです。(当時amazon unlimited会員だったのでたくさんその手の本がありました)

すると、読んでいて「これは、悩みの解決ではなく、論破しているだけなのでは?」と感じることがいくつかの本でありました。

モノと向き合うこと≠心と向き合うこと

「元恋人からもらったプレゼントが捨てられません」
例えばこの悩みに対して、断捨離本では
「物質そのものの役割は終えているので、データに残して捨てましょう」
「元恋人への未練があるのはそのプレゼントのせいでは?捨てましょう」
「そのプレゼントを捨てれば、新しい出会いが生まれますよ」
などと解決法が書かれているのですが、これは解決になっているのでしょうか。

悩みの解決と論破は似て非なるものだと思っています。

なぜ元恋人からもらったプレゼントが捨てられないのか?
捨てられないのはそのプレゼントだけなのか?
それがあると思い起こされる記憶はどんなものなのか?
あなたは、その元恋人とどうなりたいのか?
そういった人間的対話をすべて捨ててしまっているように感じました。

もちろん、部屋をスッキリさせるのが「断捨離」なので、あの手この手で説き伏せて捨てさせるのはゴールへの一番の近道ではあります。

だけど、そう説き伏せてプレゼントを捨てた後に本当に自分の心と向き合えているんだろうか?という疑問が残りました。

無駄って何だろう

ある年、今の夫と同棲し始めました。
彼は無駄なものをたくさん持っていました。

服は私の倍は持っていたし、スポーツ選手のフィギュアやポスター、海外旅行先で集めたマグカップや思い出の人形、飲み予定のないミニボトルの酒など、普通に考えたら無駄なものをたくさん持ってマンションに越してきたのです。

しかし現在、私たちの生活を彩っているのはそんな無駄なモノたちです。私はそれを見ると、彼らしいなぁとほっこりするので無駄ではないのかもしれません。

彼は普段それらの物品をまるで忘れて過ごしています。これは断捨離の理論からすると「たいして大切ではないもの」なので捨てるべきですよね。しかし、彼に私が定期的にそれらを見せることで「ああ、そういえばこれを買ったときにメキシコで…」と彼の若かりし日の冒険譚が語られるのです。

スティーブジョブズのようには生きられない

私は、ウィンドウショッピングは大好きでしたが、断捨離の影響で無駄なものを買っても捨てるだけなのでもう買いたくないという気持ちから、衝動買いをしないようになるべくショッピングから遠ざかっていました。

たしかに、ここ数年は断捨離の影響で服が減り、手持ちの中から服を選ぶので着る服はきまりやすくなったし、自然と手持ち服の色や形はある程度きまっていたのですが、ここ数年の写真を見返すと、なんと味気ないことかと気づきました。

結局私の場合は断捨離後、少ない手持ち服で数年過ごせていたのもコロナによる外出機会の減少というものが手伝っていただけなのですね。

スティーブジョブズはいつも同じ服を何着も持っていて同じスタイルだったそうですが、私はそうはいかないと気付きました。
冬の思い出がいつ見返しても黒いハイネックセーターを着ているなんて嫌でした。

夫とオシャレして出かけたい日あるし、友人とお酒を飲む服、子どもと公園に行く服、いろいろな服が必要だったし、そういう服に彩られる日々もあるんじゃないかと思うのです。
何より夫と一緒にウィンドウショッピングをするのが何と楽しいことか。

まとめ

私の場合は、
・1人暮らしをやめたこと
・コロナの終息
という理由から断捨離やミニマリストを目指すのが難しくなりました。

断捨離といえばこんまりさんですが、彼女も子どもができてからは断捨離をあきらめたというエピソードも有名です。

結局その人がその人らしく生活するために必要な物の量というものは人それぞれだし、時期によっても様々なのだろうと思います。

「断捨離しなくては」という「~べき」思考を捨てられてよかったです。


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