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どうやって、わがままな子が育ってきたのか

「子どもってわがかまで、言うこと聞かないよね」

先日、下の娘が帰省した。娘は保育園で栄養士として働いている。園児とは給食のときだけ接し、子どもたちがかわいいと思える瞬間がたくさんあるそう。
「先生、おかわりしていいの?」と、幼い顔をクシュっとして何回も念を押す子は、ギュッと抱きしめたくなるとか。

ところが、子どもと接するのが大好きな娘でも、なかには手に余る子もいるようだ。
「今の子たちは、甘やかされているから、先生の言うことをなかなか聞かない」と愚痴を言っていた。
……あなたが、そう言うか。

下の娘が一人暮らしをしはじめたときは、寂しくて心にぽっかりと穴が開いたようだった。そんな気持ちをずっと引きずったまま1年が過ぎ、最近は自分のことに集中して寂しさが薄らいでいる。
こんなに娘を思う私だが、実は、手を焼いた時期があるのだ。

上の娘が産まれたときは、かわいくて、でもしっかり育てたい気持ちがあって、何かと厳しくしてしまった。甘いものを食べさせたくない、〇〇は危ないところなんじゃないか。こういう気持ちでいたので、いろいろと制限をかけていたと思う。そのせいかもしれないが、上の娘は親の言うことを聞く「いい子」になってしまったかも。自分のやりたいことを、随分とがまんさせてしまったのではないかと、反省することしきりだ。

その一方で、2人目は完璧主義から抜けだして育てた。やりたいことをやらせても、危険はあまりないと上の子で学んだせいかもしれない。
さらに、元々の子どもの性質もあったせいかも。下の娘のわがままぶりには頭を抱えてしまっていた。
頑固で、1度言ったら引かない。
誰に似たんだか。両親2人とも頑固だが、家族の中で1番頑固。

保育園で先生に「〇〇ちゃんは家に帰ってから、△△やらせてますか? お母さん」と聞かれると、やらせてないことばかり。
たとえば、保育園から帰ったら、自分の汚れものを洗濯かごに入れさせる、保育園で使ったコップを台所に出させる、など。
どれ一つ、満足にやらせていない。娘は保育園から帰ってきたら、「お腹すいた~」と言う。私が「〇〇やってからね」と言っても、絶対に後には引かない。困った私は、無理強いせずに、まずは何か食べさせることを先にした。

そんな娘が小学生になり、「山村留学」という取り組みがあることを知る。知人の子が参加して、とても良かったらしい。私は、これしかない、親子バトルにはもう疲れた、少し家から離れてほしい、と強く願う。
娘に「山村留学ってあるんだって。A子ちゃんも、すごく楽しかったそうだよ。行ってみない?」
娘「行きたくない」。
とにかく、親の言うことに逆らいたい娘は、すぐ却下。
がっかりしたことは言うまでもない。

あれから、お風呂のシャワー水浸し事件とか、いろいろなバトルや葛藤があり、今がある。どのように乗り越えていったのか、無我夢中すぎて忘れてしまった。

そんな娘にも、子どもへの接し方に悩むときが来るとは。
子どものやりたい気持ちにどこまで答えれば良いかって迷うよね。私も明確な答えは持っていない。その子、その子によって個性が違うから。絶対的な答えはない。探り探りやっていくしかない。
でも、根気強く愛情を持って接していけば、何とかなるのではないのかな。

子どもへの接し方について親子で話し合うなんてね。すっかり大人になった娘を、頼もしく見つめた。

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