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スルースキルを身につけるには 汁が足りないと文句を言う人が気になる
先日、ある人と外食をした。
その人が頼んだのはスープカレー。
一口食べるなり、「(スープカレーなのに)汁少なくない、これ?」と私に見せる。
まぁ、ちょっとは。
味は、彩りがきれいでおいしそうに見える。
そのあとも「汁が少ない」を10回ぐらい言い続ける。それも店員さんや他のお客さんがそばにいるかもしれない店内で。
私はスルースキルが足りない。相手の言っていることを全部まともに受け止めて、こちらまで不快な気分になってきた。
「うるしゃい。じゃあ、食べなきゃいいじゃん。あなたは外観重視でお店を選んだんじゃなかったの? 味の不満を言わないところを見ると、おいしいんだよね。汁は確かに少ないかもしれないけど、どうでもいいじゃない。この素晴らしいロケーションに目を向けなさいよ」と心の中でつぶやく。
私が食べていた料理はおいしくて、盛り付け方も素敵。おまけに外の景色もすばらしくて目で堪能していたところ。幸せな気分にどっぷり浸っている最中なのだ。
しかし、私の料理にも横から「写真より、○○が少なくない?」と聞いてくる。
また私は心の中で「うるさいなぁ。私が満足しているんだから、それでいいじゃない?」とつぶやく。
せっかく自分が幸福感に浸っていたのがぶち壊し。
あぁ、いやだ。こういう人にはなりたくない。
同じ料理を食べても、同じ景色を見たとしても、何かしら不満のタネを見つけてくるのだろう。
たとえ、そう思ったとしてもよい。
でも、それを言葉に出して言うことはどうだろう。
周りの人が不快にならないか、よく考えよう。
ときには、声を出したほうがよいこともあるだろう。でも「汁が少ないこと」は、そんなに声を大にして言うことなんだろうか。
ある日の携帯電話ショップでの出来事も思い出す。
順番がなかなか来ないことに腹を立てたのか、おじさんが店員に対して怒りをぶちまかしたことがあった。
その場にいた私はいたたまれなくなって、さっさと店をあとにした。
なんで、自分の順番ばかり気にするのだろう。こんなに混んでいるのが見えないのだろうか。
昔の職場での出来事。
取引先のメーカーさんに、社長がネチネチと文句を言う。
聞いているこちらまで、いたたまれなくなってしまう。
日ごろお世話になっている人に、そこまで言うほどのこと? と疑問がわいた。
あるレストランでのこと。
店主が従業員に何かしら怒っていた。
聞いている私が辛くなった。
いくら味がおいしくても、二度とこのお店に来たくないと思った。
これが自分に向けられたとしたら、ダメージはもっと大きい。
私の心が狭いのだろうか。
何かしら不平不満を発した相手のマイナスオーラが私に侵入してきて、心を暗くする。私は私、と思えない。
スルースキルが低いせいで、いろいろなことを切り分けて考えられない。
しかし、スルースキルが低いとは、ものごとに敏感であること、共感力が高いともいえ、良い面もある。
病院の待合室でのおじいさんと息子さん(?)との会話。穏やかで、相手を思いやる一言ひとことに耳を傾けていたら、こちらの気持ちまで和んできた。
ある日の女の子。
すれ違うときに「こんにちは」と声かけしてくれただけで、その日1日心がとっても明るい気持ちで過ごせた。
年齢を経て、きっと鈍感な部分、厚かましい部分もあるとは思うが、共感力のほうをもっと伸ばして、1日をご機嫌に過ごしていきたい。
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