人の能力は、人との関係性で輝くもの
このフレーズは『観察力の鍛え方』(著:佐渡島庸平)に書いてあるもの。この文章を読んだときに、心が救われた。
人は完璧ではないことは、頭では分かっていても、つい自己嫌悪に陥ってしまいがちなのである。自分には足りないものが沢山あるから、もっと能力を上げなければ、とか。
しかし、その人が持っている性質というか、特徴というのは、そうそう変わるものではないだろう。
その人が持っている長所は、相手との関係性によって良くもなれば、悪くもなる。
恋愛や夫婦関係に置き換えてみる。
完璧そうな人がいたとして、その人が誰とでもうまく付き合えるとは思えない。
やはり2人の関係をどうやって保っていくのか。お互いの足りないものを、補い合って続いていくものだろう。
☆☆☆
私は早く判断するのが苦手である。
人と会話していて、即答を求められると困ってしまう。
何人かの会話だと、次から次へと話題が移ってしまうことがある。
私はその速度についていけずに、あとから前の話題を掘り返すので、「○○さんて、ぼーっとしているよね」と言われがちである。
しかし、その間何も考えてないわけではない。
頭の中が忙しいのだ。それが高速に回らないのが辛い。
聞かれた問いについて考えている。
こんな感じで、だいぶ時間が経ってから自分の意見を言う。
周りからは、「本当にトンチンカンなこと言ってるな、テンポ悪いんだよ」と受け止められているに違いない。
こんなスローテンポの私はコンプレックスの塊である。
頭の回転が速くて、その場で求められたら自分の意見をスパッと言える人がうらやましい。
しかし、このじっくり考えるという特性をどこかで活かせないか。
私が考えるに、スローテンポの私は、スローテンポに考える人の気持ちが分かる。じっくり考えて答えを出す人の気持ち。
効率ばかり求められると、無駄なことは考えるな、無駄なことはやるな、となりがちである。
しかし、無駄って何だろう。
私にはその無駄と無駄じゃないものとの線引きが難しい。
白と黒の間はずっとグラデーションが続く。
私はグラデーションを大切にしたい。
白と黒との間、その間をじっくりとたどるのだ。
このグラデーションを大切にする感覚、ゆっくりとかみしめる性格。
この性格を活かせる場所を、いつも探している気がする。
人と人が関係性の中で輝くのなら。
きっと輝く場所があるはず。