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叫んでしまう心には何がある?

「どろぼう!」
喉の奥から声を振り出す。
うす暗闇の中、北村一輝によく似た男が雨戸を開け、窓から手を入れてギョロッとした目つきで不気味に笑っていた。それに驚いて思わず叫んだのだ。

またやってしまった。
自分の叫び声で起きるのは、何度めのことだろう。先日も「どろぼう」と叫んでいたような……。

私は、ストレスがかかると夜中に寝ぼけて叫ぶことがある。寝言というほど、ぼそっとしたものではない。叫び声。

私は言いたいことが言えなくて、飲み込んでしまうこともしばしば。自分ががまんすればよいのだと思い込んでしまう。スッキリ忘れられればよいのだが、モヤモヤした気持ちは心の中に溜まっていく。そのうち溜まったものが叫び声になってしまうのだろう。
「ばかやろう」と叫んで、自分の声にびっくりして起きたことも。

このごろのストレスとは何だろう。
フリーランスになって、会社のように嫌な上司がいるわけでもない。
最近は体力をつけようとズンバ教室に通っている。まだ2回ほどだが、自分のリズム感のなさに絶望していること?
そんな軽いことがストレス?

このごろ新規案件に応募しようか迷っている。それかな。
インプットばかりでアウトプット、つまり仕事が少ないな、と思って。
このままの原状ではいけない焦りが出ている。

☆☆☆
大雨の朝、通勤する娘を駅まで送ることに。
雨の日にもかかわらず、ひらひらしたワンピースを着ているので、「高原に行く少女みたいだね」と言ってみた。
「そうかな? ○○さんとバトルした次の日は、思いっきりかわいい格好して、気分を盛り上げているんだ。それに、毎日会社行くのつらいし、雨の日は余計滅入るので、気持ちを明るくしたいから」

まるで、「メンタル強め美女白川さん」みたいじゃない。白川さんは常にポジティブで前向きな美女。会社でいやなことがあっても、「私は私」を貫く。

「私は私」とは難しいな。白川さんならこんなとき、どうするだろう。
ストレスがある原状の自分を受け入れて、リラックスタイムで頭を切り替えるだろうか。
アロマの香りを部屋に充満させて、好きな映画や本の世界にどっぷり浸る日を設けようかな。
常に「○○すべき」や、劣等感にとらわれがちな私を、解放する日があってもよい。その反対に「甘いんだよ、営業しなさいよ」と言っている自分が顔を出す。

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