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その地域でずっと生きていくとは

今日は団地のお祭りのお手伝いをしにいった。
ある団体として、テントを張り、玉こんにゃくや焼き鳥を売ることに。
自分の子どもは成人しているので、このところお祭りには参加しなくなってしまった。実に久しぶり。

焼き鳥コーナーで、社会人のOさんが、結婚したばかりの奥さんと焼き鳥を焼いていた。
その横では大学生のT君もお手伝い。
いくら夕方とはいえ、この猛暑の夏。炭火で鶏肉を焼くのは過酷な作業である。Oさんはビールを飲みながら、奥さんと談笑しながら焼いている。
T君も、それにならって焼き鳥を焦がさないように、串を返しながら両面によく火を通す。

それを遠くから見つめるT君のお母さん。「前までだったら、文句をブーブー言っていたに違いないよ。今日は、お兄さんの横でやれるのが嬉しいんだろうな」と言う。T君は、ニュージーランド留学から帰ってきたばかり。すっかり大人びた顔つきである。手にはビールも手にしている。

あのT君が! T君を子どもの頃から知っている。やんちゃなわりに甘えん坊。親と離ればなれのキャンプのとき、さみしくて夜に泣いていた噂を聞いたことがある。

社会人の男性の横で黙々と作業をするT君。親が何か押しつけるよりも、よっぽど何かを感じとっているはず。

その横では、久しぶりに会うSちゃん。Sちゃんは、就活で失敗し悩んでいた時期があったはず。ちょっと声をかけてみる。
私「Sちゃん、元気だった?」
Sちゃん「元気ですよ! 最悪なときは脱しました。えへっ」
元気な笑顔が見られて、私もホッとした。

その横で、日焼けしてすらっとした男の子が立っている。
少し前まで小学生だったY君だ。いつの間にこんなに背が伸びたの!
私「Y君、何年生になったの?」
Y君「中学3年生です」
私「3年生? もう高校生ぐらいになったのかと思った。すごく大きくなったね。そう言えば、今年フィリピン行くの?」
Y君「はい、コロナ禍で行けなかったので、久しぶりなんです。すごい楽しみ」
Y君は、お母さんと一緒に毎年フィリピンを訪れている。小学生の頃の記憶が強い。

こんなふうに、久しぶりに会う子たちがどんどん成長しているのを目の当たりにして、驚いてしまった。
みんなの小さい頃を知っているので、余計に変化を実感する。

この場にわが子はいなかったけれど、今まで多くの大人にこのように声をかけられていたのだろうな。自分の子だけでなく、他の子の成長も喜べる場。
私もよく、「〇〇ちゃん、大きくなったね。こんなこと言ってたよ」と報告を受けることがある。

新しい場所を開拓するのもよいけれど、私には大事にしたい場がここにある。私の子も大切にしてもらった場である。私も他の子の成長を見守っていきたい。


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